艶夢百景

文月 沙織

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玉比べ 四

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「おい、おまえら喧嘩するな。減るもんじゃなし、これから俺らでたっぷり仕込んでやれば、いくらでも使えるようになるぞ」
「本当ですかい、お頭?」 
「ああ。竹よ、このお貴族様、見かけによらず好きな質らしい。仕込めば、芸も覚えそうだ。色宿に売ればけっこうな値がつくぞ」
「しかし、薹がたち過ぎてやしませんかい?」
 黒吉の声には、情欲に興奮しながらも、光経に商品としていくらの値がつくかを冷静に考えている節がある。
「ふふふふ。その薹の過ぎたところに、熟した色気を好む輩も多いのよ。俺の仕込みで、磨きに磨きぬいて極上の玉に変えてやるさ。おい、怯えるなよ。案ずることはないさ」
 光経の身体が恐怖にこわばってきたことをさとった頭目は、背後から抱きしめるようにして、光経の白い頬に頬ずりした。
「泣くな、泣くな。俺がこれからちゃんとすべて教えてやる。怖いことをするわけじゃなし、楽しくて気持ちよくなることを教えてやるのだ。慣れてきたら、おまえだって良くて泣くようになるぞ。おまえの方から、おねだりしてくるようになるさ」
 それで光経が嗚咽を止めれるわけもない。
「貴族の男ってのは、案外骨が無いもんですね、お頭。ああ、ちぢこまってしまいましたよ。さっきまで活きが良かったってのに」
「どれ」
 竹の言葉をたしかめるように、黒吉が横から手を伸ばし入れ、光経の苗を扱く。
「まったくな。こら、なんで泣くのだ? おお、よしよし、可愛いな。しょうがない。ほれ、」
 光経は声にならない悲鳴をあげていた。
 男に強引に相手の膝上に抱きかかえられ、両足を背後から左右に割かれたのだ。
「竹よ、今度はお貴族様の前を吸ってやれ。ご機嫌がなおったら、また後ろに玉を入れて遊ばせてやろう」
 声が出ていたら、光経は拒絶に叫んでいたろう。
 だが、あいかわらず言葉にならない呻きがもれるだけで、誰にも聞こえることはない。
「へへ。じゃ、遠慮なく」
 犬のように床を這い、竹は光経の前にまわると、許された行為に没頭した。
「うう! ……うぐっ!」
「ああ、こっちも上品でかわいいな。縮こまってはいても、萎えきってはいないですよ。きっと俺に吸ってもらいたくてうずうずしているんだ。本当にいやらしいお貴族様だ」
 竹は嬉しそうに囁いた。   
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