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祝日のない日曜日
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おっすー
素直に6月って言えよ。
「えー、ここは√の中が同じなので足し算を」
なんで6月には祝日がないのか。これは五月病を吹っ飛ばすためだとか、そんなのしったこっちゃない。
「いや………たまたま祝日がないだけじゃね……」
黙れ富樫。
======
ピンポンパンポーン。
~えー、生徒会より呼び出しをします。1-A、臼原 惠さん、臼原 惠さん、至急生徒会室に来てください。繰り返します~
「」 「」
昼休み。
俺?
「あんた………なんかやらかしたの………?」
「まて蓮夏、もしやらかしたら生徒指導部だろう?」
「まさかぁ………………!?こないだの打ち上げで生徒会長に手を!?」
「アホか!!」
女子一同 (最低ー……………)
はぁ……
コンコン。
「失礼します。1-Aの臼原です」
「あら。入って入って」
妙高学園残骸………もとい3階1番奥、生徒会室。生徒会メンバーしか入れない(?)領域に呼ばれた。「召喚!」
いやちげぇよ!?
「ようこそ。生徒会へ!一日草くん!」
「一日草じゃないですけど!?臼原ですけど!?」
しかも一日草じゃなくて百日草じゃね!?
「これからうっすんて呼ぶから!」
「“うす”じゃなくて“うの”はらですから!」
「ちょっとちょっと会長。こーはいくん、困ってるって………」
「うちの会長がごめんね!」
「あ、いえ、大丈夫です………えっと……」
「紹介するね。私はふゆつぎ かみん。副会長やってるの。よろしくね。それで、こっちの問題児が………」
「誰が問題児よ!!」
「はじめまして!生徒会長の繭泉優香よ」
はじめましてじゃない………
「話は蓮夏から聞いてるわ。学校中の美少女に限って声をかけてるナンパ野郎だって」
「蓮夏まじ覚えとけよ」
自覚はある……
「そういえば蓮夏と知り合いなんですか?」
「蓮夏はね…………」
……………
………
…
「私の妹よ!!!」
「あ、ふゆつぎ先輩。俺、帰りますね」
「あ、うん。お疲れ様」
「あっ!ちょっと!まってまって冗談だってぇ!!」
「蓮夏もあたしも、体育委員なのよ。だから顔は知ってるの」
「なるほど。そういえば蓮夏、体育委員に立候補してたな………」
「蓮夏ちゃん曰く、かわいい女の子の体操服や競技服が見られるから、だって………」
撮った写真集めてそうとか言えない。盗撮じゃん、それ。
「それで、結局、俺はどうして生徒会に呼ばれたんですか」
「忘れてた!!」
いや忘れるなよ。
繭泉先輩はおもむろに立ち上がり、生徒会長席の後ろの棚から紙を取り出した。
「はい。これ」
なにか渡された。
「ん……………?生徒会、加入………?」
……………
……
…
「俺が生徒会に入る!?」
「そう!来年の3月まで!」
繭泉先輩に一通り聞いたのだが、この学校では会長、副会長、書記、会計(2名)が投票にて決定されるが、1名だけ会長の推薦でメンバーを追加することができる。任期は1年。つまり。
「つまりはそういうことよ。子猫ちゃん」
「まさかの子猫呼ばわり!?」
せめてイをくれ………ても嬉しくない。
「返事はいつ………」
「いつでも大丈夫よ?決心したら生徒会室に来てくれればいいわ。あと………」
069-7………
「私の電話番号。誰にも教えちゃダメよ?これに電話してくれてもいいから」
「は、はぁ………わかりました。考えます」
もう突飛すぎて処理が追いついてない………
放課後。花壇。
「…………てことがあってね。俺の昼休みとお弁当タイムはなくなった………ってわけ」
「そうだったんですね………わ、私が花壇に来たとき、凄い勢いで弁当食べてるから驚きました………!」
「ごめんね、びっくりさせて」
「だ、……………大丈夫ですよ!…………ぁぅ」
もぐもぐ。今日はチンジャオロースーのミニカップ入れたけど、案外いけるな。
「そ、それにしても……………せ、生徒会ですか……めぐさんは、生徒会のおさそい………どうされるんですか…………?」
「うーん。悩み中かな。部活とか委員会に所属してないから、時間は有り余ってるけど……」
「そ、そうなのですか………いつも、学校が終わるとダッシュで駅前に急いでましたから………アルバイトでもしてるのかと……」
「あぁ、あれはね。カードゲームの非公認大会とかに急いでたんだと思うよ?………………ん?朝比奈ちゃん、なんで知ってるの?」
ボン。
「あっ、いやっ、そ、その、へっ………」
へっ………?
