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17.私の楽園
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そこは、楽園だった。
優しくて美しい侯爵夫人。そんな彼女を溺愛する美丈夫な夫。そして、二人から生まれた天使様。
私を救い、新しい道を示してくれた、この天人達を一生尊敬し守っていきたいと、16歳の私は心に誓ったのだ。
「……おいこら」
「違うっ!」
「不器用か。ただの不器用だって言いたいのかしら?」
どうしてカーティスはびしょ濡れで震えているの!!
荒療治のつもりだったけど、このままだとカーティスが息を引き取りそうだ。
「聞いていて腹が立つから、『でも、だって』は禁止ね。アンタこのままだと寮生活で死ぬわよ?」
「だっ、じゃなくてっ!えっと、死にはしないと」
「……今日から掃除洗濯繕い物を仕込んであげるわ。あと、簡単な料理も必要ね」
「何でお前が仕切るんだ!」
「まずは年上の人に対しての言葉遣いからね」
「痛い痛いっ!耳を引っ張るなっ!」
憧れの楽園は今では荒れ地だ。
夫人は亡くなり、夫は萎れ、天使は暴君に。
そんなの、許すはず無いでしょう!
「私はアーシェラ様に頼まれたもの。貴方達をお願いねって。
今まではお店でしか会わなかったから、ここまで酷いとは思わなかったわ。
ベンジャミン、今が分かれ道よ。いつまでも貴方への救いの手があると思ったら大間違いだわ」
愛され、恵まれた生活しかしたことがないボンボンが騎士団に?一週間も持たないわよ。それが爺婆の狙いでしょう。アーシェラ様の痕跡を消し去る為に無理難題を押し付けたのだわ。
「あとそうね。馬鹿な貴方がこれ以上大馬鹿な事をする前に教えておいてあげる。
私の店にはシェリー嬢がまだ来てくれているわ」
「なっ!」
「私に暴言暴力等の行為をしたら、ぜ~んぶ言いつけてやるから覚悟なさい!」
「……卑怯だっ!」
「賢いと言いなさいな。オーホホっ!」
大好きなシェリー嬢という切り札があってよかった。
鼻先に人参は必須アイテムよね!
「寮に入るまで1ヶ月しかないのよ。それまでに体力づくりと、家事全般。最低限でも全部一人で出来る様にするの。一番下っ端なんて本当に大変よ。今から死ぬ気で覚えないと──本当にアンタ平民落ちだから」
「!」
馬っ鹿みたい。今頃青褪めてる。未だに何とかなると夢見ていたのか。
「とりあえず今日は針に糸を通すところからやりましょう。ボタン付け位できないと」
「……」
「返事は?」
「……分かったよ」
「違うっ!返事はハッキリと明瞭に、はい、か、いいえで答えなさい。冗談ではなく殴られるわよ。分かった?」
「…、はい」
「遅い!」
「はい!」
「メイドに裁縫道具と、練習用にシャツを借りてきなさい。命令ではなく、準備をお願いするのよ。後でどんな態度だったかメイドに確認します。時間は15分。行きなさい」
「……くそ」
「返事は?」
「はい!」
前途多難だわ。生きていけるかしら、あの子。
「あの、シンディー?」
「あ、忘れてた。着替えないとね」
「……君は凄いな。鬼教官だ」
この人も高位貴族のお坊ちゃんだものね。
「うちは無駄に厳しくて、ミスをすると鞭で手のひらやふくらはぎを叩かれたわ。家を飛び出して、アーシェラ様にお店で働けるようにしてもらえたけれど、そこからは自分の努力で頑張ったつもりよ。どんな下働きでもしたし、怒鳴られたことだって何度もある。
騎士団なんてもっと厳しいわ。あのままでは本当に死んじゃうか追い出されて終わりよ。
貴方も腹を括ってもっと厳しくなさい」
「……うん」
「で。1日が終わったら、ちゃんと褒めてあげて」
「え」
「でも、駄目なところはちゃんと駄目だったと伝えるの。言葉を惜しんでは駄目よ。
あとひと月。貴方も頑張らなきゃ」
「……どうしてそこまで……」
「何?最後まで言いなさいよ」
