剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~

島津穂高

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第88話 剣闘祭 決勝戦 vsイラプト校

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翌朝



いつも通り早く起き、早朝訓練をするために宿の外に出た。



「おっ、早いネ~」



「おはようメリッサ。珍しいな。」



「まあ色々あって今帰ってきたんだヨ…アルフレッドきゅんは?」



「早朝訓練だ。」



「偉いネ~じゃあうちは寝るヨ。」



「ああ。おやすみ。」



まだ麻薬騒動の仕事が収まっていなかったのだろうか?

口調はいつも通りだったが、とても眠そうな表情をしていた。



『さて…そろそろ始めますか。』



1時間程軽く訓練をし、身体を温めた。

そして朝食を取ったあと4人と合流し、コロッセオへ向かった。



「アルフレッド、絶対に勝つぞ!!」



「ああ…!!」



昨晩の一件もあり、クレアの様子が心配だったがどうやら大丈夫そうだ。

復讐心に囚われることもなく、やる気に満ち満ちている。



それから控室で全員分の装備を選りすぐり、準備を整えた。



「…よし、行くか!!」



「続いてアインザス校の入場だーー!!」



「おおおおおおおおお!!!!!」



「イラプト校をぶっ飛ばせーー!!」



「負けるなアインザス校ーー!!!」



舞台の中央に整列し、イラプト校の選手と向かい合った。



「愛しのクレア…!!どうして僕の元から居なくなったんだい?」



「黙れ。うちのクレアに関わるな。」



「アルフレッド…だっけ?君が僕のクレアを変えてしまったんだろう?許せない…!!」



「クレアはお前のものじゃない!!」



「生意気な…!!」



今の会話だけでも、ライオネルの傲慢な性格が理解できた。

改めて絶対に負けるわけにはいかないと思った。



「それでは決勝戦を始めます!!1戦目の選手は準備をしてください。」



「クレア、気負わないで頑張ってくださいね。」



「思う存分楽しめよ。」



「おう!!」



舞台にクレアを残し、俺達はベンチへ移動した。

クレアの目はいつも通り輝いており、これなら全力を尽くせるだろう。



「それでは1戦目を始めます!!」



相手は片手剣使いのオルズ選手…

彼は盾を持たないため、相手の攻撃は回避するか片手剣で防がなければ致命傷につながる。



「両者武器を構えて…試合開始!!」



「おらぁぁぁ!!!」



開始と同時にクレアが攻撃を仕掛けた。

そう、オルズ選手を倒す作戦とは猛攻で叩き潰すことだ。



クレアの長所は攻撃が速くて重く、さらに攻撃の間隔が短いことだ。

その攻撃はアランでさえ手を焼くほどだ。



「くっ…!!」



クレアの攻撃を数十回片手剣で防いだものの、力負けして腕が痺れたようだ。

左手で右腕を押さえている。



「おらおらぁぁぁ!!」



そこへクレアが追撃する。

対するオルズ選手は反撃することができず、ただ回避に徹している。



しかし、クレアはこの機会を逃さなかった。

右上段から左下段へ斬るフェイントで相手を右側に誘導し、尻尾で腹を突いた。



その突きは相手の鳩尾にめり込み、身体を宙に浮かせた。

そして痛みで動きが止まったところを薙ぎ払い、相手を両断した。



「試合終了ーー!!勝者、アインザス校クレア選手ーー!!」



『早速尻尾を使い始めたか…!!戦術の幅が増したな。』



だが、クレアの猛攻を予想以上に粘った。

クレアの息が若干上がり、疲労の色が見える。



「それでは2戦目に移ります。」



次の相手は細剣使いのターニャ選手…

彼女の恐るべき点はその戦闘技術にある。

だが、言い換えれば戦闘技術以外はクレアが勝っている。



「両者武器を構えて…試合開始!!」



「おらぁぁぁ!!」



開始と同時にクレアが攻撃を仕掛けた。

そう、作戦とはターニャ選手が戦闘技術を発揮する前に仕留めることだ。



対するターニャ選手はその場でじっと細剣を構えている。

カウンターを狙っているのだろうか?



左足で強く踏み込み、クレアが距離を詰めた。

そしてお互いの間合いに入ると、クレアは左上段から右下段へ斬った。

ターニャ選手はクレアの喉元を狙って突きを放った。



『攻撃を食らう前に仕留めるつもりだったのか…!!クレアが危ない!!』



しかし、それは杞憂だった。

クレアは左上段からの攻撃を途中で中断して剣を首の前で構え、側面で突きを防いだ。



「なっ…!!」



「おらぁぁぁ!!」



突きを防がれて動きが止まったところへ、クレアが反撃を始めた。

ターニャ選手は一瞬取り乱したもののすぐに落ち着き、後ろへ跳躍して距離を取った。



しかし、クレアはこの行動を予測していた。

後ろへ跳躍すると同時にクレアも前へ跳躍していた。



「なっ…どうしてですの⁉︎」



ターニャ選手は距離を取ることに精一杯で、今は防御も回避も出来ない最悪の体勢だ。

それに対してクレアは上段に剣を構えており、いつでも振り下ろせる体勢だ。



「とどめだおらぁぁぁ!!」



跳躍して身動きが取れない空中で、クレアが剣を振り落としてターニャ選手を両断した。



「し、試合終了ーー!!勝者、アインザス校クレア選手ーー!!」



「よくやったクレアーー!!」



声をかけると、笑顔でこちらへVサインを送った。



「それでは3戦目に移り…」



「審判、オレは棄権する。」



「おーっとーー!!ここでクレア選手、棄権だーー!!」



『良かった…』



頭に血が上って自分でライオネルに挑むんじゃないかと心配していたが、その事態にはならなかった。



「ということは…アルフレッド選手vsライオネル選手の実現だーー!!」



「おおおおおお!!!!」



『さて…ぶっ飛ばしに行くか!』
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