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懐炉
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『懐炉』
ある日、僕は半年ほど前から思いを寄せていた女子と学校からの帰り道を共に歩いていた。
やはり、2月の夕方は寒い。とてつも無く寒い。
寒さに耐える為に僕は、制服の上に着ていたダウンジャケットのポケットに手を入れた。
「寒いね」あまりにもモコモコなマフラーを首に巻いた彼女が話しかけてきた。
「さっむい。寒いのイヤ。冬イヤすぎるよ」
何を言っても冬が親切に暖かくなってくれる訳も無いのに、
僕は感情に任せて、白い息と共に不満を吐いた。
「でもさ」彼女が急に僕の方に近付いてきた。
「こうすればあったかいよね」
そう言うと、彼女は僕が右手を入れていたダウンジャケットのポケットに、
少々無理やり手を入れてきたのである。
僕はしばらく彼女の目を見つめたまま何も発することが出来なかったが、
数分前よりも確かに体温は上昇していた。
ある日、僕は半年ほど前から思いを寄せていた女子と学校からの帰り道を共に歩いていた。
やはり、2月の夕方は寒い。とてつも無く寒い。
寒さに耐える為に僕は、制服の上に着ていたダウンジャケットのポケットに手を入れた。
「寒いね」あまりにもモコモコなマフラーを首に巻いた彼女が話しかけてきた。
「さっむい。寒いのイヤ。冬イヤすぎるよ」
何を言っても冬が親切に暖かくなってくれる訳も無いのに、
僕は感情に任せて、白い息と共に不満を吐いた。
「でもさ」彼女が急に僕の方に近付いてきた。
「こうすればあったかいよね」
そう言うと、彼女は僕が右手を入れていたダウンジャケットのポケットに、
少々無理やり手を入れてきたのである。
僕はしばらく彼女の目を見つめたまま何も発することが出来なかったが、
数分前よりも確かに体温は上昇していた。
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