31 / 149
ジャンヌ・ダルク、皇都にて(1)
しおりを挟む
『拝啓。父さん、母さん
俺がヴァロワ皇国の皇都・グランツェに来てから、既に二ヶ月が経ちました。
と言っても、単に六十日が経過しているだけなので正確には分かりませんが。それ以前の日も数えれば、もう三ヶ月近くになっています。
そちらは如何お過ごしでしょうか。
一條・春凪、紀宝・香苗、高井坂・幸喜の三人は今日も元気ですが、性別が変わってしまってる俺は毎日ため息を吐いてます。
これは皆してスカート穿かせてくる所為でもあります。
心配を掛けてしまっている事と思います。
一日でも帰れれば良いのですが、帰る方法は未だ不明なので出来ないのがもどかしい限りです。
高井坂辺りはあんまり気にしてないっぽいですが、この間昼寝してる時に「姉ちゃん」とか言ってました。
今度、風呂覗いてきたら三階から蹴り落とさずに弄り倒してやります。
別の世界、リヴァリスと言う地で出会ったアラスタンヒル・ランスの実家で厄介になっていますが、ルカヨさん、アルベルトさんを始め、メイドさん達も良くしてくれてるのですこぶる快適です。
読み書きはまだまだですが、現地の言葉でも普通に話せてる今は、不自由もあまり感じません。
本人は先月にドワーレへ戻って行きましたが。
現場指揮官は大変そうです。父さんも似た立場でしょうが、俺はやりたくないですね。
出番が回ってこないのを祈るばかりです。
ルカヨさんのスパルタ式言語学習も最近は大詰めですが、なんだか本人は寂しげなのは不思議です。
とはいえ、この歳になってから「一人でお使い出来るかな」をさせられるとは思いませんでした。お陰で皇都には多少詳しくなりましたが。
後、怒ると目が怖いです。
母さんと似てます。仲良くなれるかも知れません。
剣の師匠、アルベルトさんのしごきにも慣れてきました。恐ろしい事に。
日本に居た時は、木の棒も持った事がない俺がこんな事になってると知れば、流石に驚くかも知れません。一番驚いてるのは俺です。
彼には毎日木剣で叩かれてましたが、ルカヨさんにキツく言われたらしく、初日以降は顔を狙わないでくれました。
でも今はちゃんと叩き返してます。
昨日は初日にやられた、「脚を木剣ですくって一回転」をやり返しました。
紀宝とルカヨさんには褒められました。
アルベルトさんは半日休む事になったけど特にお咎めはありませんでした。
性別の変わった姿は置いといて。この日記も含め、見せる機会が来ればと願っています。
ランス邸の私室にて。
80日目の月が良く見える夜。
ジャンヌ・ダルク。一條・春凪』
俺がヴァロワ皇国の皇都・グランツェに来てから、既に二ヶ月が経ちました。
と言っても、単に六十日が経過しているだけなので正確には分かりませんが。それ以前の日も数えれば、もう三ヶ月近くになっています。
そちらは如何お過ごしでしょうか。
一條・春凪、紀宝・香苗、高井坂・幸喜の三人は今日も元気ですが、性別が変わってしまってる俺は毎日ため息を吐いてます。
これは皆してスカート穿かせてくる所為でもあります。
心配を掛けてしまっている事と思います。
一日でも帰れれば良いのですが、帰る方法は未だ不明なので出来ないのがもどかしい限りです。
高井坂辺りはあんまり気にしてないっぽいですが、この間昼寝してる時に「姉ちゃん」とか言ってました。
今度、風呂覗いてきたら三階から蹴り落とさずに弄り倒してやります。
別の世界、リヴァリスと言う地で出会ったアラスタンヒル・ランスの実家で厄介になっていますが、ルカヨさん、アルベルトさんを始め、メイドさん達も良くしてくれてるのですこぶる快適です。
読み書きはまだまだですが、現地の言葉でも普通に話せてる今は、不自由もあまり感じません。
本人は先月にドワーレへ戻って行きましたが。
現場指揮官は大変そうです。父さんも似た立場でしょうが、俺はやりたくないですね。
出番が回ってこないのを祈るばかりです。
ルカヨさんのスパルタ式言語学習も最近は大詰めですが、なんだか本人は寂しげなのは不思議です。
とはいえ、この歳になってから「一人でお使い出来るかな」をさせられるとは思いませんでした。お陰で皇都には多少詳しくなりましたが。
後、怒ると目が怖いです。
母さんと似てます。仲良くなれるかも知れません。
剣の師匠、アルベルトさんのしごきにも慣れてきました。恐ろしい事に。
日本に居た時は、木の棒も持った事がない俺がこんな事になってると知れば、流石に驚くかも知れません。一番驚いてるのは俺です。
彼には毎日木剣で叩かれてましたが、ルカヨさんにキツく言われたらしく、初日以降は顔を狙わないでくれました。
でも今はちゃんと叩き返してます。
昨日は初日にやられた、「脚を木剣ですくって一回転」をやり返しました。
紀宝とルカヨさんには褒められました。
アルベルトさんは半日休む事になったけど特にお咎めはありませんでした。
性別の変わった姿は置いといて。この日記も含め、見せる機会が来ればと願っています。
ランス邸の私室にて。
80日目の月が良く見える夜。
ジャンヌ・ダルク。一條・春凪』
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる