119 / 246
第119話 古代文明都市 地下8階
しおりを挟む
翌朝
ヒカリゴケの発光とともに目を覚まし、早朝訓練を始めた。
『…筋肉痛は完治したみたいだな。』
これで昨日のように動きが鈍って重傷を負うことは無くなっただろう。
『これからはもっと最悪の展開まで考えて行動しないとな…』
もしあの時ウェアウルフ型の背後にいた機械生命体達が同時に襲い掛かって来ていたら、間違いなく俺はやられていただろう。
完全に油断してしまっていた。
「おはようなのじゃ…」
「おはようございます。向こうに洗面と朝食の用意しておいたのでどうぞ。」
「うむ!助かるのじゃ!」
毎回思うのだが、寝起きで食事が喉を通るのはすごい。
それが当たり前なのかもしれないが、少なくとも俺は数時間経たないと喉を通らない。
俺も訓練を終えて朝食を取り、出発の支度を整えた。
「…よし、行くのじゃ!!今日は何か得られるといいのじゃが…」
「そうですね…」
地図の説明によると、地下8階は保管庫のようだ。
機械生命体のパーツ用保管庫かもしれない…
が、もしかしたらレアアイテムやレア素材の保管庫という可能性もある。
『楽しみだな…!!』
それからスキルを行使して周囲を警戒しつつ、地下8階へ続く通路を下った。
効果範囲を拡大したりしてみたが、反応は皆無だった。
「…全く敵の反応がありません。」
「ふむ…」
コツコツと、俺と師範が歩く足音しか聞こえない。
まるで嵐の前の静けさのようだ。
「ここまで静かだと怖いですね…」
「うむ…警戒を頼んだのじゃ。」
「はい。」
その後警戒を強めて進んだが、相も変わらずコツコツという足音しか聞こえないまま地下8階の扉の前に着いた。
“構造探知“によると、扉の先は約5mおきに棚が並んでいる倉庫のようになっている。
“機械探知“にはただ1つだけ、小さな反応があった。
「…中に1体だけいますね。扉は地下4階と同じで自動で開くようです。」
「ふむ…では行くのじゃ。3…2…1…今!!」
「イラッシャイマセ。私ハ保管庫管理用ユニットデス。」
「あっ…」
どうやらただ1つの反応は彼女のものだったようだ。
身長がやや小さいし、なによりあげた首飾りを着けていないので地下4階のユニットとは別個体だ。
「地下4階デハ妹ガオ世話ニナリマシタ。」
「あ、いえ。こちらこそ良くしていただきました。」
管理ユニット同士で通信が繋がってるのだろうか?
何はともあれ、戦闘に発展しなさそうで良かった。
「ソレハナニヨリデス。デハ、ゴ要望を御伺イシマス。」
「貴重なアイテムとか素材が欲しいんですけど…」
「ソレデシタラA1~A20ノ棚ヲゴ覧クダサイ。ドウゾゴ自由ニオ持チ帰リクダサイ。」
「えっ…いいんですか!?」
「ハイ。放置サレルノハモッタイナイデスシ、ナニヨリ寂シイデスカラ…」
表情は真顔のまま全く動いていないが、どこか寂しそうに見えた。
やはり管理ユニットには感情があるのだろうか…?
「で、では行くのじゃ。」
「そうですね。」
入り口右手の壁にここの地図が貼ってあったので、それを参考にして移動した。
「…ここがA1の棚ですね。」
「そのようじゃな…」
地下5階の博物館とは異なり、全ての物がショーケースではなく引き出しに仕舞ってあった。
A1の棚だけでも縦横30cmほどの引き出しが約50個ある。
「これは…全部見るのにだいぶ時間がかかりそうじゃな。」
「そうですね…どうしましょうか?」
「うむ…時間は十二分にあるわけじゃし、一つ一つじっくり見て書き出すのじゃ。」
「…分かりました。」
地図によると、A1~J20まで棚があるようだ。
その全てを見るとなると…
『アルファベットの区画が10個でそれぞれ20個の棚があって、1つの棚に約50個の引き出しがあるから…10×20×50で少なくとも10,000個あるのか…』
了解の返事を出したが、改めて計算してみたらゾッとした。
「弟子よ、顔を引きつらせてどうしたのじゃ?」
「い、いえ。何でもないですよ。」
「ふむ…なら始めるのじゃ。妾には見分けがつかないことじゃし、隠し部屋でも探してくるのじゃよ。」
「行ってらっしゃい…」
『ははは…まじかよ。』
一つ一つじっくり見て回るということは、”鑑定”をして見て回るということを意味していたらしい。
師範は”鑑定”を習得していないので、当然俺1人の労働と言うことになる。
前世の社畜時代と負けず劣らずの労働状態ではないだろうか…?
