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「それでは部署配属の手続きは僕がやっておくので川本さんは田川の業務について行って、どういうふうに接すればいいかや話し方など学んでいきましょうか、一通り慣れてきたら次の業務内容を伝えますね」
「わかりました」
「じゃあ川本さん、いきましょうか」
そうして私は田川さんについて行くことになった。この仕事はいくつか特殊な決まり事があるらしい。
一つ目は1ヶ月に並行していい依頼の数だ。何個でも受けることができるが一度に並行できるのは3件までらしく、心労過多防止や案件一つひとつに対ししっかりと向き合えるようにだそうだ。
そして二つ目が職員同士陰口を言わないこと。宮野自身『見えないように叩くのは負け犬の証拠、考えが合わないと怒るのは無知の証拠、そしてどちらも理解不足が原因』という持論があるそうで、怒ったり蔑むのは相手や物事を理解しようとしないからであって、知性や富んだ考え方ができる人がすることじゃないのだそう。確かに私をいじめてきた人も見えない方が多数派だからといじめていたようだがとても知力がある人間だとは思えない。
そんな話をしていると生徒の家についたようだ。今回の生徒は中学2年生、部活を怪我で辞めたのをきっかけにいじめが始まり不登校に、最初は部屋の外から声をかけても無駄だったのを、やっと出てきて話してくれるほどになったらしい。
「最近の調子はどう?今日はこの子を連れてきたの。大輝くんと似た境遇の子だから話やすいと思うって電話で話した子。自己紹介して」
「初めまして、ゆいなっていいます。私もとある理由で小中学校でいじめられててすごく辛かったのを今でも覚えてる。もしよかったら何が辛かったかとかこれからどうしたいかとか、教えてくれない?」
田川さんのおかげで話せるようになったとはいえ、まだ警戒心が強いのか、なかなか口を開いてくれない。
人の人生に関わって行く仕事というのはやっぱり骨が折れるものなんだろう。
「大輝くん、今は話せなくてもいいからこの前の続き話そうか、それでゆいなちゃんにも慣れてきたら頼りになると思うし相談してみて。そしたら近況から聞いて行くね・・・」
____________
「最初はだいたいあんな感じです。私も初めて大輝くんと面会した時はなかなか口を聞いてくれませんでした。にしても初めてにしては敬語の解き方も上手でしたね。接客業とかしてました?」
「あ、ARTに入る前は居酒屋でバイトしてました。」
「だからですか。もちろん人によって初対面からタメ口で入っていい子や何度か話してから敬語をとった方がいい子など様々なので慣れるまでは今日のように先に指定しますね。」
「はい」
田川さんは、私のことをどう思っているんだろうか。今の状況私は新参者で、私が入る時も宮野さんが強引に決めたような節があった。一年以上二人でやってきて急に私が割って入って嫌な思いもすると思う。何より田川さんがポーカーフェイスすぎる・・!宮野さんといる時は多少表情があるがそれ以外は最初の面会の時に見たあの笑顔だけだ。
これに関しては聞いてみないとわからない、でも本人に聞く勇気が・・
そんな時宮野さんの持論が頭をよぎった。理解不足か・・
「田川さん」
運転席の彼女に声をかける。
「はい?」
「私メイクが苦手で今度練習のためにメイク道具買いに行こうと思ってて、よかったら一緒に行きませんか?」
自分足りない頭で出せる一番の理由だった。本当はそんな予定なかったがないなら作ればいい。
「いいですが、友達じゃなくていいんですか?」
「はい!いろんな人の意見話聞きたくて」
「わかりました。そしたら次の生徒さんのところにつくので詳しい予定はメッセージで決めましょうか」
「はい、ありがとうございます」
そうして2件目の聞き取りや現状整理を行い、事務所に戻ってレポート作成をして業務が終了した。
業務は思っていたより短く、本当にこれであの給料をもらっていいのかと思うほどだった。
「じゃあやること終わったら言ってください。とりあえず初出勤だったのでみんなでご飯でも行きませんか?近くのいい居酒屋を知ってるんです。もちろんお酒飲むかは自由なので」
「私は出席します。宮野さんの奢りですか?」
「奢ります笑川本さんはいかがですか?」
「あ、私も出席します」