「大丈夫?顔赤いけど………?あっ、もしかして俺に惚れた?」
「いやっ、そ、そそそそそそそんなことありませんよっ!!」
あっはいそうですよね。調子乗りました。すみません。こういうところ、直さないとですね。
真っ赤になってる朝比奈ちゃんと落ち込む俺をたまたま通りかかった同じクラスの未智さんは、
「なにあのリア充」
と友人に写真付きで回していたのは来週の半ばに気付くのだった。
ちなみに朝比奈ちゃんはその時もわたわたしていたのは言うまでもない。
…という後日談は置いといて、朝比奈ちゃんが落ち着いてきた。
「そういえば朝比奈ちゃん、花壇に毎日いない………?」
「あ、…………それはですね。最近は向日葵を夏休みに咲かせるために頑張ってまして………」
向日葵か。夏の代表的な花だな。
朝比奈ちゃんが落ち着いてきたので、話題を変えようとする。というかこの広大な園芸部の花壇をおしゃべりしながらも忙しなく移動しているのは凄い。どこに何が植わってるのかわからないし。
「この時期、梅雨だから、雨の日は大変じゃない?」
「これも中学生から重ねてきた経験で……雨の日はできるだけ最小限の作業で終わるように調整はしてましてっ…………!」
テキパキしてる朝比奈ちゃんもかわいい。けど落ち着いた雰囲気の時もいいけど、ほんわかしたオーラというか、棘がないというだけでなく、やることはやる。そういう人物なのだ。若干顔は赤く、左手と右手の軍手、裏表逆着けてる………………
「ふぅ………」
って!ダメじゃん!!
「朝比奈ちゃん!軍手!逆だって!!」
つまり、軍手の手の甲側に園芸用の土?があり、その軍手をつけたまま顔の汗を拭うということは………
「あっ…………あっあっ!?」
…………………朝比奈ちゃんオーバーヒートしたわこれ。
………
「ほい、タオル」
顔を洗ってきた朝比奈ちゃんにタオルを渡す、
「あ、ありがとうございます…………うぅ」
…………大丈夫だろうか。いろいろと……ここは元気付けとかないと、元気な朝比奈ちゃんじゃなくなる…………
「慌てる朝比奈ちゃん、可愛かったよ」
「えっ!?ええええっ!?」
………ん?朝比奈ちゃんの顔が真っ赤になった。あれ?まだ落ち着いてなかったか…………?
あ!?
「あ、いや、その。何というか、守ってあげたい可愛さというか、その。うん、あれだ!犬みたいな!チワワみたいな!!」
「あぅ………………はうぅぅ…………」
俺も何言ってんだ。
おそらく、俺が“かわいい”って言ったのがトリガーだったらしい。
…………素直な感想なんだけどなぁ。
これからはあまり、おもむろに“かわいい”って言わないようにしなければ。朝比奈ちゃん下手すると魂抜けそうで怖い。
「あっ、いえ、あっ、うえ!あっ!」
「落ち着いてくれー!」
悪いわざとじゃないんだーーー!!!!!
この後、むちゃくちゃ謝った。朝比奈ちゃんは、放心状態だった。
~√~√~√~
翌日。
「おはよ…………ばっ!?」
「ふんぬっ!」
ば、っと言葉が漏れたのは富樫が全力で背後を取ってきたからであり…………
「お、確信犯。おはよう。…………昨日何があった!!」
「はぁ!?おいまでぐるじぃいいぃ」
メキメキメキ。グランドフルムーン。富樫どこで覚えた。あと、俺の骨、大丈夫だろうか。
「ネタは上がってんだ!あの机の上の箱はなんだ!!」
「ぢ、ぢらねぇよぉぼぼぼぼ」
ギブ!ギブだって!!ここで主人公死んじゃダメでしょ!?連載終わりとかそれこそネタだよ!?
