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影花満開 十
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「ほうら、開いてみろ」
ハサピスと二人で両側からアレクサンダーの脚を開かせ、見るに耐えない姿勢を取らせる。
「あっ……ああ!」
無機質な鏡は、冷酷にすべてを映し出す。
「よ、よせ!」
半分死んだような心持ちだったアレクサンダーも、予想できない手酷い真似に、あわてた。
「や、やめろ!」
必死に脚に力を入れて抗おうとしたが、男二人の手はゆるがない。
「閉めてぇー」
おどけた口調で閉じさせてから、また開かせる。
「やめろ! やめてくれ!」
抗議の声は悲鳴になっていた。
アレクサンダーの常識では考えられないほど淫虐な光景が鏡のなかで展開する。
「また開いてぇー」
銀盤に、かぎりなく淫靡で妖しい、大輪の花が咲いている。
アレクサンダーにとっては耐えきれないほど恐ろしいことに、若芽は力強さを示していた。この状況で。
「うう……」
おぞましいことに、鏡は、秘めた花園に半ばうずもれている白い異物も見せつけるのだ。
(こんな……、こんなこと……)
アレクサンダーは歯軋りしたが、鏡に映る事実は変わらない。伸びてきた若芽も、濡れて艶を帯びた白卵も、男たちの目に見られているのだ。
「あっ……! ああ!」
アレクサンダーは頬を赤く燃やし、背後から身体を支えられるようにし、鏡のまえになす術もなく、世にも淫らで惨めな姿をさらしつづけるしかなかった。
今のアレクサンダーに唯一できることは、目を閉じ、この異様な拷問が一瞬でもはやく終わることを祈るだけだった。
「閉めぇー、開きぃー」
行進の命令をかけるようにするヴルブナに、ハサピスもまた調子にのって、淫猥かつ愚劣な遊戯をつづける。
アレクサンダーは、抵抗するどころか、もはや呼吸をするのですら苦しくなった。
ひたすら目をきつく閉じた。
「はい、閉めぇー」
ハサピスと二人で両側からアレクサンダーの脚を開かせ、見るに耐えない姿勢を取らせる。
「あっ……ああ!」
無機質な鏡は、冷酷にすべてを映し出す。
「よ、よせ!」
半分死んだような心持ちだったアレクサンダーも、予想できない手酷い真似に、あわてた。
「や、やめろ!」
必死に脚に力を入れて抗おうとしたが、男二人の手はゆるがない。
「閉めてぇー」
おどけた口調で閉じさせてから、また開かせる。
「やめろ! やめてくれ!」
抗議の声は悲鳴になっていた。
アレクサンダーの常識では考えられないほど淫虐な光景が鏡のなかで展開する。
「また開いてぇー」
銀盤に、かぎりなく淫靡で妖しい、大輪の花が咲いている。
アレクサンダーにとっては耐えきれないほど恐ろしいことに、若芽は力強さを示していた。この状況で。
「うう……」
おぞましいことに、鏡は、秘めた花園に半ばうずもれている白い異物も見せつけるのだ。
(こんな……、こんなこと……)
アレクサンダーは歯軋りしたが、鏡に映る事実は変わらない。伸びてきた若芽も、濡れて艶を帯びた白卵も、男たちの目に見られているのだ。
「あっ……! ああ!」
アレクサンダーは頬を赤く燃やし、背後から身体を支えられるようにし、鏡のまえになす術もなく、世にも淫らで惨めな姿をさらしつづけるしかなかった。
今のアレクサンダーに唯一できることは、目を閉じ、この異様な拷問が一瞬でもはやく終わることを祈るだけだった。
「閉めぇー、開きぃー」
行進の命令をかけるようにするヴルブナに、ハサピスもまた調子にのって、淫猥かつ愚劣な遊戯をつづける。
アレクサンダーは、抵抗するどころか、もはや呼吸をするのですら苦しくなった。
ひたすら目をきつく閉じた。
「はい、閉めぇー」
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