解放

かひけつ

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第3章 ~よう

きめ

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《☆sideシン
オレは誰もいない・・・・・世界で虚空を見つめながら、独り言ちる。

 〔大事な決断ってのものは唐突に直面する。例えば、今朝起きたら両親が死んでいたとか、住居が火事になったとか、一人でどうにかなる時もある。だが、基本その場しのぎ。最善策を講じることは非常に難しく、そもそも行動すること自体諦める人もいるかもしれない〕

リンと会ったところから思い返す。

 〔突然来る厄災のような分岐点障害に自分がしたいことやしたかったことができるものは稀と言える。過去の話となれば通常なら、その分岐点での別の選択決断はどうか分からず、悔やんだり、妬むことがあるかもしれない。だから、最悪の盤面を想定することはいかに大事か先人は知っている〕

先人はそれこそ、猿に近い人間の頃から、ありありと思い出せる。それゆえ、感情が荒れる。

 〔だからこそ!そうならないために先人は文書を受け継がせた。疫病や災害、派閥争いに宗教戦争。個人の意思が霞んでしまいそうな障害は沢山あった。歴史は繰り返される。だが、改善していくために失敗をただの失敗で終わらせなかった…〕

一呼吸を置いて続ける。

 〔人間は独りでは生きていけない。だから、人ではなく人間なんだ。人に囲まれてるから、文化に溢れているから、愛を注がれてこそ人間なんだ。だから!社会ができた。人間は平等だ!なんて言っても対等には扱えない。経験者先人をまだ何も知らない子供を同等にできないように、全部が全部平等にはできやしない。これは自然の法則にも適用される……〕

尻すぼみになっているのを自分でも理解しながら、落ち着くために間を空ける。

 〔オレも不平等だ。寵愛を受ける子もいるというのに、何もしてやれない……〕

パン!!

これもネガティブになってしまった悪癖だ。気分を変えるためにも口調を変える。

 〔話を戻そう。リンとメハの決断は果たして正しかったのだろうか〕

目を見開いてこたえる。

 〔けた時間恋慕は裏切らない。BAD ENDなんて許すわけがない!!〕

ふと思う。これをなにも知らない第三者が見ていたらと。

 <クソハズイのは確定なんだが……。ま、はないか>

オレは唯一情報を伝達できる相手にその想いも含めて伝える。道標は伝えるものと受け取る者がいて成立するものだ》
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