紅蓮の島にて、永久の夢

文月 沙織

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果てなき夜 十二

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「あっ! いや、嫌だ! クルーゲ、止めてくれ!」
「じっとして。聞き分けない人だなぁ。そんな我が儘ばかり言うなら、罰としてお尻を叩くよ。あんただって、校則違反した生徒を鞭で打ったじゃないか? 俺だって散々打たれたんだぜ。覚えているかい、モール寮長?」
 学生時代のことを思い出して、いっそうクルーゲは昂ったようだ。道具を押す手に力がこもる。
「そ、それは、君が規則を破ったからだ……あっ、ああっ……も、もう」
 かつての上級生と下級生のころのように、二人の口調は大差ないものになる。その様子を見ているヴルブナはすこし面白く思い、そしてすこし苛立つ。
「だったら、今あんたは娼婦としてのルールを破っているじゃないか? 今の俺は客だぜ。客の求めを嫌がっちゃいけないよ。ほら、脚を開いて、いい子にして」 
「む、無理だ」
 体内に醜悪な道具を入れられ、自分ですら知らない肉体の秘密を〝測られる〟という、これから我が身に強いられようとしている凄まじいまでの冒涜行為に、誇りたかいアレクサンダーは無理を承知で逆らわずにいられない。
「それじゃ駄目だ、もっと開いて」
 どこまでも意地悪く、ヴルブナたちに命じるのではなく、アレクサンダーがみずから脚を開くことをクルーゲは強要する。
「い、嫌だ……。無理だ、もう無理なんだ、やめてくれ……」
「何言っているんだよ、始めるまえから諦めてどうするんだい? 勇気と挑戦! 軍事訓練のときよく言っていたじゃないか。学院の訓示にもあったはずだよ。ほら、勇気を出して、挑戦してごらん」
 アレクサンダーをどこまでも愚弄するようなことを、笑いながらクルーゲは告げる。そのあいだにも道具を押しこもうとする。
 アレクサンダーは歯を食いしばったが、頬にあらたな涙が流れるのは防げない。
「ほうら、もっと開いて、さっきはあれだけ開いてすっかり卵を呑み込んで、出し入れしてくれたじゃないか? 卵よりちょっと長いかもしれないけれど、こっちの方が細いだろう?」
 入れようとするクルーゲと、逃れようとするアレクサンダーのあいだでしばし攻防戦がつづき、室内にはねっとりとした空気がこもっていった。
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