だが唯一の救いとしては、この保管庫にある物は全てレア素材と思われるので”鑑定”していて楽しいということだ。
『さて…そんなこと考えてないでやりますか…』
早速A1の端にある引き出しを開けた。
そしてそこに入っていた銀色の粉に”鑑定”を行使すると、どうやらこれは魔物由来の麻痺薬らしい。
『…”パラライズバタフライの鱗粉”?初めて聞く魔物だな…』
古代文明の遺産なので、その時代に生息してした魔物なのだろう。
考古学をやっているようで、なんだか楽しい。
『…さて、ちゃっちゃと”鑑定”しますか!!』
ヒカリゴケの発光とともに目を覚まし、早朝訓練を始めた。
『…筋肉痛は完治したみたいだな。』
これで昨日のように動きが鈍って重傷を負うことは無くなっただろう。
『これからはもっと最悪の展開まで考えて行動しないとな…』
もしあの時ウェアウルフ型の背後にいた機械生命体達が同時に襲い掛かって来ていたら、間違いなく俺はやられていただろう。
完全に油断してしまっていた。
「おはようなのじゃ…」
「おはようございます。向こうに洗面と朝食の用意しておいたのでどうぞ。」
「うむ!助かるのじゃ!」
毎回思うのだが、寝起きで食事が喉を通るのはすごい。
それが当たり前なのかもしれないが、少なくとも俺は数時間経たないと喉を通らない。
俺も訓練を終えて朝食を取り、出発の支度を整えた。
「…よし、行くのじゃ!!今日は何か得られるといいのじゃが…」
「そうですね…」
地図の説明によると、地下8階は保管庫のようだ。
機械生命体のパーツ用保管庫かもしれない…
が、もしかしたらレアアイテムやレア素材の保管庫という可能性もある。
『楽しみだな…!!』
それからスキルを行使して周囲を警戒しつつ、地下8階へ続く通路を下った。
効果範囲を拡大したりしてみたが、反応は皆無だった。
「…全く敵の反応がありません。」
「ふむ…」
コツコツと、俺と師範が歩く足音しか聞こえない。
まるで嵐の前の静けさのようだ。
「ここまで静かだと怖いですね…」
「うむ…警戒を頼んだのじゃ。」
「はい。」
その後警戒を強めて進んだが、相も変わらずコツコツという足音しか聞こえないまま地下8階の扉の前に着いた。
“構造探知“によると、扉の先は約5mおきに棚が並んでいる倉庫のようになっている。
“機械探知“にはただ1つだけ、小さな反応があった。
「…中に1体だけいますね。扉は地下4階と同じで自動で開くようです。」
「ふむ…では行くのじゃ。3…2…1…今!!」
「イラッシャイマセ。私ハ保管庫管理用ユニットデス。」
「あっ…」
どうやらただ1つの反応は彼女のものだったようだ。
身長がやや小さいし、なによりあげた首飾りを着けていないので地下4階のユニットとは別個体だ。
「地下4階デハ妹ガオ世話ニナリマシタ。」
「あ、いえ。こちらこそ良くしていただきました。」
管理ユニット同士で通信が繋がってるのだろうか?
何はともあれ、戦闘に発展しなさそうで良かった。
「ソレハナニヨリデス。デハ、ゴ要望を御伺イシマス。」
「貴重なアイテムとか素材が欲しいんですけど…」
「ソレデシタラA1~A20ノ棚ヲゴ覧クダサイ。ドウゾゴ自由ニオ持チ帰リクダサイ。」
「えっ…いいんですか!?」
「ハイ。放置サレルノハモッタイナイデスシ、ナニヨリ寂シイデスカラ…」
表情は真顔のまま全く動いていないが、どこか寂しそうに見えた。
やはり管理ユニットには感情があるのだろうか…?
