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伍
人工知能キララ397 1
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受理はされていなかった。
しかし、却下もされていない。
どういう事だ?
メールには『問い合わせたい事があります』というメッセージが……
そこにあった電話番号に、スマホで電話をかけてみた。
涼やかな女性の声がスマホから流れる。
『お電話ありがとうございます。こちらは札幌電子政府戸籍課。人工知能キララ397が、お電話を承りました』
「人工知能!? 君AIなの?」
『はい。札幌政府は人手が極度に不足しているため。私のような人工知能が業務の大半を行っております』
とりあえず、キララに事情を話した。
『卓也様と香菜様の婚姻届には何も問題はありません。ただ、香菜様に関して確認する必要のある事があります』
「なんでしょう?」
『景虎という人物について、何かご存知ですか?』
景虎? どこかで聞いたような気がするが……
「いや……特に知りません。聞いたような気がするのですが……」
『では、竜二という人物はご存じですか?』
「それは知っています」
俺は経緯をキララに話した。
『なるほど。無法者二人組によってシェルターコミュニティが襲撃されたわけですね』
「そうです」
『実は昨日、香菜さんの合成写真を添付した婚姻届が二回送られてきたのです』
「なんだって!?」
『しかし、我が札幌電子政府に、合成写真は通用しません。どんなに巧妙に偽造しても、見破るソフトがあります。したがって、申請は却下しました』
さすが、電子の歌姫を産んだ都市……
しかし、却下もされていない。
どういう事だ?
メールには『問い合わせたい事があります』というメッセージが……
そこにあった電話番号に、スマホで電話をかけてみた。
涼やかな女性の声がスマホから流れる。
『お電話ありがとうございます。こちらは札幌電子政府戸籍課。人工知能キララ397が、お電話を承りました』
「人工知能!? 君AIなの?」
『はい。札幌政府は人手が極度に不足しているため。私のような人工知能が業務の大半を行っております』
とりあえず、キララに事情を話した。
『卓也様と香菜様の婚姻届には何も問題はありません。ただ、香菜様に関して確認する必要のある事があります』
「なんでしょう?」
『景虎という人物について、何かご存知ですか?』
景虎? どこかで聞いたような気がするが……
「いや……特に知りません。聞いたような気がするのですが……」
『では、竜二という人物はご存じですか?』
「それは知っています」
俺は経緯をキララに話した。
『なるほど。無法者二人組によってシェルターコミュニティが襲撃されたわけですね』
「そうです」
『実は昨日、香菜さんの合成写真を添付した婚姻届が二回送られてきたのです』
「なんだって!?」
『しかし、我が札幌電子政府に、合成写真は通用しません。どんなに巧妙に偽造しても、見破るソフトがあります。したがって、申請は却下しました』
さすが、電子の歌姫を産んだ都市……
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