この親子はこのお綺麗な顔で救われ過ぎてる。どうして?と聞けば、いいのよそんなこと気にしないで!と、周りが甲斐甲斐しく動いてしまっていたのだろう。モテるって危険だわ。
だからそんな二人の会話は上手くいかないのだろう。
「どうして私達にそんなにも親身になってくれるんだ。アーシェラはもういないのに」
「言ったでしょう。アーシェラ様に頼まれたの。それにここは……というか、貴方達は私の楽園だから。守れるなら守りたいのよ」
「楽園?」
「そ。貴方達美麗な親子は、私の楽園で、デザインの原動力。貴方の姿が一等素敵なの。だから簡単には手放さないわよ。
だから早く元気になって、キラッキラの麗しい笑顔を見せて私の創作の糧になりなさいな。
その為なら仕方が無いからお坊ちゃんを鍛えてあげるわ」
真剣に話していたのに、カーティスはクスクス笑い転げてしまった。まぁ、笑う元気が出たなら良かったけど。
あれから1ヶ月。中々にハードだった。
私にはお店もあるし、終わってから侯爵家にいって、使用人とカーティスからベンジャミンの1日の成果を確認。でも、暫くするとカーティスや使用人達も指導に慣れていき、ベンジャミンも何とか最低限は動ける様になったと思う。
もう顔出ししなくてもいいかな?と思ったけど、侯爵家の食事が美味しくて!朝ごはんと昼ごはんまで包んで貰えるから、ついつい毎日通ってしまった。
何だかんだと三人で話をして。あの二人もだいぶ拗れたものが減ったのでは?と、食費分はしっかり働いたと満足している。
「入寮の準備は出来てるの?」
「もちろん。あの……シンディー。本当にありがとう。感謝してる」
おおっ、成長したわね。
「どういたしまして。でも、大変なのはここからよ。何かあったら愚痴くらいいくらでも聞いてあげるから手紙をちょうだい」
「ハハッ、そうするよ。で、父上?」
「分かっている」
ん?なになに。もしかして1ヶ月のお礼をくれちゃったりするのかしら?
戻ってきたカーティスの手には美しい花束が。
……うん素敵。花の似合う男だなぁ。今度これをテーマに作ってみようか。でも、着る人を選ぶかしら?いや、カーティスに着せればいい。それを見たら注文が──
「シンディー・ウォーカー子爵令嬢、私と結婚していただけませんか」
「……………はい?」
「よし、父上。OKだって」
「では、爺様達が令嬢を連れてくる前に届け出を出そう。式のスーツとドレスは君に作ってもらいたい。だから、これはもう少し後になってしまうが」
「ちょ──っと待ったっ!」
「「どうした?」」
何そのキョトンとした顔は!可愛いか!可愛いな?
って、そうじゃなくて!
「何で私っ!?」
「変な女だと嫌だけど、シンディーなら母上も許してくれるよ」
「私は君以上に信頼できる女性はいない。
君の、嫌われることを恐れずにベンジャミンの為に頑張ってくれる姿がとても魅力的で心惹かれた。
それに、アーシェラやベンジャミンのことも大切にしてくれる。こんなに嬉しいことはない。
もちろんお店はこのまま続けてくれていいし、夫人としての仕事は年に数回ある王家主催のパーティーへの同伴くらいだ」
え、それだけでいいの?
「ただ、子供が出来たら少し仕事量の調整が必要になってしまうけど」
こども!え?この人と……その、致すの?
「どうして悩むんだよ。だってシンディーは父上のことが好きなくせに」
「えっ!?」
「聞いたよ、楽園で一等素敵なんだろ?」
盗み聞きか!楽園だけどさぁ!え、あれってもしかして告白になってたの?
「毎日その姿を見放題だよ。夫婦でしか見られない顔ってあるよな?みたいよね?凄くいい服が出来ちゃうんじゃないかな」
天使じゃない……悪魔だ。悪魔が囁いてる!
「楽園維持の為に仕方なくでいいから、私の妻になってくれないか?」
……狡いなぁ。こんな憧れの二強が両サイドから誘惑してきたら一溜まりもないじゃない。
「私は優しくないわよ。甘えてるとビシバシ扱くわよ?」
「私達親子にぴったりだ」
「もう扱いてるくせに今更?」
「……爺婆から守ってよね」
「そうだね。煩くなりそうだから、領地から出られない様にしようか」
あれ?こんな人だっけ?
