コウちゃんと一回くらいセックスしてみたかったな

美里

文字の大きさ
8 / 18

2回目

しおりを挟む
 コウちゃんとちょっとエッチな雰囲気になった二回目は、真昼の公園でだった。午後12時半。時間もはっきり覚えている。私とコウちゃんは、公園のベンチに腰を引っかけて、夢菜を待っていた。
 夢菜は、恋人に話をつけに行っていた。その恋人はまっとうな勤め人で、その仕事の昼休みの時間だった。だから、午後12時半。まっとうな勤め人氏には、奥さんがいた。そこまでは、いつもの夢菜の恋人といった感じだ。ただ、いつもと違ったのは、そのひとには子どももいたというあたりだ。夢菜はそれを、勤め人氏の奥さんからの電話で知ったらしい。
 「けじめをつけなくちゃ。」
 夢菜は、私とコウちゃんにそう言った。けじめ、なんて、夢菜らしくない言葉遣いだったし、思いつめたような表情も、夢菜らしくなかった。
 「いってらっしゃい。」
 と、私の家にいた私とコウちゃんは、銘々の家に散り、明日か明後日にまた集まって夢菜の報告を聞くつもりで返した。でも、夢菜は強引に私とコウちゃんを真昼の公園に引っ張り出した。誰かいてくれないと、きっと逃げてしまう、と言って。真昼間の公園を選んだのも、同じ理由らしかった。夜では、自分の家や、居酒屋や、ましてやホテルでは、逃げてしまうからと。
 広い公園だった。テニスコートもプールもある。その中のどこかで夢菜は別れ話をし、私とコウちゃんは、ぼんやりベンチに引っかかっている。夢菜はほとんど毎日、勤め人氏の昼休みにはこの公園に来て、一緒に昼ごはんを食べていたらしい。
 「いい天気だね。」
 うんざりしたみたいに、コウちゃんが言った。
 「ね。」
 私もうんざりして返した。
 春の初めだった。うっとうしいほど透明の日差しが、そこらじゅうにいっぱい降り注いでいた。私も夢菜もコウちゃんも、普段、昼間はあまり外に出なかった。自分たちが、まっとうな大人ではない、と思い知らされる時間だからだろう。社会がきちんと動いている時間。子どもも大人も、自分たちのいるべき場所に収まって、するべきことをしている時間。
 「夢菜はすごいね。」
 コウちゃんが言った、すごい、とういうのは、夢菜がけじめをつけに行ったことではなくて、こんな真昼間に毎日、まっとうな勤め人とランチなんかしていたことに対してだと、私には声のトーンで分かった。
 「ね。」
 手の上に手をかざして日差しをさえぎりながら、私は適当な相槌を打った。
 夢菜はすごい。こんないい天気の日に、公園でまっとうな勤め人とランチなんか、私にはできない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

処理中です...