剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~

島津穂高

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第181話 迷宮都市 冒険者ギルド

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「あの子可愛かったな!」



「あ、頭撫でてみたいのです!!」



「そうですね。大変可愛らしい子でした。」



「だね~!!流石ソフィア!」



「ありがとうございます。」



俺も会話に入りたいところだが、以前こういった女子トークに入って睨まれたことがあるので辞めておく。

ちなみに冒険者学校時代にエレナ先輩が可愛いという件についてだった。



「…もうそろそろ着くぞ。」



「は~い。」



冒険者ギルドの外観は決闘都市や帝都と全く同じで、広くがっしりとした2階建ての建物に剣と盾の紋章が大きく飾られている。

帝国の総ギルドマスターである師範曰く、各国の総ギルマスと協力して世界中の冒険者たちが一目で分かるよう配慮した結果だという。



木の扉を開けて中に入ると、そこは予想通り酒場も兼ねている見慣れた光景だった。

だが、他都市のギルドと違ってクエストが一面にどでかく1枚が貼られている掲示板だけが真新しい光景だ。

理由は1つ、ここが迷宮都市でダンジョン攻略以外のクエストが無いからだ。

ダンジョン内で倒した魔物は魔石だけを残して黒い靄となって消えるため、納品クエストなども無い。



そのためダンジョンはロマンに惹かれた者達以外にも、倒した魔物の荷物がかさばらずに済むと考える者達にも人気がある。

他にもダンジョンには多種多様な魔物が現れるため、実力を知るために挑む者達もいる。



辺りを見回しながら受付に向かうと、そこには真っ黒に日焼けした屈強な肉体とスキンヘッドにサングラスをかけた如何にも怪しい男がいた。

俺達は一目でこの人がサリーちゃんの弟だと確信した。



「見ない顔だな。迷宮都市は初めてかい?」



「ああ。ところで…サリーちゃんの弟で合ってるか?」



「おうよ。あのクソおかま姉貴の弟だ。」



「酷い言い様だな…これ、サリーちゃんに渡すよう言われた。」



「どれどれ…」



受付の屈強な男がサングラスを外すと、現れたのは鋭い眼光を放つ目…ではなくポツンとした小さく黒い点のような目だった。

そのギャップに吹き出しそうになりつつも、コンプレックスなのだろうと考え必死に堪えたのだが…



「…ぷっ!!」



「あははははっ!!」



「クレア!!スー!!人の顔を見て笑うのは失礼ですよ!!」



「あぁ、気にすんな。これが俺様のチャームポイントだからなっ!」



『コンプレックスじゃねーのかよ…ってか、じゃあなんでサングラスで隠してんだよ…』



キャラが濃すぎて思考が定まらない。

クレアとスーを宥めている間に読み終えたようで、手紙を握り潰してこちらを見た。



「お前さん達があのアルフレッドパーティーか…覚えておくぜ。俺様はパウロだ。よろしく頼むぜ。」



「アルフレッドだ。よろしく。」



「1つ質問いいでしょうか?」



「何だ?」



「クエストがないみたいですが、冒険者ランクの昇格システムはどうなっているのですか?」



「あそこの掲示板にでかいクエストが貼ってあるだろ?あそこに大体のことは書いてある。簡単に説明すると、提出する魔石のランクで貢献度が溜まっていくシステムだ。」



「なるほど…ありがとうございます。」



先程ちらっと見ただけだが、どうやら今までやってきたクエストと大差ないようだ。

今までは討伐照明部位として魔石を規定数提出することで1つのクエストを達成していたが、ここでは得た魔石を規定数ではなくとも提出することでカウントされ、自動的に達成されるようだ。

例えばAランク魔石提出のクエスト達成のために7個の魔石提出した場合、次回は3個提出するだけで2回目のクエストが達成できるということだ。



「他に質問はあるか?」



「あ、あの。ダンジョンに入場制限はあるのですか?」



「特にないぞ。冒険者ギルドは死んでも自己責任だからな。」



「とすると、オレ達は最初からダンジョンの最深層に行ってもいいわけだな!」



「まあそうだな。だが、一応ダンジョンの性質に慣れるために浅い層から始めるぞ。」



「ちぇー!」



ここで言うダンジョンの性質には様々なことがある。

例えば魔素の濃い場所では壁や地面から突然魔物が生まれることや魔物の巣窟であるモンスターハウス、他冒険者が魔物から逃げているうちにどんどん数が増えた集団をすれ違いざまになすりつけられるトレインなどだ。

フィールドではこれらの経験をすることがないので、慣れておかなければ命の危険に繋がるのだ。



「流石リーダーは注意深いな。俺様の経験上、そういった奴が最後まで生き残るんだよ。」



「師範に耳に胼胝ができるほど教えられたからな。」



「流石エレノア様だな。」



「えっ、その情報王国まで届いてるのか!?」



「当たり前だ。世界中に認知されたエレノア様は生きる伝説だからな。ところでパーティーハウスを探してると書いてあるが、お前さん達はここに永住する予定なのか?」



「全てのダンジョンを攻略し終えたら去るつもりだよ~」



「ははっ!言うじゃねーか!!」



「あ、ある程度長く滞在するつもりだから安心安全のパーティーハウスを買うのです!」



「なるほどな。それじゃあパーティーハウスを探すのなら不動産商会に行きな。」



「分かった。ありがとう。」



「ああ。それじゃあまたな。」



俺達は冒険者ギルドを出て不動産商会へ向かった。
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