誰もいなくなった町

クラーゲン

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コンビニ

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 コンビニ店内には、誰もいなかった。

 客も店員も……

 明りも灯っていなかったが、窓から差し込む光で目的の物はすぐに見つかる。

 カップ面、スナック菓子、チョコレート、カロリーメイト等々保存のきく食べ物をリュックに詰めるだけ詰めて、俺は店を出た。

 泥棒と言うなかれ。

 そもそもこの町には俺しかいない。

 すでに一週間探し回っているが、誰とも出会わないのだ。

 町中の電気は止まり、テレビもラジオもインターネットつながらない。

 そんな町中を俺はずっと彷徨っていた。

 人の姿を求めて……

 だが、誰とも出会わない。

 もう、俺を残して人類に消えてしまったのか?

 そうは思いたくないが、そうとしか思えない状況だ。

 だから、店の中の物を勝手に持ち出しても、咎める者など誰もいない。

 いないはずだった。

「待って! うちの商品をどうする気?」

 その声は背後からだった。
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