「で、では行くのじゃ。」
「そうですね。」
入り口右手の壁にここの地図が貼ってあったので、それを参考にして移動した。
「…ここがA1の棚ですね。」
「そのようじゃな…」
地下5階の博物館とは異なり、全ての物がショーケースではなく引き出しに仕舞ってあった。
A1の棚だけでも縦横30cmほどの引き出しが約50個ある。
「これは…全部見るのにだいぶ時間がかかりそうじゃな。」
「そうですね…どうしましょうか?」
「うむ…時間は十二分にあるわけじゃし、一つ一つじっくり見て書き出すのじゃ。」
「…分かりました。」
地図によると、A1~J20まで棚があるようだ。
その全てを見るとなると…
『アルファベットの区画が10個でそれぞれ20個の棚があって、1つの棚に約50個の引き出しがあるから…10×20×50で少なくとも10,000個あるのか…』
了解の返事を出したが、改めて計算してみたらゾッとした。
「弟子よ、顔を引きつらせてどうしたのじゃ?」
「い、いえ。何でもないですよ。」
「ふむ…なら始めるのじゃ。妾には見分けがつかないことじゃし、隠し部屋でも探してくるのじゃよ。」
「行ってらっしゃい…」
『ははは…まじかよ。』
一つ一つじっくり見て回るということは、”鑑定”をして見て回るということを意味していたらしい。
師範は”鑑定”を習得していないので、当然俺1人の労働と言うことになる。
前世の社畜時代と負けず劣らずの労働状態ではないだろうか…?
だが唯一の救いとしては、この保管庫にある物は全てレア素材と思われるので”鑑定”していて楽しいということだ。
『さて…そんなこと考えてないでやりますか…』
早速A1の端にある引き出しを開けた。
そしてそこに入っていた銀色の粉に”鑑定”を行使すると、どうやらこれは魔物由来の麻痺薬らしい。
『…”パラライズバタフライの鱗粉”?初めて聞く魔物だな…』
古代文明の遺産なので、その時代に生息してした魔物なのだろう。
考古学をやっているようで、なんだか楽しい。
『…さて、ちゃっちゃと”鑑定”しますか!!』
11
あなたにおすすめの小説
魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -
花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。
魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。
十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。
俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。
モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
異世界召喚に巻き込まれたのでダンジョンマスターにしてもらいました
まったりー
ファンタジー
何処にでもいるような平凡な社会人の主人公がある日、宝くじを当てた。
ウキウキしながら銀行に手続きをして家に帰る為、いつもは乗らないバスに乗ってしばらくしたら変な空間にいました。
変な空間にいたのは主人公だけ、そこに現れた青年に説明され異世界召喚に巻き込まれ、もう戻れないことを告げられます。
その青年の計らいで恩恵を貰うことになりましたが、主人公のやりたいことと言うのがゲームで良くやっていたダンジョン物と牧場経営くらいでした。
恩恵はダンジョンマスターにしてもらうことにし、ダンジョンを作りますが普通の物でなくゲームの中にあった、中に入ると構造を変えるダンジョンを作れないかと模索し作る事に成功します。
明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです
封印されていたおじさん、500年後の世界で無双する
鶴井こう
ファンタジー
「魔王を押さえつけている今のうちに、俺ごとやれ!」と自ら犠牲になり、自分ごと魔王を封印した英雄ゼノン・ウェンライト。
突然目が覚めたと思ったら五百年後の世界だった。
しかもそこには弱体化して少女になっていた魔王もいた。
魔王を監視しつつ、とりあえず生活の金を稼ごうと、冒険者協会の門を叩くゼノン。
英雄ゼノンこと冒険者トントンは、おじさんだと馬鹿にされても気にせず、時代が変わってもその強さで無双し伝説を次々と作っていく。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
異世界で一番の紳士たれ!
だんぞう
ファンタジー
十五歳の誕生日をぼっちで過ごしていた利照はその夜、熱を出して布団にくるまり、目覚めると見知らぬ世界でリテルとして生きていた。
リテルの記憶を参照はできるものの、主観も思考も利照の側にあることに混乱しているさなか、幼馴染のケティが彼のベッドのすぐ隣へと座る。
リテルの記憶の中から彼女との約束を思いだし、戸惑いながらもケティと触れ合った直後、自身の身に降り掛かった災難のため、村人を助けるため、単身、魔女に会いに行くことにした彼は、魔女の館で興奮するほどの学びを体験する。
異世界で優しくされながらも感じる疎外感。命を脅かされる危険な出会い。どこかで元の世界とのつながりを感じながら、時には理不尽な禍に耐えながらも、自分の運命を切り拓いてゆく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる