紅蓮の島にて、永久の夢

文月 沙織

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宝玉遊戯 四

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 椅子のクッションに顔を押し付け、死ぬ気でアレクサンダーは命令に従ったが、それはピロテスを苛立たせたに過ぎない。
「もっと開かぬか!」
 一瞬顔を上げ、息を吸い、勇気をふりしぼって、命令にしたがう努力をするアレクサンダー。その姿はあわれの一言である。
 白い硬質の肌がぶるぶると震える。だが、身体の一部にはたしかに丸みを帯びたところもあり、通常の男性――すくなくとも戦士、軍人にしては柔らかな印象もあり、倒錯的な美しさを弾けさせている。
(これは本当に極上の性奴隷になるわな)
 ピロテスは内心、舌なめずりした。
「まずは、小さいものから始めるとするか。これなど、どうじゃ?」
 小さめの石をえらび、指でつまんでアレクサンダーの目に入るようにする。
 淡い水色の石は、アクアマリンである。
 油にまみれて艶光りしたその小さな玉石は、別のなにかに変成したように見える。事実、ピロテスの手にかかれば、その小さな石は、とてつもなく淫靡な性具に変わるのだ。
「うっ……」
「これ、息を止めるでない。口を開けておくのじゃ」
 やわらかな蕾を割って、丸い石が侵入していく。
「くぅ……っ」
 身体を割られる恐怖と屈辱にアレクサンダーは全身をこわばらせた。
 背にうっすら浮かんだ汗がきらきらと光り、ピロテスの目を刺す。
 ピロテスは内心、感嘆した。
 外見の素晴らしさもさることながら、今目の前で獣のように四つん這いの姿勢でふるえているのは、かつて世界最強の軍隊を率いた誇りたかき軍人貴族である。容姿のみならず、性格も気性も卓越した、まさに仙姿玉質せんしぎょくしつを誇るような相手を屈服させる悦びに、ピロテスの嗜虐心は否応なしにたかぶる。
 かすかな抵抗を見せたものの、ピロテスの指によってアレクサンダーの禁断の蕾は開かされていく。
「二つ目を入れるぞ」
「うっ!」
 最初のものよりやや大きめの玉石がアレクサンダーの蕾を犯す。
「エメラルドじゃ。気に入ったかぇ?」
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