「さっき花束を持ってる貴方を見てイメージが湧いたの。それを結婚式用の衣装にしていい?」
「もちろん。楽しみだ」
大切な楽園の梃入れをしていたら、何故か住人になってしまうようです。
優しくて美しい侯爵夫人。そんな彼女を溺愛する美丈夫な夫。そして、二人から生まれた天使様。
私を救い、新しい道を示してくれた、この天人達を一生尊敬し守っていきたいと、16歳の私は心に誓ったのだ。
「……おいこら」
「違うっ!」
「不器用か。ただの不器用だって言いたいのかしら?」
どうしてカーティスはびしょ濡れで震えているの!!
荒療治のつもりだったけど、このままだとカーティスが息を引き取りそうだ。
「聞いていて腹が立つから、『でも、だって』は禁止ね。アンタこのままだと寮生活で死ぬわよ?」
「だっ、じゃなくてっ!えっと、死にはしないと」
「……今日から掃除洗濯繕い物を仕込んであげるわ。あと、簡単な料理も必要ね」
「何でお前が仕切るんだ!」
「まずは年上の人に対しての言葉遣いからね」
「痛い痛いっ!耳を引っ張るなっ!」
憧れの楽園は今では荒れ地だ。
夫人は亡くなり、夫は萎れ、天使は暴君に。
そんなの、許すはず無いでしょう!
「私はアーシェラ様に頼まれたもの。貴方達をお願いねって。
今まではお店でしか会わなかったから、ここまで酷いとは思わなかったわ。
ベンジャミン、今が分かれ道よ。いつまでも貴方への救いの手があると思ったら大間違いだわ」
愛され、恵まれた生活しかしたことがないボンボンが騎士団に?一週間も持たないわよ。それが爺婆の狙いでしょう。アーシェラ様の痕跡を消し去る為に無理難題を押し付けたのだわ。
「あとそうね。馬鹿な貴方がこれ以上大馬鹿な事をする前に教えておいてあげる。
私の店にはシェリー嬢がまだ来てくれているわ」
「なっ!」
「私に暴言暴力等の行為をしたら、ぜ~んぶ言いつけてやるから覚悟なさい!」
「……卑怯だっ!」
「賢いと言いなさいな。オーホホっ!」
大好きなシェリー嬢という切り札があってよかった。
鼻先に人参は必須アイテムよね!
「寮に入るまで1ヶ月しかないのよ。それまでに体力づくりと、家事全般。最低限でも全部一人で出来る様にするの。一番下っ端なんて本当に大変よ。今から死ぬ気で覚えないと──本当にアンタ平民落ちだから」
「!」
馬っ鹿みたい。今頃青褪めてる。未だに何とかなると夢見ていたのか。
「とりあえず今日は針に糸を通すところからやりましょう。ボタン付け位できないと」
「……」
「返事は?」
「……分かったよ」
「違うっ!返事はハッキリと明瞭に、はい、か、いいえで答えなさい。冗談ではなく殴られるわよ。分かった?」
「…、はい」
「遅い!」
「はい!」
「メイドに裁縫道具と、練習用にシャツを借りてきなさい。命令ではなく、準備をお願いするのよ。後でどんな態度だったかメイドに確認します。時間は15分。行きなさい」
「……くそ」
「返事は?」
「はい!」
前途多難だわ。生きていけるかしら、あの子。
「あの、シンディー?」
「あ、忘れてた。着替えないとね」
「……君は凄いな。鬼教官だ」
この人も高位貴族のお坊ちゃんだものね。
「うちは無駄に厳しくて、ミスをすると鞭で手のひらやふくらはぎを叩かれたわ。家を飛び出して、アーシェラ様にお店で働けるようにしてもらえたけれど、そこからは自分の努力で頑張ったつもりよ。どんな下働きでもしたし、怒鳴られたことだって何度もある。
騎士団なんてもっと厳しいわ。あのままでは本当に死んじゃうか追い出されて終わりよ。
貴方も腹を括ってもっと厳しくなさい」
「……うん」
「で。1日が終わったら、ちゃんと褒めてあげて」
「え」
「でも、駄目なところはちゃんと駄目だったと伝えるの。言葉を惜しんでは駄目よ。
あとひと月。貴方も頑張らなきゃ」
「……どうしてそこまで……」
「何?最後まで言いなさいよ」
この親子はこのお綺麗な顔で救われ過ぎてる。どうして?と聞けば、いいのよそんなこと気にしないで!と、周りが甲斐甲斐しく動いてしまっていたのだろう。モテるって危険だわ。
だからそんな二人の会話は上手くいかないのだろう。
