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19.選ばれた理由
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公爵夫人が病に?
それは……私などが聞いてはいけない事柄なのでは?
「ブライアン、駄目よ」
「いや、ごめん。ただ、私達は男ばかりだから。母の喜ぶことが余り分からなくてね。出来れば女性の話し相手がいればと思ってしまったんだ」
そうやって信頼してもらえるのは嬉しいわ。でも、これは駄目でしょう?
「困るわ。私などに明かされては」
本来、病などは他に漏れないように隠されるべき事だ。モノによっては家の弱みになってしまうもの。
「敏いね。これが婚約解消の理由で、新しい婚約者を作らない原因だよ」
……やっぱり。
「迂闊よ。なぜ私などに明かすの」
「君がクアーク嬢を許す程のお人好しだから?」
それって私のせいなのかしら。
「……本当は君にも関係があることだから聞いてほしい」
そう言われたら、これ以上文句も言えないわ。
「私が聞いてもいいのね?」
「……ありがとう」
こんなブライアンは初めて見る。
いつでも自信に満ちた、弱さなんて見せない人なのに。
「話し相手ということは、普通に会話は出来るのね?」
「ああ、今のところは。……母の病名は『死の微睡み』だ」
「!」
死の微睡みとは原因不明の奇病で、発症者は年数に差はあれど、確実に死を迎える不治の病だ。
何故、微睡みと言うのか。それは、浅い眠りから目覚め、意識ははっきりしているのに体を動かすことが出来ない睡眠麻痺の様な症状が起こるからだ。
最初は1日に数秒。それが次第に時間が延びていき、やがて目覚めなくなる。そしてそのまま眠る様に息を引き取るのだ。
未だに治療法は見つかっておらず、痛みが無いことが唯一の救いだ。微睡みの間、意識はあるので、再び目覚めることが出来るかどうかの不安に精神的に追い詰められてしまう人も多いと聞く。
「当時の婚約者が最初に聞いたのは、母の心配や私達への気遣いでは無く、『自分がいずれ生む子に伝染るのかどうか』それだけだった」
………何てことなの。確かに、いつか生まれる子に引き継がれるかどうか。そのことに不安を覚えるのは仕方が無いことだろう。でも、それが一番なの?ブライアン達を気遣ってあげられなかったの?
「いくら政略とはいえ、その反応は受け入れ難くて。でも、それを伝えても、後継者の心配は当然でしょうと開き直られた。
さすがにそれはね。だから、決して他言しないという誓約書を作り、婚約解消したんだ。
それ以降は、婚約する気にはなれなくて。父も許してくれている。……たぶん、そんなにも長くないから」
なんてことなの。どれだけ辛かったのか。
「だから、私達は今、自由にする事を許されている。私は母に自分の成果を見せたくてこうやって事業計画を進めているし、カルヴァンは飛び級して少しでも早く卒業した姿を見せたくて頑張っている。
最初はね、母の側にいようとしたんだ。でも、叱られてしまったよ。そんなことよりも、もっと人の役に立つ立派な姿を見せなさいとね。
だから色々と強引に進めてしまっているし、君を無理矢理巻き込んでしまって本当に申し訳ないと思っているんだ。──ごめんな」
なぜ、私の企画などを採用してくれたのかがずっと不思議だった。
だってあれは生徒会室で、仲間達と集まり、笑いながら未来を語っていた時のものだ。
楽しかったあの頃。そんな学園で築き上げた集大成として完成させたかったのではないのか。
──愛する母に見せるために。
「教えてくれてありがとう。本当に私が話し相手でいいの?」
悔しいけど格好良いな。そんな辛さはおくびにも出さず、いつも明るい笑顔で皆を引っ張ってくれていたなんて。
そして、巻き込んだ私を蚊帳の外には置かず、こうして事実を隠す事なく教えてくれるのならば。私も貴方に誠意を持って答えなければ格好悪いわよね?
