CapptivanThey

Lu-Lu-

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生命の機嫌

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「先輩。俺は生徒会に入りません」



昼休み


「メグくんよかったの?おねえさまの楽園に所属しなくても?」
 昼食中、となりに座った蓮華。反対側には富樫がいる。
「おねえさまの楽園って…………その通りか」
「そうだぞ惠。俺からしてみれば理想郷ユートピアだと思うんだが………?」
「お前の理想なんぞどうでもいい。生徒会に加入しなかったのは興味がなかったからだし」
「お前女に興味なかったのかアッピュッハヴァ!?」
フック━━━
「帰れ」
富樫はどこまでも富樫だった。
(……………今のは富樫くんが悪かったわね)
むしろ富樫以外元凶がいない。




放課後


「富樫、三郷(みさと)誘ってさっさといくぞー」
「わりぃ惠!俺今日部活で参加できるかわからねぇ…………間に合いそうなら向かうが、無理かもしれねぇわ」
「うい、りょーかい。んじゃばいなら」
「おう」
あいつ、結局料理研究会に入ったのか。
 さて、富樫は放っておいて。カードゲームの交流会があるので、帰り支度を始めると……


「……………………こんにちわ?」
「ん?」
振り返ると、
「ゆん………………」
「うわっ!?急に後ろに!?…………あれ?翅谷先輩?」
この前の体育祭で借り物として引っ張られた………じゃなくて手伝ってもらった翅谷(つばさだに)ゆか先輩が後ろにいた。相変わらずちっちゃいしふわふわ浮いてるような空気をまとっている。君を見てるとハートはドキドキしません。え?違う???
「ん?何で俺のクラス知ってるんすか?あ、もしかして━━━」
体育祭の時にデカデカとゼッケンつけてたから━━━━



「うゆ………………勘……?」




「勘!?!?」
アルミだった。違った、勘だった。



屋上



「…………………こっち」
「先輩?屋上に何かあるんすか…………?せんぱい、せんぱーい??」
 何故か、屋上にいた。ちゃんとした柵があり、出入り自由になっているが、ほとんど来たことはない。


………状況を整理しよう。ひとつ上のちっちゃな先輩と、放課後、誰もいない屋上…………


………いや、まさかな………こ、告白………!?
 ないない。ぜってーない。体育祭以外ほとんど接点なかったし…………いや………おう



…………などと妄想にふけっていると、先輩が1人の女の子の前で立ち止まった。いや、俺も知ってる女の子だ。
「あむ…………?……………きた?」
「ゆん…………連れてこれなかった」
「いやいますよ!俺いますよ!!」
「ゆん…………………………。…………そうだった」
「その間はなんですかいったい………」
すでに姉妹の流れに…………
 そう。目の前にいたのはゆか先輩の双子の翅谷かな先輩だった。


「で?なぜ俺は呼び出されたんですか?この後用事があるんですけど………」
「ゆん……はやくする」
「あむ……ねむい?」
寝ないでください。



♢~♢~



「よいしょっと………これか」
……………結構高いな。屋上の貯水タンクって。
  先輩達に頼まれたこと。それは、


「「あそこに引っ掛かってる、風船……とって…………??」」
……………
………


それだけかよ!?それだけのために俺は呼ばれたのかよっ!?風船!?風船くらい自分で買って膨らませればいいじゃねぇか!俺の夢(妄想)が膨らんじまったじゃねぇか!!
……………
………
………………………
「………はい………どうぞ……」
「うゆ………ありがとう………?」
なんか疲れた………断るわけにもいかなかったし、余計疲れた………
「あむ………お兄ちゃん………ごほうび……」
「いや、大したことはしてない……ん?あっち?」
かな先輩が(いまだにお兄ちゃん呼びなのは置いておいて)、屋上から海を指差す。この学校はかなり海から離れているのだが、崖の上に建っており、屋上からだと景色がいい。まぁ、放課後に屋上なんてほぼ来ないが。
………まぁ、この時ばかりは、
「きれいだ…………」
太陽が沈むタイミングで、海の水面、それも波が穏やかな日にしか見ることのできない、夕日だった。

「うゆ、あそこ、あるける?」
「歩けねぇよ」
大丈夫か先輩………



「あ、やば!?カードショップ行かないと!」
「ゆん……ばいばい」
「あむ……ばいばい」
「先輩達も早く帰ってくださいね」
今日はfreegat(フリゲート)の対戦か。




次の日
「おはよう」
「おはよ」
「おっす~」
「蓮夏、お前せめて、“おはようございます”くらいにしろよ。おっすーはダメだろ」
  朝、國寺と十七右に挨拶。相変わらずの面子メンバーである。
「なぁに?俺の所有物発言?もう♡メグったら!!(好感度UP)」
「なんでだよ!?」
おまわりさんこいつですとりあえずこいつです。
……………………助けてくれ。



「フリゲートどうだった?」
「よ、富樫、おはよ」
遅れてきた富樫に話しかけられる。
「6勝2分けで負けなし。カウンターデッキと当たらなかったのがよかった」
「お前の“全剣#__グローリーウェイズ__#”は絶対砲撃だしなぁ……」
「うんうん」
「でも砲撃って砲撃で相殺されない?」
「いや、…………………、…………」
…………、
「蓮夏ー」
「どうかしたの?」
「男子たち、何の話してるの?かなり話し込んでるけど………」
「あれね、えっちなゲームの話よ」
「えー、男子サイテー」
「「誤解だ!?」」 
俺と富樫が吠えた。



