偏食王子は食用奴隷を師匠にしました

白い靴下の猫

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86☆定位置抱っこ

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キルヤ様の部屋から帰った後、左手はいやに元気で。
隙あらば、私の体をサフラの両手の間にねじこもうとする。

しかも、脳内ビデオ上映付き。エロゲと現実を適当に混ぜたコラ画系のやつ。全く何を企んでいるのだか。

一方のサフラも、明らかにおかしい。
最近、私に遠巻きだったのに、今日に限ってサフラの警戒感というか、言動がすごくゆるくなってる気がする。

キルヤ様が私に向けたの精神誘導の流れ弾かとも思ったけれど、あの人の実力考えると本命、ってか、目的があってサフラにかけたと考えるほうが自然。

今なら私も、サフラのメンタルが危険水域だったことには同意するし、キルヤ様がサフラの治療してくれる気なら協力もするけれど。できれば予告とかしておいてほしかったかも。

抱きしめたままの恰好で、サフラが、ものすごく慎重に背中に触れてくる。

デジャブ。
・・・って、ちょっとまった、これってくすぐったくてたまらないやつでは?

おまけに、そのショートフェザーはなに?しまったんじゃなかったの?
まさか、それで触ろうっていうんじゃないでしょうね、泣くわよ?!

「ぜったい、ひどくしたり、しませんから」

うわ、弟子よ、素直に育ちすぎたわね。誘導にかかってるとか、全然疑わないわけ?!

「その、わりには、逃げられない格好な気が?!」

一応軽く逃げてはみるけれど、最近サフラがお豆腐メンタルだったせいで、邪険に振り払うとかはできる気がしない。

「だって、もし、痛くて暴れたら、木枠の角とかあたっちゃうかもしれないから」

弟子よ、ものすごく会話がかみあってないわよ?!
なんでもしてあげると決めていても、反射までは止まらない。くすぐったければすくみ上るし、ボケられればつっこんじゃう。

「痛くない現在の場合、暴れるとしたらくすぐったいからでは?!」

「危ないのは、同じです」

いやいやいや? 

上着をずらされた間抜けな格好で、片手にショートフェザーもったサフラに抱きしめられて動けないとか、あり得ないのですが?

つ、つつー

「ふぃ!」

背中の真ん中に、フェザーが通って、私はあわてて、サフラのシャツにしがみついた。

そのまま、フェザーは腰骨の少し上でとまって、背中のくぼみとの間をふぁさふぁさする。

「ちょ、く、くすぐったい!」

「くすぐったいだけ?痛かったり苦しかったり、しない?」

充分息が苦しいわよ!
そう思ったけれど、手術かよ!と突っ込みたくなるくらい、精密に動かすから、暴れるのもはばかられた。

ひたすらにサフラの胸に顔をうずめ、頬を擦り付け、力の限りしがみついて我慢する。

「痛いところとか、隠してない?ひどい病気とか、後遺症とか、なにも?普通に、一緒に、暮らせる?」

「だから、そう、言ってるじゃない」

涙目で訴えると、サフラは腕を緩めて、何度も何度も私にキスをする。
口にも、瞼にも、眦にもキスをする。

「ユオ、よかった、です」

はいはい。甘えんぼめ。こんなもんで癒えるなら好きにしていいけどさ。

そう思ったところで、ぱくん。と耳が食むられた。

びくん

うわ。油断した!
またしても、サフラにしがみつくコアラ抱っこの格好に戻り、サフラに体をこすりつるようにして、ぞわぞわを逃がす。

「な、も、なにすんのよっ!!」

キルヤ様が誘導かけたなら、絶対目的があるはずで、私の役割もあるはずなのだけれど、くすぐったくて頭が回らない。

我ながら万全には程遠いな。考えなきゃって、思っても、全然集中量が続かなくて、流されっぱなしとか。

どうにでもなれ、って、こんなに簡単に思うタイプじゃなかったんだけど、ね。

・・・

からだがビクンビクンする頻度が高くなって、息が苦しくなって、頭の中は、あと一分だって耐えられないよと泣き言まみれだ。

ビビッドカラーの刺激は、ほんとうになれることが出来なくて。
もう、だらしなくて情けない声が、上がりっぱなし。
こんな、神経まる出しみたいな体で、世の中の女性は良く体のお付き合いができると思う。

私がくてんくてんになると。

サフラは私の上着をどけて、とても大切そうに触れ始めた。
どけたのは上着だけで、シャツもスカートもそのままで、裸になった訳でもないのに、やたらと恥ずかしいのは何故だろう。

指から耳から首筋から。
ちゅうっと吸い上げられて陰圧がかかるたびに、「嫌、だったら、言ってください」って不安そうな声で何度も念を押すものだから。
のたうち回りそうになる体を、師匠の面目でかろうじて抑える。

あと一分だけ我慢すれば、解放されると、自分をだまして、ぎゅっと目をつぶると、両方の胸を、シャツ越しにすごくゆっくりなぞられた。

妖しすぎるぞくぞくに、ひゅ、と喉が鳴って。あわてて右手でまくらを抱えあげて悲鳴を吸い込ませる。

「だい、じょぶ、ですか? 」

気のせいでなければ、サフラの声は少し上ずって、呼吸も、はやい。

それを聞いて、お年頃の男の子なのだから、とりあえず普通のエッチに持ち込んで、さっさと出させたほうがいい?!とか、話が単純化される私の頭は、確かにあの左手の本体だと思う。

気合いを入れて、こくんこくんとうなずくと、サフラはすごく若返った顔で笑った。

「ん、んんん」

枕からはみだす声だけでも、充分恥ずかしいのに。

「耳、も、いいですか?」

って、いわれて。

かぷ。

冗談でしょう?
口の攻撃は、指だけで終わりではないの?

耳の後ろの鋭敏なところに舌があたったまま、耳のふちを食まれて、錯乱する。
なんの我慢も効かなくなって、ぎゅいーんと、背中が反り返り、サフラに手をつっぱるようにして体を離そうとしたけれど、サフラはわたしの腰に腕を回して逃がさない。

それどころか、反り返った背中に、ファーの手袋を何度も往復させて、私が姿勢を戻して彼に縋りつくまで続けたのだ。

「ちょ、とっ、きゃああーっ」

まくらを離してしまうと、声は抑えようもなくて。しかたなく、サフラにしがみついて声を殺す。

「うう、んんぅ」

「可愛い声なのに。聞かせてくれないんですか?」

耳もとでそう囁いて、サフラがもう一度耳を食みなおす。
舌の奥を弱いところに押し当てるようにしたまま、舌先と唇で、耳のふちも、内側も軽く震わせられる。

「ダメ――ッ」

じたばた暴れるけれど、暴れている間中、ファーがそよぐから、溺れかけて岩にしがみつくように、サフラの胸板にしがみつく。そうしてやっと、ファーがとまる。

このクソガキー!
前世知識では、これって完全に前戯行為ですが?!こっちの世界では、服を脱がなきゃ、きわどい行為に入りませんか?!

何度も何度も、無意識が、サフラの胸でしか、お休みがもらえないと錯覚してしまうほどに、耳が食まれ、ファーで躾けられた。

おかげですっかり抱っこが定位置。
ばっきゃろー。普通にエッチしたほうが、ぜったい楽ですよ?!
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