拗れた性癖お断りっ!

ぴよ

文字の大きさ
1 / 9

【1】

しおりを挟む


河上カワカミ ハル


握手した瞬間、未来が視えた。


『やる気のねぇケツしやがって。誰のために拡げてやってると思ってんだ? 入れるこっちも大変なんだぞわかってんのか!? さっさとケツ上げろ!!』  

 罵声を浴びせながら、手形で赤く染まる尻を撫で回す男。痛みと恐怖に顔を歪め、四つ這いで高く曝された尻穴へと極太の玩具を無理矢理捩じ込まれながら『無理です』『ごめんなさい』と涙ながらに許しを乞うのは……俺だった。


「……勘弁して……」
「ハル君? どうかした?」

 バチッ! と視界が切り替わると、同一人物とは思えない優男風の姉の彼氏が名残惜しげに揉んでから握手を解いた。鳥肌全開なんだが。

 実際に尻をどうにかされてしまったような感覚が残る。動揺を悟られないように、俺は慣れない愛想笑いをしながらテーブルの下で手汗を拭き、姉と彼氏のお邪魔虫にならない様にお待ちかねの元祖苺ショートケーキに気持ちを切り替えた。うまい。程よい甘さが胃に染み渡る。

「またね、ハル君」

 二度と会いたくない。
 姉と一緒に喫茶店で男を見送る。ダメだこりゃ。

「……どうよ?」
「姉ちゃんさぁ、後ろ狙われてない?」
「わぉ。相変わらず当たるわねぇ~最近やけに触ってくると思ったら、そっち?」
「拡張へのこだわりヤバいって。キレると暴言吐きながら尻ぶっ叩くから気をつけなよ」
「……ありがとね。ハル」

「ないわー」とぼやく姉。
 今回の彼氏ともこれっきりだな。さっき視た未来像を思い出してうんざりした。何でヤられ役が姉ちゃんじゃなく俺なんだよ? 初対面なのにおかしいだろ!






中一の夏、俺は保健室のベッドで特殊能力に目覚めた。突然だった。保険医の男に手を握られながら、幻覚というにはリアルすぎる光景を視たのは。


 熱で火照る俺の身体を這いずり回る骨張った大きな手に急所を掴まれ、望まない射精を強いられながら動画で撮られた。整った顔で笑いながら耳元で囁かれる脅しの言葉。

汚れたシーツを虚ろな表情で見つめる自分の姿が、ぐにゃりと歪んで消えた。









※ラスト(本日中)まで予約投稿しました。
お楽しみ頂けたら嬉しいです


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「レジ袋はご利用になりますか?」

すずかけあおい
BL
仕事帰りに寄る、いつものコンビニで五十嵐 歩(いがらし あゆむ)はイヤホンをつけたまま会計をしてしまい、「――――?」なにかを聞かれたけれどきちんと聞き取れず。 「レジ袋はご利用になりますか?」だと思い、「はい」と答えたら、実際はそれは可愛い女性店員からの告白。 でも、ネームプレートを見たら『横山 天志(よこやま たかし)』…店員は男性でした。 天志は歩に「俺だけのネコになってください」と言って…。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

私の番がスパダリだった件について惚気てもいいですか?

バナナマヨネーズ
BL
この世界の最強種である【バイパー】の青年ファイは、番から逃げるために自らに封印魔術を施した。 時は流れ、生きているうちに封印が解けたことを知ったファイは愕然とする間もなく番の存在に気が付くのだ。番を守るためにファイがとった行動は「どうか、貴方様の僕にしてください。ご主人様!!」という、とんでもないものだったが、何故かファイは僕として受け入れられてしまう。更には、番であるクロスにキスやそれ以上を求められてしまって? ※独自バース設定あり 全17話 ※小説家になろう様にも掲載しています。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

甘々彼氏

すずかけあおい
BL
15歳の年の差のせいか、敦朗さんは俺をやたら甘やかす。 攻めに甘やかされる受けの話です。 〔攻め〕敦朗(あつろう)34歳・社会人 〔受け〕多希(たき)19歳・大学一年

契約満了につき

makase
BL
仮初めの恋人として契約を結んだ二人の、最後の夜。

Sランク冒険者クロードは吸血鬼に愛される

あさざきゆずき
BL
ダンジョンで僕は死にかけていた。傷口から大量に出血していて、もう助かりそうにない。そんなとき、人間とは思えないほど美しくて強い男性が現れた。

君と僕との泡沫は

七天八狂
BL
【ツンデレ美貌✕鈍感平凡の高校生】 品行方正才色兼備の生徒会長と、爪弾きの底辺ぼっちが親の再婚で義兄弟となった青春BLドラマ。 親の再婚で義兄弟となった正反対の二人の青春BL。 入学して以来、ずっと見つめ続けていた彼が義兄弟となった。 しかし、誰にでも親切で、みなから慕われている彼が向けてきたのは、拒絶の言葉だった。 櫻井優斗は、再婚を繰り返す母のせいで引っ越しと転校を余儀なくされ、友人をつくることを諦め、漫画を描くという趣味に没頭し、孤独に生きていた。 高校で出会った久我雅利の美貌に見惚れ、彼を主人公にした漫画を描くことに決めて、二年間観察し続けていた。 底辺ぼっちだった優斗は、周りから空気のように扱われていたから、見えない存在として、どれほど見ていても気づかれることはなかった。 そのはずが、同じ屋根の下に住む関係となり、当の本人に、絵を描いていたことまでもがバレてしまった。

処理中です...