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連れ去られたマロン

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扉がなくなった牢に屈強な男がずいずい入ってきた。

マロンは逃げようがないので隅っこで震えているしかなかった。

「見ツケタ!」

男は震えているマロンのもとに行って、腕を掴んだ。

「助けにキタ。マーガレット」

「え?」

男はマーガレットと勘違いしているようであった。

そしてマロンをひょいと軽々と担いで階段を登っていった。

ーー

マロンは男に担がれながら外に出てきた。
1ヶ月ぶりの外だ。

校庭には生徒が遊牧民達に取り囲まれていた。
みんな顔面蒼白で手を上げていた。

マロンを担いでいる男が遊牧民達に取り囲まれているロイドのところに行った。

「コノ女がマーガレットでアッテルカ?」

「ああ、この女がマーガレットだ」

(コイツっ…!)

ロイドはマロンをマーガレットの代わりとして遊牧民に差し出したようだった。

「オーケー。今日のトコロはマーガレット連レテ村に帰ル」

男は遊牧民の長のようで生徒を取り囲んでいる遊牧民に向かって何か叫んでいる。

すると遊牧民はたちまち男の元に集まってきた。

「*・゜゚・*:.*:.。. .。.:*・゜゚・*~~~!」

遊牧民の言語で話しているのだろうか。
遊牧民達はみんな男の声に頷いている。

そして遊牧民達は学園の外に出て行った。
マロンも馬に乗せられ、連れ去られてしまった。
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