「ったく。ほれ」
「おげぇぇぇぇ」
※リバースしていません。音だけです
富樫より解放された俺。だが、果たして箱とは何なのだろうか………というか俺の机の辺り、人だかり出来てるし………
「やっほぉ~ダーリン~」
こいつか。犯人こいつか。
前の席に居座る蓮夏というのは、いささか不安でしかない。帰れ。
「これ、なにかしらねぇ~………」
「オメーが用意したびっくり箱だろ?ひっかかるわけねぇだろ?」
「いやん☆」
いやん、じゃねぇよ。
…………
さて、ここで状況を整理しよう。
俺の机の上には箱。真っ白。ちょっと横長。正方形ではない。
蓮夏、ニヤニヤ。周り(特に男子)ザワザワ。
つまるところ…………
……という状況整理を2秒でできちゃうアタシ。まじまんじー!
「こら蓮夏てめぇ回想に入ってくんなよ!!」
「ちっ」
いや“ちっ”じゃねぇって!話進まねぇだろ!?
「もっとセンシティブに責めるべきだったか………」
「帰れ」
少し黙ってくれ………
………微笑む蓮夏が怖いのだが、
俺には…………蓮夏の仕業じゃないと結論付けた。なぜなら……
「あら、よく分かったわね。合格よ。私とフランスに新婚旅行に……」
「行かねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
だから思考途中で入ってくんじゃねぇよ!さっきから無駄に精神干渉止めてくれるかね!?
「誰だか分かんねぇけど………」
よっ。こういうときは、蓮夏じゃない以上開ける方がよい。なかに何か分かる物が入っている可能性がある。俺は白い箱を開けてみた。そこには……
~昨日は失礼しました。焼いたのでよかったら食べてください~
「バームクーヘンって焼いて作るの!?」
「「「「そこ!?」」」」
小ぶりのバームクーヘンが入っていた。うまそう。やべぇ。女子が“甘い物は別腹”だって言ってるの、いまなら分かる気がする。クラス中のツッコミがあったのは、じつは本人(惠)には届いていない。
「うわぁ………ほんとにこれ手作り?」
「おいしそう………」
「バームクーヘンって、専用の焼く機械がないと難しいって聞いたことあるよ………!」
クラスの女子力高い系の面々が話をしている。
「へぇ……惠には勿体ないな」
「うわぁ………ねぇ。私にこのバームクーヘンをくれないかしら?かわりに私を………好きなように……」
「お前らにはぜってーやらん」
「「ケチー」」
富樫と蓮夏のブーイングには慣れた。
…………
「でも」
バームクーヘンは素晴らしいが……
「結局誰からなんだ?」
「どういうことだよ」
「いやさ、差出人がないんだよ。富樫がもし誰かにプレゼントするなら、普通誰が置いたか分かるようにしてないか?」
「ま、まさかラブレター代わりのプレゼントでは!?そして富樫クンの机と間違えて惠の机においてしまったとキャッファッアベッ!!」
………おっと手が滑って右腕が右斜めしたから弧を描いて。そもそもラブレターだとしても、前述のお詫びみたいな手紙は付けないだろう。手紙はかわいい文字で、なかなかこんな丸い優しい字を書ける子なんて………
「うーん…………………うん?」
あれ?この文字…………どこかで………
「なぁ國寺。この字、どっかで見なかったか?」
たしか…………國寺といたときに見た気がするので、呼んだ。
「どれ………」
呼ばれた國寺がバームクーヘンの箱に乗っていた手紙をのぞき込む。手紙がなければありがたく頂戴するのだが。
「どうだ?なにか分かるか………?」
「…………………なぁ惠、おまえ、この字、見覚えないのか?どうだ?この間………体育祭の二次会とか…………どこかで見なかったか?」
え?まっさかぁ………。…………??
「……………………ん?」
あ!
さっ………がしっ
「うぉ!?」
俺は國寺を鷲掴みしていた。そのまま教室の端っこまで連れて行く。
(なぁ國寺。ここで誰が置いたか言っていいのか?ダメだよな?)
(あぁ惠。…………気がついたか。…………ここで言うと、間違いなく一部野郎に命抜かれる可能性が…………とりあえず………回避するか?)
(いやするよ普通!?)
「「「?」」」
俺たちは誤魔化すことにした。
「悪いな………ここまで出かかってるんだが、思い出せない…………」
「そうか、ありがとう國寺。悪かったな」
こっそり150円渡したのは言うまでもない。
言ってるじゃねぇか。
「とりあえず、俺の所にあるし、ありがたく頂戴を………」
「「「………………!!()」」」
なんだろう………クラスの全員が“俺たちは?”見たいな目をしているんだが。
馬鹿め!お前らにやるバームクーヘンはねぇんだよ……………!!増してはあの彼女の焼いたであろうバームクーヘンだぞ!ふっはっはっ!!
