花嫁は猫又⁉︎

みやぢ

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にあと僕の夏祭り<2>

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僕が迷子の捜索をしていた頃、にあは参拝客の応対で授与品を渡したり、御神酒の振る舞いをしたりと大忙しだった。

やがて落ち着いたころ、浴衣を着た小さな女の子が授与所の横に座り込んでいるのに気がついて声をかけた。

「どうしたの?」

「…¿@♪」

まだ言葉が出ないようでよくわからない。

そのうちにあの袴の裾にしがみついてきた。

「困ったな…」

「あら、その子どうしたの?」

ちぐささんが気づいて声をかけてきた。

「どうも迷子みたいなんだけど…」

「そうみたいね、詰め所にたけるくんがいるからその子連れて行ってあげて」

女の子は動こうとしないのでしかたなくにあは抱きかかえて詰め所へ向かい始めた。

抱っこされるのが嬉しいのか女の子はニコニコしてご機嫌になっていた。

しかし人混みで子供を抱きかかて歩くのは大変でにあは何度も転びそうになっていた。

「たける、助けて!」

にあが心の中でそう叫んだ時、彼女の首輪の鈴がちりんと鳴った…

一方僕は人混みをかき分けながら小さい子を探していた。

「ちりん」

ふと鈴の音が聞こえた気がした、

「にあ?」

よくわからないけど頭の中に浮かんだ方へ進むとそこに小さな女の子を連れたにあが立ちすくんでいた。

「たける!」

「にあ!その子は?」

「迷子みたい、どうしよう…」

「たぶん僕が探してた子だよ、詰め所にお母さんが待ってるから連れて行くよ」

そう言って女の子を抱きかかえると突然泣き出した…

「困ったなぁ」

「わたしが替わるよ」

不思議なことににあが抱きかかえるとぴたりと泣き止んだ。

「仕方ないなぁ、そのまま詰め所まで来てくれる?」

僕たちは二人で詰め所まで戻った。

「ありがとうございました!」

お母さんに女の子を渡すと深々と頭を下げて手を繋いで帰っていった。

親子を見送って僕たちは詰め所でへたりこんだ。

「ふぅ…無事に見つかって良かった」

「あの時なんでわたしがわかったの?」

「頭の中でにあの声が聞こえたんだ」

あの祠の時と同じだった、やはり僕とにあには不思議な繋がりがあるようだ。

「そうなんだ…ところでたける」

「なに?」

「子供っていいね、わたしも欲しくなった…」

そう言ってにあは顔を赤くした。

「そうだね、いつかは僕たちも…」

そこまで言って僕もなんだか照れ臭くなった。

やがてお祭りは終わり、後片付けを終えた僕たちは次の日家に戻った。

「おかえり、お祭りどうだった?」

「いろいろ大変だったよ、でも楽しかった」

「そう、よかったわね」

そう言うと母さんは嬉しそうに笑った。





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