サファヴィア秘話 ―月下の虜囚―

文月 沙織

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花園鑑賞 二

「ふふふ。いい格好ですね、サイラス様。俺にこんな姿を見られて悔しいですか? 恥ずかしいですか? まさかアルディオリア一の将軍と呼ばれたサイラス様に、こんな秘密があったとはね。王女殿下が婚約者のこんな姿を見れば、さぞ驚かれることでしょうよ」

 言いながらも、ダリクはその神秘の割れ目に指を入れてみたりする。

「あっ、痛ぅ! よせ!」

「ここは……無垢なんですね」

「ああ!」

 サイラスはのけぞって苦しがるが、マーメイもディリオスもダリクの狼藉を止めることはなく、冷静に、悶えるサイラスを観察しつづけている。頃合いをみはからったリリが、棚からなにやら取って来た。

「今日はまず初日なので、サイラスの身体にすこしみちをつけてやりましょう。ダリク、これの使い方はわかる?」

 マーメイが手に取って見せたのは象牙の道具だった。さらに、リリから受け取った水晶の小瓶を見せる。
 実を言うとダリクはこういった道具で遊んだことはなかったが、だいたい使い方はわかる。 

「いい、今日はまだ全部入れては駄目よ。普通の女人より繊細そうだから、少しずつ慣らしていかないと。先の所だけでサイラスの感性を高めるのよ。いいわね?」

 頷きながら、ダリクは慣れない手つきでその道具の先を、サイラスの花びらのはざまに、そっと、押す。

「ううう!」

 サイラスが不自由な身体で、無理だとはわかっていても逃れようとするが、かなわず、ダリクの持つ疑似性器によって身体をひらかれていく。花の蕾をむりやり開かせる痛ましさを感じながらも、どこか残忍な快感をあおられる姿だった。ダリクの手が情欲にふるえた。

「サイラスだけじゃなくて、ダリク、おまえにも責め方の練習をしてもらわないとね。おまえたち二人とも、ここでは奴隷としても調教師としても見習いみたいなものだわね。でも、うまくやれたらご褒美をあげるわ」
 訝しむダリクにマーメイは艶然と笑ってみせる。

「ちょっとばかり傲慢で手こずりそうなこのサイラスをすっかり女らしく仕込んだあかつきには、おまえをサイラスの初めての男にしてあげる」

 苦し気にうめいていたサイラスが、一瞬静かになった。その顔には恐怖が見える。

「い、いやだ」

「言ったでしょう? おまえにその選択権はないのよ。かつての部下に初めての男になってもらいなさい」

「けれど……マーメイ様、よろしいのですか? 処女好みの客になら高く売れますよ」

 リリが口をはさむ。彼女はマーメイの片腕らしく、その若さで娼館の副女将のような立場らしい。

「ふふふふ。安心なさい。収斂剤しゅうれんざいをつかえばいいことよ。とにかく、サイラスにはまず、この男としての態度や、元貴族で将軍だという傲慢さをなくさせ、女らしく従順に色っぽくなってもらわないと。そのためには、かつての部下だったダリクの〝女〟にさせるのが一番よ。ダリク、これからは、おまえはサイラスの調教師であり、主であり、男でもあるのよ。おまえの手でサイラスを仕込んでやるといいわ」
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