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第90話 打ち上げ
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「ヒューヒュー!!クレアやるね~」
「ク、クレアさんが告白…なのです⁉」
「ふ、不純異性交遊は良くないです!!」
後ろで3人が騒ぎ立てている。
それを聞いて、これは夢ではなく現実であることを再認識した。
『前世を含めて年齢=彼女いない歴の俺が告られた…だと!?いや落ち着け…』
おそらくクレアは俺への憧れを恋と勘違いしているのだろう。
子供の恋愛でよくあることだ。
「…やっ、やっぱり今のは忘れてくれ!!一時の気の迷いだ!!」
「あ、ああ…」
「ちぇ~これからいじり倒せると思ったのに~」
告白を取り消したとはいえ、告白したという事実は消えない。
俺とクレアは変に照れ、会話がままならなくなってしまった。
「じゃ、じゃあ俺は師範のところに行ってくるから!!」
「あ、ああ!!オレ達は打ち上げの準備でもするぞ!!」
下手な誤魔化しをして、逃げるようにコロッセオの階段を上った。
『くそっ!!ヘタレか俺は!!これからクレアにどう接すればいいんだ…?』
そんなことを悩んでいる間に師範の部屋に着いてしまった。
何となく深呼吸をして落ち着いてから扉を開けた。
「弟子よ!!剣闘祭優勝おめでとうなのじゃ!!」
「うわっ!!びっくりした…ありがとうございます!!」
まさか師範が大声で褒めてくれるとは思わなかった。
予想外の出来事に、唖然としてしまった。
「これで閉会式の時に胸を張って妾の弟子だと宣言できるな。」
『あっ、なるほど…師範の弟子が優勝してないと言いずらかったんだな。』
「よし、切り替えて地下施設に行って稽古を始めるのじゃ!!」
「はい!!」
今日も今日とて案山子に打ち込みをするらしい。
だが、今は告白の一件もあって落ち着かないので単純作業の方がありがたい。
『心頭滅却心頭滅却心頭滅却…』
心の中でそう唱えながら、打ち込み続けた。
「…お主、身が入っておらんのじゃ。」
「す、すみません…」
「クレアとやらに告白されたからなのじゃ?」
「んっ!!ゲホッゲホッ…」
驚いて飲んだ水が気管に入ってむせてしまった。
「ど、どうして師範がそれを⁉」
「たまたま近くにいたのじゃよ。」
「そうだったんですね…」
全然気付かなかった。
まさか師範の他にも聞いた人はいないよな…?
「はぁ…今日の稽古はやめじゃ。クレアとやらとちゃんと向き合ってくるのじゃ。」
「は、はい。」
師範なりに気を使ってくれたのだろうか?
何はともあれ、俺も向き合わなければと思っていたのだ。
『クレアにどんな顔して会えばいいんだ…!?なんて声をかければ…?』
そんなことを不安に思いながら歩いていると、宿に着いてしまった。
俺は覚悟を決め、扉を開けた。
「おかえりなさいませ。アルフレッド様。」
「ただいまソフィア。」
「おかえりアルフレッド!!早かったな!!」
「た、ただいまクレア。」
どうやらいつも通りのようだ。
変に意識し過ぎていた。
俺もいつも通りに振舞おう。
「アイリス達に聞いたんだけどな、憧れと恋心を一緒にしてたらしいんだ!!悪かったな!!」
「やっぱりか?何となく分かってたから気にするな。」
今後のクレアとの関係がギクシャクしなくて済んで嬉しいような、人生初の告白が無かったことにされて悲しいような…
複雑な気持ちだ。
「じゃあアルフレッドの部屋で打ち上げするか!!」
「そうだな!!」
部屋の前に着くと、何やら中からドタバタと音が聞こえる。
「アルフレッド連れてきたぞー!!」
「ただいま~」
「せーのっ!!アルフレッド、」
「誕生日おめでとうございます!!」
「誕生日おめでと~!!」
「た、誕生日おめでとうなのです!!」
「誕生日おめでとう!!」
「…へ?あ、ありがとう。」
『…そういえば今日俺の誕生日だ!!』
剣闘祭やら稽古やらで忙しくて、すっかり忘れていた。
去年までは毎年家族で誕生日会を開いていたのに…
「でもどうして俺の誕生日を…?」
「ソフィアさんが教えてくれました。」
「そうだったのか…ん?」
『どうしてソフィアが俺の誕生日を知ってるんだ…?』
誕生日なんて今まで誰にも聞かれなかったし、無論自分から話すようなこともしていない。
まさか俺の部屋を漁って誕生日を探ったのだろうか…?
