偏食王子は食用奴隷を師匠にしました

白い靴下の猫

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8☆師匠ゲット

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よくもまぁ、あんなに地味な格好と細っこい容姿で、目立てるよな。
キルヤはサフラ達から目が離せなかった。

今日は、格付け試験を、上位の点数でクリアした貴族種のための宴。

代々の勲章を引きずる程にぶら下げた保護者に伴われ、老獪というよりは妖怪といいたくなる有力者にあいさつ回りをする屈強な男達と、ド派手な衣装の母親に伴われ、人食い花が可憐に見えてくるような肉食系の目をして、上位貴族の周りをうろつく女達と。

正直、権力臭の香水をぶちまけられて、鼻の粘膜が焼けそうなほどだ。

その中に、やたらと簡素な装いで、細っこい体のチビふたり。

そのうちの一人は奴隷にエスコートさせて参加してきた末席の王族、7才のサフラだ。普通なら生還できない年で格付け試験にぶち込まれながら、どういう偶然があったのか、最高得点で格付け試験を突破した。

しかも、その最優秀者の権利を使って、あろうことか、食用奴隷を師匠に指名したのだ。

簡素な装いだけで充分目立つが、エスコートが師匠に指名された奴隷、しかも、食用奴隷の12才の女児とくれば、裸で立っているのと同じくらい目立つし、無防備だ。

今回の宴で、適齢期にいる来賓の男は、自分を含めて3人。自分がその中では一番人気がない自覚があるので。群がる人食い花たちをさらっと兄に押し付けて、抜け出した。

サフラとチビ女奴隷は、パーティーの序盤からはじっこでデザートばかり食っているので、会場の外を回ってしまえばたどり着くのも割と楽。

そばに寄って、小声で話しかけてみる。

「おめでとう、サフラ。最高得点者の割にはずいぶんと大人しいな」

はじっこに居たのに、さらにはじっこよりの壁際から声をかけられると思っていなかったのだろう。サフラは驚いたように目を瞬いた。

「キルヤさま?ピラニアに齧られ中に見えましたのに、逃げて来られたので?相変わらず手練れでいらっしゃいますね」

「どういう褒め方だ。可愛くない7歳児だな。お前こそ、もう少し着飾らないと逆に目立つぞ」

「使用人ルックで、迷彩効果を狙っています。わざわざ探すのは、キルヤ様ぐらいですからご心配なく」

「目立ちたくないが口癖だったくせに、格付け試験は、単身でドラゴンまで狩ったって?宗旨替えしたのか?」

正直、格付け試験でど派手なスコアをたたき出す前は、サフラに声をかけそうな人間など自分位だったと思う。まぁ、士官課程と幼稚舎だから友達認定はされていないだろうが、いろいろあった結果そこそこの同志愛を持つにいたる。

「違いますから。今日も金一封頂いたら、さくっと帰ります。キルヤ様もそろそろ年貢おさめないと、劇痛の腹探られまくりますよ」

サフラがちらりと周囲に視線を走らせる。
なるほど、俺達の組み合わせは、外形的には、格付け試験トップ通過の王族×注目株の適齢の有力貴族、だ。

複雑怪奇な親族関係に突入した名門にとっては、後ろ盾皆無で力のみを示したサフラはそれなりに美味しい餌になり得るし、超有力貴族な自分も充分美味しかったりする。

邪魔されずに2人で話せる時間は続かない。

「お前の師匠でも嫁によこすか?お前ごとまもってやれるぞ?」

何度かコナをかけて来た人食い花がこちらに向かって来るのが見えたので、けん制半分でチビ女奴隷の腰に手を回す。

「・・・どんなひどい女性問題起こしたんですか?」

「起こしてない!」

そう叫んだ時には、チビ女奴隷は柔らかな動きで俺の手から滑り出しており、俺の方は、サフラに人食い花の前に押し出されていた。
サフラ自身はちゃっかりチビ女奴隷の手を握って逃げていく。

うっわ、可愛くないコンビ。
本気だったとまでは言わないが、はじめて嫁に来いと言ったのだが?

魑魅魍魎どもに骨まで食われるよりは、俺に縋る方が生きやすいと思うぞ?
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