もしかしたらこの席で何か仲良く慣れるようなイベントがあるかもしれない。淡い期待をこめて宮野の業務が終わるのを待った。____________
「わかりました」
「じゃあ川本さん、いきましょうか」
そうして私は田川さんについて行くことになった。この仕事はいくつか特殊な決まり事があるらしい。
一つ目は1ヶ月に並行していい依頼の数だ。何個でも受けることができるが一度に並行できるのは3件までらしく、心労過多防止や案件一つひとつに対ししっかりと向き合えるようにだそうだ。
そして二つ目が職員同士陰口を言わないこと。宮野自身『見えないように叩くのは負け犬の証拠、考えが合わないと怒るのは無知の証拠、そしてどちらも理解不足が原因』という持論があるそうで、怒ったり蔑むのは相手や物事を理解しようとしないからであって、知性や富んだ考え方ができる人がすることじゃないのだそう。確かに私をいじめてきた人も見えない方が多数派だからといじめていたようだがとても知力がある人間だとは思えない。
そんな話をしていると生徒の家についたようだ。今回の生徒は中学2年生、部活を怪我で辞めたのをきっかけにいじめが始まり不登校に、最初は部屋の外から声をかけても無駄だったのを、やっと出てきて話してくれるほどになったらしい。
「最近の調子はどう?今日はこの子を連れてきたの。大輝くんと似た境遇の子だから話やすいと思うって電話で話した子。自己紹介して」
「初めまして、ゆいなっていいます。私もとある理由で小中学校でいじめられててすごく辛かったのを今でも覚えてる。もしよかったら何が辛かったかとかこれからどうしたいかとか、教えてくれない?」
田川さんのおかげで話せるようになったとはいえ、まだ警戒心が強いのか、なかなか口を開いてくれない。
人の人生に関わって行く仕事というのはやっぱり骨が折れるものなんだろう。
「大輝くん、今は話せなくてもいいからこの前の続き話そうか、それでゆいなちゃんにも慣れてきたら頼りになると思うし相談してみて。そしたら近況から聞いて行くね・・・」
____________
「最初はだいたいあんな感じです。私も初めて大輝くんと面会した時はなかなか口を聞いてくれませんでした。にしても初めてにしては敬語の解き方も上手でしたね。接客業とかしてました?」
「あ、ARTに入る前は居酒屋でバイトしてました。」
「だからですか。もちろん人によって初対面からタメ口で入っていい子や何度か話してから敬語をとった方がいい子など様々なので慣れるまでは今日のように先に指定しますね。」
「はい」
田川さんは、私のことをどう思っているんだろうか。今の状況私は新参者で、私が入る時も宮野さんが強引に決めたような節があった。一年以上二人でやってきて急に私が割って入って嫌な思いもすると思う。何より田川さんがポーカーフェイスすぎる・・!宮野さんといる時は多少表情があるがそれ以外は最初の面会の時に見たあの笑顔だけだ。
これに関しては聞いてみないとわからない、でも本人に聞く勇気が・・
そんな時宮野さんの持論が頭をよぎった。理解不足か・・
「田川さん」
運転席の彼女に声をかける。
「はい?」
「私メイクが苦手で今度練習のためにメイク道具買いに行こうと思ってて、よかったら一緒に行きませんか?」
自分足りない頭で出せる一番の理由だった。本当はそんな予定なかったがないなら作ればいい。
「いいですが、友達じゃなくていいんですか?」
「はい!いろんな人の意見話聞きたくて」
「わかりました。そしたら次の生徒さんのところにつくので詳しい予定はメッセージで決めましょうか」
「はい、ありがとうございます」
そうして2件目の聞き取りや現状整理を行い、事務所に戻ってレポート作成をして業務が終了した。
業務は思っていたより短く、本当にこれであの給料をもらっていいのかと思うほどだった。
「じゃあやること終わったら言ってください。とりあえず初出勤だったのでみんなでご飯でも行きませんか?近くのいい居酒屋を知ってるんです。もちろんお酒飲むかは自由なので」
「私は出席します。宮野さんの奢りですか?」
「奢ります笑川本さんはいかがですか?」
「あ、私も出席します」
もしかしたらこの席で何か仲良く慣れるようなイベントがあるかもしれない。淡い期待をこめて宮野の業務が終わるのを待った。____________
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