「どうして私達にそんなにも親身になってくれるんだ。アーシェラはもういないのに」
「言ったでしょう。アーシェラ様に頼まれたの。それにここは……というか、貴方達は私の楽園だから。守れるなら守りたいのよ」
「楽園?」
「そ。貴方達美麗な親子は、私の楽園で、デザインの原動力。貴方の姿が一等素敵なの。だから簡単には手放さないわよ。
だから早く元気になって、キラッキラの麗しい笑顔を見せて私の創作の糧になりなさいな。
その為なら仕方が無いからお坊ちゃんを鍛えてあげるわ」
真剣に話していたのに、カーティスはクスクス笑い転げてしまった。まぁ、笑う元気が出たなら良かったけど。
あれから1ヶ月。中々にハードだった。
私にはお店もあるし、終わってから侯爵家にいって、使用人とカーティスからベンジャミンの1日の成果を確認。でも、暫くするとカーティスや使用人達も指導に慣れていき、ベンジャミンも何とか最低限は動ける様になったと思う。
もう顔出ししなくてもいいかな?と思ったけど、侯爵家の食事が美味しくて!朝ごはんと昼ごはんまで包んで貰えるから、ついつい毎日通ってしまった。
何だかんだと三人で話をして。あの二人もだいぶ拗れたものが減ったのでは?と、食費分はしっかり働いたと満足している。
「入寮の準備は出来てるの?」
「もちろん。あの……シンディー。本当にありがとう。感謝してる」
おおっ、成長したわね。
「どういたしまして。でも、大変なのはここからよ。何かあったら愚痴くらいいくらでも聞いてあげるから手紙をちょうだい」
「ハハッ、そうするよ。で、父上?」
「分かっている」
ん?なになに。もしかして1ヶ月のお礼をくれちゃったりするのかしら?
戻ってきたカーティスの手には美しい花束が。
……うん素敵。花の似合う男だなぁ。今度これをテーマに作ってみようか。でも、着る人を選ぶかしら?いや、カーティスに着せればいい。それを見たら注文が──
「シンディー・ウォーカー子爵令嬢、私と結婚していただけませんか」
「……………はい?」
「よし、父上。OKだって」
「では、爺様達が令嬢を連れてくる前に届け出を出そう。式のスーツとドレスは君に作ってもらいたい。だから、これはもう少し後になってしまうが」
「ちょ──っと待ったっ!」
「「どうした?」」
何そのキョトンとした顔は!可愛いか!可愛いな?
って、そうじゃなくて!
「何で私っ!?」
「変な女だと嫌だけど、シンディーなら母上も許してくれるよ」
「私は君以上に信頼できる女性はいない。
君の、嫌われることを恐れずにベンジャミンの為に頑張ってくれる姿がとても魅力的で心惹かれた。
それに、アーシェラやベンジャミンのことも大切にしてくれる。こんなに嬉しいことはない。
もちろんお店はこのまま続けてくれていいし、夫人としての仕事は年に数回ある王家主催のパーティーへの同伴くらいだ」
え、それだけでいいの?
「ただ、子供が出来たら少し仕事量の調整が必要になってしまうけど」
こども!え?この人と……その、致すの?
「どうして悩むんだよ。だってシンディーは父上のことが好きなくせに」
「えっ!?」
「聞いたよ、楽園で一等素敵なんだろ?」
盗み聞きか!楽園だけどさぁ!え、あれってもしかして告白になってたの?
「毎日その姿を見放題だよ。夫婦でしか見られない顔ってあるよな?みたいよね?凄くいい服が出来ちゃうんじゃないかな」
天使じゃない……悪魔だ。悪魔が囁いてる!
「楽園維持の為に仕方なくでいいから、私の妻になってくれないか?」
……狡いなぁ。こんな憧れの二強が両サイドから誘惑してきたら一溜まりもないじゃない。
「私は優しくないわよ。甘えてるとビシバシ扱くわよ?」
「私達親子にぴったりだ」
「もう扱いてるくせに今更?」
「……爺婆から守ってよね」
「そうだね。煩くなりそうだから、領地から出られない様にしようか」
あれ?こんな人だっけ?
「さっき花束を持ってる貴方を見てイメージが湧いたの。それを結婚式用の衣装にしていい?」
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