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婚姻届送信2

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「そうだ。ミクちゃんは、昨日こうしてましたね」

 香菜ちゃんは俺の両腕を掴み、自分の胸の前で合わせる。

「安全ベルト装着」

 はは! 可愛いな。

「あ! 違いました。こっちは」

 香菜ちゃんは俺の右手を胸の膨らみに当てた。

 ミクちゃんより若干小さいな。

 いや、そんな場合じゃない。

 ミクちゃんが横で睨んでいる。

「こっちは、ここに」

 香菜ちゃんは、俺の左手を股間にあてる。

「あ……あは……可愛いな、香菜ちゃん」

 俺は慌てて、手を離して香菜ちゃんの頭をなでなでした。

「お兄さん」

 香菜ちゃんは顔を上げた。

 大きなメガネの向こうから、悲しそうな目で俺を見つめている。

「どうして香菜には、してくれないのですか?」
「え! いや……その」
「香菜のこと、嫌いなのですか?」
「違う! 違う! 嫌いなわけないだろう」
「では、香菜も気持ちよくしてください」
「ああ! でもね。まだ申請が受理されていないし……」
「そうでした! まだ受理されていませんでしたね。万が一申請が受理されなかった場合、お兄さんは犯罪者になるところでした」
「そうなんだよ」
「申請が通ったら、たっぷり可愛がってくださいね」
「え? ええっと……」
「お兄ちゃん」

 左隣から、怨嗟の籠ったミクちゃんの声……

「あのね……ミクちゃん……」
「メール来ているよ」

 ミクちゃんが指差すPC画面に、メール到着を知らせる通知が表示されていた。

「やっと来ましたね」

 俺が手を出すより早く、香菜ちゃんがマウスを取ってメールを開く。
 
 だが、申請は受理されていなかった。
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