「そういえば國寺」
「ん?」
「お前、昨日図書館に入っていかなかった?」
「ん、あぁ。ちょっと本を借りに」
「なに借りたん?」
「“相対性展観の解遇と宗教について”だけど」
なんつー本借りてんだ。
「よく図書館にあったな……」
「ツテから取り寄せてもらったんだよ」
「へー」
こいつ何者だよ。というか、どういう本なんだ??
  もともと、國寺と十七右は読めない…が、まぁ深く追及すると後が怖いので踏み込まない。それにしてもうちの図書館、すげぇな。
「実はな……こういうのも、管理者権限使えば見借りられるんだぜ?」
「ほぉー…………えぇ!?」
まじで?
  國寺のスマホに写るは、大きなお兄さん向けゲームのビジュアルブックだった。
「これ貸し出して大丈夫なのかよ…」
「借りたことはねぇけどな。18歳にならないと貸してすらくれないし」
「ほんと何なんだこの学校」
なんでもありじゃねぇか。すばらしい?なんで誉めてるんだよ。





昼休み。
「メグムサーン!!」
早々にリリィに声をかけられた。なんでも、
……………………
………
「…………あのje#####○☆₴₭₨₯¢デース!」
「え?じぇ………?なんて??」
AAOあー………ごめんデース、あの“じゅーすましぃん”デース」
「自販機?」
なぜまた急に。しかも自販機の場所分かってるのに……?
「あの1番ウヱの右端のじゅーすが飲みたいデース!」
ヱ○ァ○ン○ヲン以外でその発音初めて聞いたわ。え?過去にも聞いてる?さぁ……
「そうか、身長が足りないのか」
「失礼デース!!」
失礼しました。
  とりあえず、リリィがお金を入れる。
「んじゃ、1番右端…………」
……………
………
……………………………。



「これって……」
「コレ、なんデスかねー?」
「飲んだことないのか?」
「ないデース」
でてきたソイツは……


「タピオカみるくてぃーデス?」
「あ、あぁ……」
  そう、リリィが興味を示したそれは、タピオカミルクティーだった。知らずともあまったるい(個人的感想)タピオカミルクティーを選ぶとは流石女子、流行りに敏感……………



「この黒い####(ピー)は食べてダイジョブなのデス?」
「こら!リリィ!!下品ですよ!?」
なんで母ちゃんみたいなことしてるんだ俺……



~~○☆○~~



「デハ、飲みまース!」
「おう、ぐびっとどうぞ!」
コクコク……
………
………
……………………………
「美味しいデース!」
「そうか、よかったな」
訳の分からないジュースに挑戦するよりはよかったということで。
「コレ、とっても####でーす!」
「だから何言ってるかわからん」
「メグさんも飲みまース?」
「あー、ごめん。甘ったるいのダメなんだ」
「そうなのデスかー。みるみる」
みるみる言いながら飲むなよ。可愛いじゃねぇか。みるみるってなんだ?
「リリィも黙ってれば可愛いんだけどなぁ…(チャイムの音でかき消される)」
「ン?何かいいまシータ?」
聞こえてなかったのでヨシ。








  よかねぇよ。俺の昼休み終わっちまったじゃねぇか。




放課後。




「途中マデ、イッショーカエマショー」
「衣装変えるってなに」
俺に女装しろと?



商店街入口

「またねデース!!!!」
   商店街でブンブン手を振るリリィと別れ、帰路に「ちょっと待ちなさい生徒会長!!」
………
……………目立つくらい手を振るリリィの気配を感じながら帰路に「いーやーだーよーーん!」
………
……………?
………………………………???
「………………………は?………どういう状況?」



##~☆☆



「ぜぇはぁ……全く、優香、足が速くて……」
「お疲れ様です春先輩」
  10分後、結局我が学校の会長を仕留められなかった(?)副会長さんの春先輩と近くの喫茶店でコーヒータイムを満喫していた。初めて入った店だけど、モダンな印象で落ち着いた店内、休憩にはもってこいだった。
「で、先輩。会長、今度はなにをやらかしたんです?」
やらかした前提で話していいよね。
 春先輩は肩を落としながら話し始めた。
「あぁ……えっとね。業者の人にジュースの補充を頼んだんだけど、書類を改変してタピオカミルクティーを自販機にいれたのよ」
リリィの興味を引いた犯人は会長アイツか……
 春先輩は話を続ける。
「それがね、一回だったらまだいいんだけど、書類では20回分の補充になってて……補充は1ヶ月に2回、つまり、ほぼ1年ね………」
「それは………キレますよね。普通……」
思った以上に大事だった。
「いやね、人気の飲み物やお茶ならまだいいのよ。すぐ売れて、そのぶん補充を増やしてもらえば、捌けるから。それに対して、今更タピオカミルクティーが売れると思う?」
「………女子の皆様に頼めば」
「…………………」
…………………
………

「…………………この沈黙が身に沁みる…」
心にもきました。これは春先輩の負担がよくわかります……。



………
「とにかく、私はもう1度学園に戻るわ」
「あっ俺出しときますよ。引き留めたの俺ですし」
「あら、気が利くのね。ありがとう」
「こういうこと、言ってもいいのかどうかですが………頑張ってください……」
「ありがとう………はぁぁぁ~」
    


俺も帰るか。先輩、がんばれ。
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