『…いや、まさかな。』
「ア、アルフレッド!!」
「どうしたクレア?」
「これ、4人からのプレゼントだ!!」
「ありがとう!!」
それは一辺15cmほどの小さな箱で、とても軽い。
赤い紙とリボンで丁寧に包装されている。
「開けてもいいか?」
「もちろんだ!!」
紙を破らないよう丁寧に包み紙を取って箱を開けると、首飾りが入っていた。
縦3cmほどの長さで、合金と天然石でできているようだ。
「これは…フレンドリーアミュレットか!!」
「おう!!」
これは仲の良い友人に送るプレゼントの象徴とされている。
”永遠の友情”や”離れていても心は一緒”などの意味を持っている。
「これであたし達はずっと仲良しだね~!!」
「な、仲良しなのです!!」
4人を見てみると、皆同じ首飾りを付けていた。
前世では友人と呼べる存在が1人もいなかった俺にとって、これはとても嬉しかった。
「誕生日会兼打ち上げを始めようぜ!!アルフレッド!!」
「ああ!!剣闘祭アインザス校の優勝に…乾杯!!」
「かんぱ~い!!」
それから今までの思い出や5人がそれぞれ出会う前のエピソードを語り明かした。
「ク、クレアさんが告白…なのです⁉」
「ふ、不純異性交遊は良くないです!!」
後ろで3人が騒ぎ立てている。
それを聞いて、これは夢ではなく現実であることを再認識した。
『前世を含めて年齢=彼女いない歴の俺が告られた…だと!?いや落ち着け…』
おそらくクレアは俺への憧れを恋と勘違いしているのだろう。
子供の恋愛でよくあることだ。
「…やっ、やっぱり今のは忘れてくれ!!一時の気の迷いだ!!」
「あ、ああ…」
「ちぇ~これからいじり倒せると思ったのに~」
告白を取り消したとはいえ、告白したという事実は消えない。
俺とクレアは変に照れ、会話がままならなくなってしまった。
「じゃ、じゃあ俺は師範のところに行ってくるから!!」
「あ、ああ!!オレ達は打ち上げの準備でもするぞ!!」
下手な誤魔化しをして、逃げるようにコロッセオの階段を上った。
『くそっ!!ヘタレか俺は!!これからクレアにどう接すればいいんだ…?』
そんなことを悩んでいる間に師範の部屋に着いてしまった。
何となく深呼吸をして落ち着いてから扉を開けた。
「弟子よ!!剣闘祭優勝おめでとうなのじゃ!!」
「うわっ!!びっくりした…ありがとうございます!!」
まさか師範が大声で褒めてくれるとは思わなかった。
予想外の出来事に、唖然としてしまった。
「これで閉会式の時に胸を張って妾の弟子だと宣言できるな。」
『あっ、なるほど…師範の弟子が優勝してないと言いずらかったんだな。』
「よし、切り替えて地下施設に行って稽古を始めるのじゃ!!」
「はい!!」
今日も今日とて案山子に打ち込みをするらしい。
だが、今は告白の一件もあって落ち着かないので単純作業の方がありがたい。
『心頭滅却心頭滅却心頭滅却…』
心の中でそう唱えながら、打ち込み続けた。
「…お主、身が入っておらんのじゃ。」
「す、すみません…」
「クレアとやらに告白されたからなのじゃ?」
「んっ!!ゲホッゲホッ…」
驚いて飲んだ水が気管に入ってむせてしまった。
「ど、どうして師範がそれを⁉」
「たまたま近くにいたのじゃよ。」
「そうだったんですね…」
全然気付かなかった。
まさか師範の他にも聞いた人はいないよな…?
「はぁ…今日の稽古はやめじゃ。クレアとやらとちゃんと向き合ってくるのじゃ。」
「は、はい。」
師範なりに気を使ってくれたのだろうか?
何はともあれ、俺も向き合わなければと思っていたのだ。
『クレアにどんな顔して会えばいいんだ…!?なんて声をかければ…?』
そんなことを不安に思いながら歩いていると、宿に着いてしまった。
俺は覚悟を決め、扉を開けた。
「おかえりなさいませ。アルフレッド様。」
「ただいまソフィア。」
「おかえりアルフレッド!!早かったな!!」
「た、ただいまクレア。」
どうやらいつも通りのようだ。
変に意識し過ぎていた。
俺もいつも通りに振舞おう。
「アイリス達に聞いたんだけどな、憧れと恋心を一緒にしてたらしいんだ!!悪かったな!!」
「やっぱりか?何となく分かってたから気にするな。」
今後のクレアとの関係がギクシャクしなくて済んで嬉しいような、人生初の告白が無かったことにされて悲しいような…
複雑な気持ちだ。
「じゃあアルフレッドの部屋で打ち上げするか!!」
「そうだな!!」
部屋の前に着くと、何やら中からドタバタと音が聞こえる。
「アルフレッド連れてきたぞー!!」
「ただいま~」
「せーのっ!!アルフレッド、」
「誕生日おめでとうございます!!」
「誕生日おめでと~!!」
「た、誕生日おめでとうなのです!!」
「誕生日おめでとう!!」
「…へ?あ、ありがとう。」
『…そういえば今日俺の誕生日だ!!』
剣闘祭やら稽古やらで忙しくて、すっかり忘れていた。
去年までは毎年家族で誕生日会を開いていたのに…
「でもどうして俺の誕生日を…?」
「ソフィアさんが教えてくれました。」
「そうだったのか…ん?」
『どうしてソフィアが俺の誕生日を知ってるんだ…?』
誕生日なんて今まで誰にも聞かれなかったし、無論自分から話すようなこともしていない。
まさか俺の部屋を漁って誕生日を探ったのだろうか…?
『…いや、まさかな。』
「ア、アルフレッド!!」
「どうしたクレア?」
「これ、4人からのプレゼントだ!!」
「ありがとう!!」
それは一辺15cmほどの小さな箱で、とても軽い。
赤い紙とリボンで丁寧に包装されている。
「開けてもいいか?」
「もちろんだ!!」
紙を破らないよう丁寧に包み紙を取って箱を開けると、首飾りが入っていた。
縦3cmほどの長さで、合金と天然石でできているようだ。
「これは…フレンドリーアミュレットか!!」
「おう!!」
これは仲の良い友人に送るプレゼントの象徴とされている。
”永遠の友情”や”離れていても心は一緒”などの意味を持っている。
「これであたし達はずっと仲良しだね~!!」
「な、仲良しなのです!!」
4人を見てみると、皆同じ首飾りを付けていた。
前世では友人と呼べる存在が1人もいなかった俺にとって、これはとても嬉しかった。
「誕生日会兼打ち上げを始めようぜ!!アルフレッド!!」
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