………ほとんどクラスの奴らに美味しくいただかれました。くそぅ。なんでだ。
バームクーヘンはおいしかったのに、なんだろう。この切ない気持ちは。とりあえず、美味しかったし、お礼を言わないとな。
++++++
おらば、花壇さはにすんでなぁ!へぐたはー!
どこの方言だ。そんな方言ないだろ。
「朝比奈ちゃん。バームクーヘン、美味しかったよ」
「ひゃっ!?…………あっ、あ、あ………ありがとうございます…………!」
園芸部花壇。バームクーヘンを焼いてくれた………朝比奈ちゃんに話しかける。
「ほとんどクラスの奴らにとられたけどね…………はぁ……もっと食べたかったな……」
「そ、そんな!い、いつでも、焼きますよ!」
やばい………目の前で犬………よりはハムスターかな?がちょこちょこ動いてるようにしか見えない。可愛いの一言。これはファンクラブが出来るのも納得だ。そんなのあるのか?
「やっぱり朝比奈ちゃんで合ってたんだ。差出人がなくて、朝からひと悶着あったんだ」
「そ、そうでしたか………は、恥ずかしくて……そ、その…………書けませんでした………」
「ううん。朝比奈ちゃんだってのは、文字で分かったんだよ。結局クラスの奴らは誰かわかってないみたいだったけど」
…………約一名を除いては。
「そうでしたか…………!よ、よかったです……!」
「こんどは、チーズケーキとかがいいなぁ………なんて言ってみたり!」
「わっ、わっかりましたっ…………!チーズケーキ!焼きます!!」
「いやそんなしょっちゅうじゃなくてもいいよ…………おーい、聞いてるー?」
三日後にチーズケーキきました。はい。
しかし、このときは知るよしもなく、チーズケーキチーズケーキ歌ってる朝比奈ちゃんは俺では止められませんでした。さて、生徒会に入るか入らないか…………
素直に6月って言えよ。
「えー、ここは√の中が同じなので足し算を」
なんで6月には祝日がないのか。これは五月病を吹っ飛ばすためだとか、そんなのしったこっちゃない。
「いや………たまたま祝日がないだけじゃね……」
黙れ富樫。
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ピンポンパンポーン。
~えー、生徒会より呼び出しをします。1-A、臼原 惠さん、臼原 惠さん、至急生徒会室に来てください。繰り返します~
「」 「」
昼休み。
俺?
「あんた………なんかやらかしたの………?」
「まて蓮夏、もしやらかしたら生徒指導部だろう?」
「まさかぁ………………!?こないだの打ち上げで生徒会長に手を!?」
「アホか!!」
女子一同 (最低ー……………)
はぁ……
コンコン。
「失礼します。1-Aの臼原です」
「あら。入って入って」
妙高学園残骸………もとい3階1番奥、生徒会室。生徒会メンバーしか入れない(?)領域に呼ばれた。「召喚!」
いやちげぇよ!?
「ようこそ。生徒会へ!一日草くん!」
「一日草じゃないですけど!?臼原ですけど!?」
しかも一日草じゃなくて百日草じゃね!?
「これからうっすんて呼ぶから!」
「“うす”じゃなくて“うの”はらですから!」
「ちょっとちょっと会長。こーはいくん、困ってるって………」
「うちの会長がごめんね!」
「あ、いえ、大丈夫です………えっと……」
「紹介するね。私はふゆつぎ かみん。副会長やってるの。よろしくね。それで、こっちの問題児が………」
「誰が問題児よ!!」
「はじめまして!生徒会長の繭泉優香よ」
はじめましてじゃない………
「話は蓮夏から聞いてるわ。学校中の美少女に限って声をかけてるナンパ野郎だって」
「蓮夏まじ覚えとけよ」
自覚はある……
「そういえば蓮夏と知り合いなんですか?」
「蓮夏はね…………」
……………
………
…
「私の妹よ!!!」
「あ、ふゆつぎ先輩。俺、帰りますね」
「あ、うん。お疲れ様」
「あっ!ちょっと!まってまって冗談だってぇ!!」
「蓮夏もあたしも、体育委員なのよ。だから顔は知ってるの」
「なるほど。そういえば蓮夏、体育委員に立候補してたな………」
「蓮夏ちゃん曰く、かわいい女の子の体操服や競技服が見られるから、だって………」
撮った写真集めてそうとか言えない。盗撮じゃん、それ。
「それで、結局、俺はどうして生徒会に呼ばれたんですか」
「忘れてた!!」
いや忘れるなよ。
繭泉先輩はおもむろに立ち上がり、生徒会長席の後ろの棚から紙を取り出した。
「はい。これ」
なにか渡された。
「ん……………?生徒会、加入………?」
……………
……
…
「俺が生徒会に入る!?」
「そう!来年の3月まで!」
繭泉先輩に一通り聞いたのだが、この学校では会長、副会長、書記、会計(2名)が投票にて決定されるが、1名だけ会長の推薦でメンバーを追加することができる。任期は1年。つまり。
「つまりはそういうことよ。子猫ちゃん」
「まさかの子猫呼ばわり!?」
せめてイをくれ………ても嬉しくない。
「返事はいつ………」
「いつでも大丈夫よ?決心したら生徒会室に来てくれればいいわ。あと………」
069-7………
「私の電話番号。誰にも教えちゃダメよ?これに電話してくれてもいいから」
「は、はぁ………わかりました。考えます」
もう突飛すぎて処理が追いついてない………
放課後。花壇。
「…………てことがあってね。俺の昼休みとお弁当タイムはなくなった………ってわけ」
「そうだったんですね………わ、私が花壇に来たとき、凄い勢いで弁当食べてるから驚きました………!」
「ごめんね、びっくりさせて」
「だ、……………大丈夫ですよ!…………ぁぅ」
もぐもぐ。今日はチンジャオロースーのミニカップ入れたけど、案外いけるな。
「そ、それにしても……………せ、生徒会ですか……めぐさんは、生徒会のおさそい………どうされるんですか…………?」
「うーん。悩み中かな。部活とか委員会に所属してないから、時間は有り余ってるけど……」
「そ、そうなのですか………いつも、学校が終わるとダッシュで駅前に急いでましたから………アルバイトでもしてるのかと……」
「あぁ、あれはね。カードゲームの非公認大会とかに急いでたんだと思うよ?………………ん?朝比奈ちゃん、なんで知ってるの?」
ボン。
「あっ、いやっ、そ、その、へっ………」
へっ………?
「大丈夫?顔赤いけど………?あっ、もしかして俺に惚れた?」
「いやっ、そ、そそそそそそそんなことありませんよっ!!」
あっはいそうですよね。調子乗りました。すみません。こういうところ、直さないとですね。
真っ赤になってる朝比奈ちゃんと落ち込む俺をたまたま通りかかった同じクラスの未智さんは、
「なにあのリア充」
と友人に写真付きで回していたのは来週の半ばに気付くのだった。
ちなみに朝比奈ちゃんはその時もわたわたしていたのは言うまでもない。
…という後日談は置いといて、朝比奈ちゃんが落ち着いてきた。
「そういえば朝比奈ちゃん、花壇に毎日いない………?」
「あ、…………それはですね。最近は向日葵を夏休みに咲かせるために頑張ってまして………」
向日葵か。夏の代表的な花だな。
朝比奈ちゃんが落ち着いてきたので、話題を変えようとする。というかこの広大な園芸部の花壇をおしゃべりしながらも忙しなく移動しているのは凄い。どこに何が植わってるのかわからないし。
「この時期、梅雨だから、雨の日は大変じゃない?」
「これも中学生から重ねてきた経験で……雨の日はできるだけ最小限の作業で終わるように調整はしてましてっ…………!」
テキパキしてる朝比奈ちゃんもかわいい。けど落ち着いた雰囲気の時もいいけど、ほんわかしたオーラというか、棘がないというだけでなく、やることはやる。そういう人物なのだ。若干顔は赤く、左手と右手の軍手、裏表逆着けてる………………
「ふぅ………」
って!ダメじゃん!!
「朝比奈ちゃん!軍手!逆だって!!」
つまり、軍手の手の甲側に園芸用の土?があり、その軍手をつけたまま顔の汗を拭うということは………
「あっ…………あっあっ!?」
…………………朝比奈ちゃんオーバーヒートしたわこれ。
………
「ほい、タオル」
顔を洗ってきた朝比奈ちゃんにタオルを渡す、
「あ、ありがとうございます…………うぅ」
…………大丈夫だろうか。いろいろと……ここは元気付けとかないと、元気な朝比奈ちゃんじゃなくなる…………
「慌てる朝比奈ちゃん、可愛かったよ」
「えっ!?ええええっ!?」
………ん?朝比奈ちゃんの顔が真っ赤になった。あれ?まだ落ち着いてなかったか…………?
あ!?
「あ、いや、その。何というか、守ってあげたい可愛さというか、その。うん、あれだ!犬みたいな!チワワみたいな!!」
「あぅ………………はうぅぅ…………」
俺も何言ってんだ。
おそらく、俺が“かわいい”って言ったのがトリガーだったらしい。
…………素直な感想なんだけどなぁ。
これからはあまり、おもむろに“かわいい”って言わないようにしなければ。朝比奈ちゃん下手すると魂抜けそうで怖い。
「あっ、いえ、あっ、うえ!あっ!」
「落ち着いてくれー!」
悪いわざとじゃないんだーーー!!!!!
この後、むちゃくちゃ謝った。朝比奈ちゃんは、放心状態だった。
~√~√~√~
翌日。
「おはよ…………ばっ!?」
「ふんぬっ!」
ば、っと言葉が漏れたのは富樫が全力で背後を取ってきたからであり…………
「お、確信犯。おはよう。…………昨日何があった!!」
「はぁ!?おいまでぐるじぃいいぃ」
メキメキメキ。グランドフルムーン。富樫どこで覚えた。あと、俺の骨、大丈夫だろうか。
「ネタは上がってんだ!あの机の上の箱はなんだ!!」
「ぢ、ぢらねぇよぉぼぼぼぼ」
ギブ!ギブだって!!ここで主人公死んじゃダメでしょ!?連載終わりとかそれこそネタだよ!?
「ったく。ほれ」
「おげぇぇぇぇ」
※リバースしていません。音だけです
富樫より解放された俺。だが、果たして箱とは何なのだろうか………というか俺の机の辺り、人だかり出来てるし………
「やっほぉ~ダーリン~」
こいつか。犯人こいつか。
前の席に居座る蓮夏というのは、いささか不安でしかない。帰れ。
「これ、なにかしらねぇ~………」
「オメーが用意したびっくり箱だろ?ひっかかるわけねぇだろ?」
「いやん☆」
いやん、じゃねぇよ。
…………
さて、ここで状況を整理しよう。
俺の机の上には箱。真っ白。ちょっと横長。正方形ではない。
蓮夏、ニヤニヤ。周り(特に男子)ザワザワ。
つまるところ…………
……という状況整理を2秒でできちゃうアタシ。まじまんじー!
「こら蓮夏てめぇ回想に入ってくんなよ!!」
「ちっ」
いや“ちっ”じゃねぇって!話進まねぇだろ!?
「もっとセンシティブに責めるべきだったか………」
「帰れ」
少し黙ってくれ………
………微笑む蓮夏が怖いのだが、
俺には…………蓮夏の仕業じゃないと結論付けた。なぜなら……
「あら、よく分かったわね。合格よ。私とフランスに新婚旅行に……」
「行かねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
だから思考途中で入ってくんじゃねぇよ!さっきから無駄に精神干渉止めてくれるかね!?
「誰だか分かんねぇけど………」
よっ。こういうときは、蓮夏じゃない以上開ける方がよい。なかに何か分かる物が入っている可能性がある。俺は白い箱を開けてみた。そこには……
~昨日は失礼しました。焼いたのでよかったら食べてください~
「バームクーヘンって焼いて作るの!?」
「「「「そこ!?」」」」
小ぶりのバームクーヘンが入っていた。うまそう。やべぇ。女子が“甘い物は別腹”だって言ってるの、いまなら分かる気がする。クラス中のツッコミがあったのは、じつは本人(惠)には届いていない。
「うわぁ………ほんとにこれ手作り?」
「おいしそう………」
「バームクーヘンって、専用の焼く機械がないと難しいって聞いたことあるよ………!」
クラスの女子力高い系の面々が話をしている。
「へぇ……惠には勿体ないな」
「うわぁ………ねぇ。私にこのバームクーヘンをくれないかしら?かわりに私を………好きなように……」
「お前らにはぜってーやらん」
「「ケチー」」
富樫と蓮夏のブーイングには慣れた。
…………
「でも」
バームクーヘンは素晴らしいが……
「結局誰からなんだ?」
「どういうことだよ」
「いやさ、差出人がないんだよ。富樫がもし誰かにプレゼントするなら、普通誰が置いたか分かるようにしてないか?」
「ま、まさかラブレター代わりのプレゼントでは!?そして富樫クンの机と間違えて惠の机においてしまったとキャッファッアベッ!!」
………おっと手が滑って右腕が右斜めしたから弧を描いて。そもそもラブレターだとしても、前述のお詫びみたいな手紙は付けないだろう。手紙はかわいい文字で、なかなかこんな丸い優しい字を書ける子なんて………
「うーん…………………うん?」
あれ?この文字…………どこかで………
「なぁ國寺。この字、どっかで見なかったか?」
たしか…………國寺といたときに見た気がするので、呼んだ。
「どれ………」
呼ばれた國寺がバームクーヘンの箱に乗っていた手紙をのぞき込む。手紙がなければありがたく頂戴するのだが。
「どうだ?なにか分かるか………?」
「…………………なぁ惠、おまえ、この字、見覚えないのか?どうだ?この間………体育祭の二次会とか…………どこかで見なかったか?」
え?まっさかぁ………。…………??
「……………………ん?」
あ!
さっ………がしっ
「うぉ!?」
俺は國寺を鷲掴みしていた。そのまま教室の端っこまで連れて行く。
(なぁ國寺。ここで誰が置いたか言っていいのか?ダメだよな?)
(あぁ惠。…………気がついたか。…………ここで言うと、間違いなく一部野郎に命抜かれる可能性が…………とりあえず………回避するか?)
(いやするよ普通!?)
「「「?」」」
俺たちは誤魔化すことにした。
「悪いな………ここまで出かかってるんだが、思い出せない…………」
「そうか、ありがとう國寺。悪かったな」
こっそり150円渡したのは言うまでもない。
言ってるじゃねぇか。
「とりあえず、俺の所にあるし、ありがたく頂戴を………」
「「「………………!!()」」」
なんだろう………クラスの全員が“俺たちは?”見たいな目をしているんだが。
馬鹿め!お前らにやるバームクーヘンはねぇんだよ……………!!増してはあの彼女の焼いたであろうバームクーヘンだぞ!ふっはっはっ!!
………ほとんどクラスの奴らに美味しくいただかれました。くそぅ。なんでだ。
バームクーヘンはおいしかったのに、なんだろう。この切ない気持ちは。とりあえず、美味しかったし、お礼を言わないとな。
++++++
おらば、花壇さはにすんでなぁ!へぐたはー!
どこの方言だ。そんな方言ないだろ。
「朝比奈ちゃん。バームクーヘン、美味しかったよ」
「ひゃっ!?…………あっ、あ、あ………ありがとうございます…………!」
園芸部花壇。バームクーヘンを焼いてくれた………朝比奈ちゃんに話しかける。
「ほとんどクラスの奴らにとられたけどね…………はぁ……もっと食べたかったな……」
「そ、そんな!い、いつでも、焼きますよ!」
やばい………目の前で犬………よりはハムスターかな?がちょこちょこ動いてるようにしか見えない。可愛いの一言。これはファンクラブが出来るのも納得だ。そんなのあるのか?
「やっぱり朝比奈ちゃんで合ってたんだ。差出人がなくて、朝からひと悶着あったんだ」
「そ、そうでしたか………は、恥ずかしくて……そ、その…………書けませんでした………」
「ううん。朝比奈ちゃんだってのは、文字で分かったんだよ。結局クラスの奴らは誰かわかってないみたいだったけど」
…………約一名を除いては。
「そうでしたか…………!よ、よかったです……!」
「こんどは、チーズケーキとかがいいなぁ………なんて言ってみたり!」
「わっ、わっかりましたっ…………!チーズケーキ!焼きます!!」
「いやそんなしょっちゅうじゃなくてもいいよ…………おーい、聞いてるー?」
三日後にチーズケーキきました。はい。
しかし、このときは知るよしもなく、チーズケーキチーズケーキ歌ってる朝比奈ちゃんは俺では止められませんでした。さて、生徒会に入るか入らないか…………
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