7 / 20
School days<2>
しおりを挟む
講堂の客席の後ろの方に僕は陣取った。
僕の母校、運動部は今ひとつ目立った活躍はないが文化部、特に演劇や音楽の部活動はかなりレベルが高く、プロの道へ進む卒業生も多い。
学園長の挨拶に続いて軽音楽部の演奏が始まった。
合間を見て模擬店の様子を見に行くと順調に捌けてるようだ。
校内をぶらついていると突然声を掛けられた。
「センパーイ!」
振り返るとありすとさくらがいた。
「模擬店はいいんですか?」
「うん、上手くいってるみたいだから手持ち無沙汰でね」
「よかったら一緒に見て回りませんか?」
「いいよ、模擬店も気になるから途中で抜けるけどいいかな」
「わーい❤️」
二人と校内の展示などを見てまわっているとあっという間に時間が過ぎていった。
「ありがとう、一度模擬店の様子を見に戻るよ、後片付けもあるしね」
「はーい!楽しかったです♪」
模擬店へ戻るとほぼ完売に近く、食材も残りわずかだった。
「良く売れたみたいだね、大したもんだ」
僕は模擬店の生徒たちに声をかけた。
「ありがとうございます、いい経験ができました」
こうやって飲食業に触れることで興味を持つ子が出てきてくれたらうれしいかぎりだ。
しばらくしてまどかさんの声で終了を知らせるアナウンスが入り、模擬店の後片付けを始めた。
後片付けが終わり、講堂へ行ってみるとまどかさんのほうもほぼ片付けは終わっていた。
「まどかさん、おつかれさま」
「翔太郎くんもおつかれさま、模擬店どうだった?」
「無事完売」
「すごいわね、あなたの指導が良かったのよ」
「そんなことないよ、生徒さんたちがんばってたからね」
重い機材を車まで運ぶのを手伝って片付けは終わった。
「さて、ゆき姉にあいさつして帰ろうか」
「ねぇ、その前にひさしぶりにあそこ行ってみない」
「そうだね、卒業してから行ってなかったよね」
僕たちは学生時代よくたまり場にしていた渡り廊下へ行った、まどかさんや仲間たち、あやちゃんも入学してから仲間に加わった。
「懐かしいな、みんなどうしてるだろうなぁ、卒業してから見事にバラバラになっちゃったもんな」
「そうね、みんな街から出て行ったものね」
「翔ちゃん、覚えてる?」
「なにを?」
「ここで初めてキスしたよね…」
そうだった…まどかさんのご両親が亡くなったあと元気付けたくて放課後にここに連れてきてみんなと話してたんだ。
みんなが三々五々帰っていって二人きりになったときになんとなくそんな雰囲気になり、お互いに言葉にすることもなく自然にキスしていた。
「…そうだったね」
「ねぇ、もう一回しようか?」
「今?」
「なんてね、冗談よ」
まどかさんはいたずらっぽく笑った。
その時一瞬、学生時代のまどかさんが重なって見えた気がした。
職員室のゆき姉にすべて無事に終わったことを報告しにいく。
「まどかちゃんも翔ちゃんもご苦労さまでした、模擬店の子たち、自分たちで食べようと思ってた分まで売れちゃって悔しがってたわよ」
「そうなんだ、よく売れてたもんね」
「来年もよろしくね、ありがとう」
そう言ってゆき姉は笑顔で見送ってくれた。
まさか卒業してからも母校のイベントに関われるとは思わなかった。
そういう面ではゆき姉に感謝しないとな…
まどかさんは事務所の車で先に帰路につき、僕は調理器具を抱えて家へと向かった、帰ってお風呂入って夕食の支度しないとな。
夕焼け雲を眺めて学生時代のあれこれを思い出しながらゆっくり歩いていた。
School days <了>
僕の母校、運動部は今ひとつ目立った活躍はないが文化部、特に演劇や音楽の部活動はかなりレベルが高く、プロの道へ進む卒業生も多い。
学園長の挨拶に続いて軽音楽部の演奏が始まった。
合間を見て模擬店の様子を見に行くと順調に捌けてるようだ。
校内をぶらついていると突然声を掛けられた。
「センパーイ!」
振り返るとありすとさくらがいた。
「模擬店はいいんですか?」
「うん、上手くいってるみたいだから手持ち無沙汰でね」
「よかったら一緒に見て回りませんか?」
「いいよ、模擬店も気になるから途中で抜けるけどいいかな」
「わーい❤️」
二人と校内の展示などを見てまわっているとあっという間に時間が過ぎていった。
「ありがとう、一度模擬店の様子を見に戻るよ、後片付けもあるしね」
「はーい!楽しかったです♪」
模擬店へ戻るとほぼ完売に近く、食材も残りわずかだった。
「良く売れたみたいだね、大したもんだ」
僕は模擬店の生徒たちに声をかけた。
「ありがとうございます、いい経験ができました」
こうやって飲食業に触れることで興味を持つ子が出てきてくれたらうれしいかぎりだ。
しばらくしてまどかさんの声で終了を知らせるアナウンスが入り、模擬店の後片付けを始めた。
後片付けが終わり、講堂へ行ってみるとまどかさんのほうもほぼ片付けは終わっていた。
「まどかさん、おつかれさま」
「翔太郎くんもおつかれさま、模擬店どうだった?」
「無事完売」
「すごいわね、あなたの指導が良かったのよ」
「そんなことないよ、生徒さんたちがんばってたからね」
重い機材を車まで運ぶのを手伝って片付けは終わった。
「さて、ゆき姉にあいさつして帰ろうか」
「ねぇ、その前にひさしぶりにあそこ行ってみない」
「そうだね、卒業してから行ってなかったよね」
僕たちは学生時代よくたまり場にしていた渡り廊下へ行った、まどかさんや仲間たち、あやちゃんも入学してから仲間に加わった。
「懐かしいな、みんなどうしてるだろうなぁ、卒業してから見事にバラバラになっちゃったもんな」
「そうね、みんな街から出て行ったものね」
「翔ちゃん、覚えてる?」
「なにを?」
「ここで初めてキスしたよね…」
そうだった…まどかさんのご両親が亡くなったあと元気付けたくて放課後にここに連れてきてみんなと話してたんだ。
みんなが三々五々帰っていって二人きりになったときになんとなくそんな雰囲気になり、お互いに言葉にすることもなく自然にキスしていた。
「…そうだったね」
「ねぇ、もう一回しようか?」
「今?」
「なんてね、冗談よ」
まどかさんはいたずらっぽく笑った。
その時一瞬、学生時代のまどかさんが重なって見えた気がした。
職員室のゆき姉にすべて無事に終わったことを報告しにいく。
「まどかちゃんも翔ちゃんもご苦労さまでした、模擬店の子たち、自分たちで食べようと思ってた分まで売れちゃって悔しがってたわよ」
「そうなんだ、よく売れてたもんね」
「来年もよろしくね、ありがとう」
そう言ってゆき姉は笑顔で見送ってくれた。
まさか卒業してからも母校のイベントに関われるとは思わなかった。
そういう面ではゆき姉に感謝しないとな…
まどかさんは事務所の車で先に帰路につき、僕は調理器具を抱えて家へと向かった、帰ってお風呂入って夕食の支度しないとな。
夕焼け雲を眺めて学生時代のあれこれを思い出しながらゆっくり歩いていた。
School days <了>
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる


