剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~

島津穂高

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第118話 古代文明都市 地下7階

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師範と合流すべく“人族探知“を行使すると、前方の遥か上空で飛び回っていた。



『師範は…えっ?まだ戦闘中だったのか!』



今の戦闘は結構時間がかかったので、師範はとっくに終わっていると思っていたが…

手強い相手がいるのか、それとも数が多いのか…



“機械探知“を行使してみると、無数の反応があった。

そして、師範はその反応から逃げているように思えた。



『ん!?あれは…蝙蝠型機械生命体か!!』



ぐるぐると旋回するように逃げていたが、いきなり方向転換してこちらへ一直線に飛んできた。



「で、弟子よーー!!頼むのじゃーー!!」



「えぇ…」



こいつらは機械生命体だから細菌も持たないし汚くはない。

本物のクラディーバットとは見た目しか似ていないが…



『…まあ苦手なものは見た目が似てるだけで無理だもんな。』



「師範、ちゃんと避けてくださいね!!」



「うむ!!どんと来るのじゃ!!」



疲れた身体に鞭を打って両手剣Lv.9“ノヴァディザスター“を高速で行使し、斬撃の嵐を作った。



「ぬっ…妾を狙ったじゃろ!?」



「我慢してください!!そんな小さくて早い敵、こうでもしないと当たりませんよ!!」



「む…」



ジャキジャキと音が鳴り、目の前に斬られた機械の残骸が落ちてゆく。

次第に数が減ってはいるが…



「ちょっ、師範!!突っ込んでこないで旋回してください!!」



「む、無理なのじゃ!!」



「もれなく俺が死にます!!」



“機械探知“から察するに、あの蝙蝠型機械生命体の羽は掠るだけで簡単に皮膚が切れるほど薄く鋭い。

あんな大群に巻き込まれたら、腕や足の1本や2本は簡単に無くなるだろう。



「むむ…分かったのじゃ!!」



『ふぅ…巻き添えで死ぬかと思った…』



それから師範がおびき寄せたところに“ノヴァディザスター“で斬撃の嵐を作ること数回。



「むぅ…いい加減にするのじゃ!!」



「ちょっ、師範!?」



師範がついに怒り、残り十数体まで減った蝙蝠型機械生命体の群れに突っ込んだ。

そして相手の攻撃を被弾することなく次々両断し、殲滅した。



『最初からそうすればよかったじゃんか…』



とはいえ師範が囮役をしてくれたので、命の危険なく“ノヴァディザスター“を行使するだけでLvが115→117に上がったので良しとしよう。



「助かったのじゃーー!!」



「ぐっ!!」



怖かったのか、涙目になりながら胸に飛び込んできた。

可愛いと思ったのも束の間、胸に強力な衝撃が襲って激痛に悶えた。



「弟子よ、苦手を克服できたのじゃ!!」



「よ、良かったですね…」



「…っ!!お主怪我したのじゃな!?血がこんなにも…」



「回復薬で治したのでもう大丈夫ですよ。」



「む…それは良かったのじゃ。」



取り乱すほど心配してくれた。

師範のこういったところが俺は好きだ。



「…それにしても、調達した装備は凄いのじゃ。」



「そんなにですか?」



「む?お主、肩を噛まれたのじゃろう?」



「まあ、風穴が空きましたね。」



「服には穴が空いておらんのじゃ。」



「えっ!?」



着ていたら見えないので、試しに脱いで確認してみた。

すると、噛まれた箇所が少しほつれているだけで穴は空いていなかった。



『“修復“のエンチャントは付けてないし…本当に穴開かなかったのか!!』



ということは、あの怪我は牙が刺さったのではなく服越しに噛み潰されたのだろう。



『…いや待て。服が無事でも俺が無事じゃないなら防具の意味無くないか…?』



装備は怪我を防ぐために着用しているはずなのだが…

きっと装備を着けていなかったらもっと重症だったのだろう。

…そう信じたい。



「弟子よ、この階を探索してくるのじゃ。」



「分かりました。じゃあ俺は死体を収納してますね。」



「うむ!!」



それから数時間かけ、大量に地面に転がっていた機械生命体の死体を全て“アイテムボックス“に収納した。



『ふぅ…昼食とってから俺も探索始めるか!!』



師範は上空に行ってしまったので1人で食べよう。



“探知“を派生させて“アーティファクト探知“や“レアアイテム探知“をしたいのだが…

判断基準が人それぞれだからなのか、習得することができなかった。



『ふむ…こっちにありそうだな!!』



LUK値に期待し、直感で探し続けた。



数時間後



「弟子よ…」



「師範…どうかしましたか?」



「何も見つからないのじゃよ…」



「俺も同じです…」



隅から隅まで気を張って見て回ったが、何も見つからなかった。

ただ疲労が増しただけだった。



「はぁ…野宿の準備をするのじゃ。」



「分かりました…」



戦闘で肉体的に、探索で精神的に疲れた。

そのため、俺と師範の間には会話が無くなり静寂が広がっていた。



「おやすみなのじゃ…」



「はい…おやすみなさい…」



地下8階には何か貴重なアイテム構えあることを信じ、眠りについた。
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