「もちろん。……あの、本当に伝染するような病じゃないんだ。医師にも確認してくれていい」
こんなにも弱々しい彼の声を聞いたのは初めてだ。
「私はこれでも飛び級出来るくらいには成績がよかったのよ?伝染病かどうかくらいちゃんと知っているわ。貴方の元婚約者はかなり勉強不足だったみたいだけどね」
「……うん。そうだった。君は私が認めるくらい優秀な人だ」
そうやって笑いながら。少しだけ涙を浮かべた彼を、私は気付かない振りをした。
それを慰めるのは私の役目では無いから。
♢♢♢
夫人が住まう別邸へお邪魔することをお父様がお許し下さるか心配していたけれど、まさかのキングスコート公爵から招待の手紙が届き、滞在が許されてしまった。
これが権力というものなのか。
「……綺麗……」
「気に入った?母のお気に入りの場所なんだ」
「ええ、とても素敵な庭園ね」
「また後でゆっくり案内するよ」
庭園も建物も、とても落ち着いた雰囲気でなんだかホッとする。公爵家の別邸だなんてどんなに豪華な所かと心配したけれど、杞憂だったようだ。
「ようこそいらっしゃいました」
40代くらいだろうか。優しそうな女性が出迎えてくれる。
「シェリー、彼女はヴェラ。母付きの侍女だ」
「はじめまして。シェリー・ハミルトンと申します。本日からお世話になります」
「まあ、綺麗なお嬢様ですね。奥様がお喜びになるわ」
本当に嬉しそうに言ってくださるから少しくすぐったい気分だ。
「母上は?」
「残念ながら、まだお目覚めになっておりません。来たばかりですもの。まずはお茶でも如何ですか?」
「……そうしよう。じゃあ、外に準備してくれ。シェリーが庭を気に入ってくれたんだ」
本当は目覚めが遅くなってる事が心配なくせに。私に気を遣わなくてもいいのにな。
「あ、そうだ。伝え忘れていた」
「え?」
「カルヴァンがね。最近は君の元婚約者の勉強のサポートを始めたみたいだよ」
「そうなの?」
「やっぱり最初はボロボロだったみたいで。あれでは勉強もままならないかもしれないって、飛び級試験用の勉強を昼休憩とかに見てあげてるんだってさ」
カルヴァンは本当になんて良い子なのかしら。
「そう。心配だったけれど、いい友人に恵まれているわね」
「良い子だろう?うちの弟は」
「フフッ、そうね。それは認める」
でもベンジャミンはやっぱりボロボロなのか。でも、こうやって話してくれるということは、今もちゃんと頑張ってるってことよね?
「教えてくれてありがとう」
「どうせ心配していると思ってね」
「そうね。彼だけが悪かったわけでは無いし」
「シェリーは甘やかしてそうだものな。強く出られると案外弱いし、何よりも可愛いものが大好きだし?」
くっ!合っているだけに否定できないわ。
「悪かったわね。だから反省しているし、あれからは人の顔色ばかり伺っていないで、自分の考えで行動するようにしているわ。
今ここにいるのだって、自分で決めて納得して動いているもの」
あの頃みたいに、我慢して相手に合わせてばかりだった自分を変えたいと思っているのは本当。
ブライアンに口では勝てないけれど、本当にやりたい事、やりたくない事はちゃんと伝えている。
まあ、ブライアンはベンジャミンと違って急に不機嫌になったりしないから言いやすいというのはあるけれど。
「貴方の朗らかなところはありがたいわね」
「君のお人好しなところもありがたいよ」
お人好し……それは褒め言葉なのか?
まあ、悪い意味では言ってなさそうだし、いきなりすべては変えられない。ブライアンの迷惑になっていないなら良しとしよう。
それは……私などが聞いてはいけない事柄なのでは?
「ブライアン、駄目よ」
「いや、ごめん。ただ、私達は男ばかりだから。母の喜ぶことが余り分からなくてね。出来れば女性の話し相手がいればと思ってしまったんだ」
そうやって信頼してもらえるのは嬉しいわ。でも、これは駄目でしょう?
「困るわ。私などに明かされては」
本来、病などは他に漏れないように隠されるべき事だ。モノによっては家の弱みになってしまうもの。
「敏いね。これが婚約解消の理由で、新しい婚約者を作らない原因だよ」
……やっぱり。
「迂闊よ。なぜ私などに明かすの」
「君がクアーク嬢を許す程のお人好しだから?」
それって私のせいなのかしら。
「……本当は君にも関係があることだから聞いてほしい」
そう言われたら、これ以上文句も言えないわ。
「私が聞いてもいいのね?」
「……ありがとう」
こんなブライアンは初めて見る。
いつでも自信に満ちた、弱さなんて見せない人なのに。
「話し相手ということは、普通に会話は出来るのね?」
「ああ、今のところは。……母の病名は『死の微睡み』だ」
「!」
死の微睡みとは原因不明の奇病で、発症者は年数に差はあれど、確実に死を迎える不治の病だ。
何故、微睡みと言うのか。それは、浅い眠りから目覚め、意識ははっきりしているのに体を動かすことが出来ない睡眠麻痺の様な症状が起こるからだ。
最初は1日に数秒。それが次第に時間が延びていき、やがて目覚めなくなる。そしてそのまま眠る様に息を引き取るのだ。
未だに治療法は見つかっておらず、痛みが無いことが唯一の救いだ。微睡みの間、意識はあるので、再び目覚めることが出来るかどうかの不安に精神的に追い詰められてしまう人も多いと聞く。
「当時の婚約者が最初に聞いたのは、母の心配や私達への気遣いでは無く、『自分がいずれ生む子に伝染るのかどうか』それだけだった」
………何てことなの。確かに、いつか生まれる子に引き継がれるかどうか。そのことに不安を覚えるのは仕方が無いことだろう。でも、それが一番なの?ブライアン達を気遣ってあげられなかったの?
「いくら政略とはいえ、その反応は受け入れ難くて。でも、それを伝えても、後継者の心配は当然でしょうと開き直られた。
さすがにそれはね。だから、決して他言しないという誓約書を作り、婚約解消したんだ。
それ以降は、婚約する気にはなれなくて。父も許してくれている。……たぶん、そんなにも長くないから」
なんてことなの。どれだけ辛かったのか。
「だから、私達は今、自由にする事を許されている。私は母に自分の成果を見せたくてこうやって事業計画を進めているし、カルヴァンは飛び級して少しでも早く卒業した姿を見せたくて頑張っている。
最初はね、母の側にいようとしたんだ。でも、叱られてしまったよ。そんなことよりも、もっと人の役に立つ立派な姿を見せなさいとね。
だから色々と強引に進めてしまっているし、君を無理矢理巻き込んでしまって本当に申し訳ないと思っているんだ。──ごめんな」
なぜ、私の企画などを採用してくれたのかがずっと不思議だった。
だってあれは生徒会室で、仲間達と集まり、笑いながら未来を語っていた時のものだ。
楽しかったあの頃。そんな学園で築き上げた集大成として完成させたかったのではないのか。
──愛する母に見せるために。
「教えてくれてありがとう。本当に私が話し相手でいいの?」
悔しいけど格好良いな。そんな辛さはおくびにも出さず、いつも明るい笑顔で皆を引っ張ってくれていたなんて。
そして、巻き込んだ私を蚊帳の外には置かず、こうして事実を隠す事なく教えてくれるのならば。私も貴方に誠意を持って答えなければ格好悪いわよね?
「もちろん。……あの、本当に伝染するような病じゃないんだ。医師にも確認してくれていい」
こんなにも弱々しい彼の声を聞いたのは初めてだ。
「私はこれでも飛び級出来るくらいには成績がよかったのよ?伝染病かどうかくらいちゃんと知っているわ。貴方の元婚約者はかなり勉強不足だったみたいだけどね」
「……うん。そうだった。君は私が認めるくらい優秀な人だ」
そうやって笑いながら。少しだけ涙を浮かべた彼を、私は気付かない振りをした。
それを慰めるのは私の役目では無いから。
♢♢♢
夫人が住まう別邸へお邪魔することをお父様がお許し下さるか心配していたけれど、まさかのキングスコート公爵から招待の手紙が届き、滞在が許されてしまった。
これが権力というものなのか。
「……綺麗……」
「気に入った?母のお気に入りの場所なんだ」
「ええ、とても素敵な庭園ね」
「また後でゆっくり案内するよ」
庭園も建物も、とても落ち着いた雰囲気でなんだかホッとする。公爵家の別邸だなんてどんなに豪華な所かと心配したけれど、杞憂だったようだ。
「ようこそいらっしゃいました」
40代くらいだろうか。優しそうな女性が出迎えてくれる。
「シェリー、彼女はヴェラ。母付きの侍女だ」
「はじめまして。シェリー・ハミルトンと申します。本日からお世話になります」
「まあ、綺麗なお嬢様ですね。奥様がお喜びになるわ」
本当に嬉しそうに言ってくださるから少しくすぐったい気分だ。
「母上は?」
「残念ながら、まだお目覚めになっておりません。来たばかりですもの。まずはお茶でも如何ですか?」
「……そうしよう。じゃあ、外に準備してくれ。シェリーが庭を気に入ってくれたんだ」
本当は目覚めが遅くなってる事が心配なくせに。私に気を遣わなくてもいいのにな。
「あ、そうだ。伝え忘れていた」
「え?」
「カルヴァンがね。最近は君の元婚約者の勉強のサポートを始めたみたいだよ」
「そうなの?」
「やっぱり最初はボロボロだったみたいで。あれでは勉強もままならないかもしれないって、飛び級試験用の勉強を昼休憩とかに見てあげてるんだってさ」
カルヴァンは本当になんて良い子なのかしら。
「そう。心配だったけれど、いい友人に恵まれているわね」
「良い子だろう?うちの弟は」
「フフッ、そうね。それは認める」
でもベンジャミンはやっぱりボロボロなのか。でも、こうやって話してくれるということは、今もちゃんと頑張ってるってことよね?
「教えてくれてありがとう」
「どうせ心配していると思ってね」
「そうね。彼だけが悪かったわけでは無いし」
「シェリーは甘やかしてそうだものな。強く出られると案外弱いし、何よりも可愛いものが大好きだし?」
くっ!合っているだけに否定できないわ。
「悪かったわね。だから反省しているし、あれからは人の顔色ばかり伺っていないで、自分の考えで行動するようにしているわ。
今ここにいるのだって、自分で決めて納得して動いているもの」
あの頃みたいに、我慢して相手に合わせてばかりだった自分を変えたいと思っているのは本当。
ブライアンに口では勝てないけれど、本当にやりたい事、やりたくない事はちゃんと伝えている。
まあ、ブライアンはベンジャミンと違って急に不機嫌になったりしないから言いやすいというのはあるけれど。
「貴方の朗らかなところはありがたいわね」
「君のお人好しなところもありがたいよ」
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