剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~

島津穂高

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第190話 告白

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『さて…何から話したものやら…』



集合時間を少しだけ遅く設定し、先に会議テーブルに着いた俺は話す内容を考えていた。

この世界のほとんどの住民には転生者や転移者といった知識は存在しないため、転生者だと打ち明けるだけではいけないのだ。



数十分かけて話す内容を纏め終わった頃、ちょうど全員が揃った。



「それで、大事なこととは何ですか?」



「そうだな…簡単に言えば俺が邪神教徒討伐に尽力する理由についてだ。」



「それは私も気になっておりました。理由を伺っても?」



「…荒唐無稽な話に聞こえるかもしれないが、元々俺はこことは全く別の世界で生きていたんだ。」



「えっ!?」



全員が驚きの表情を見せ、唖然としている。

しかしこれは、突然思いもよらない話を聞いたのだから全く持って正常な反応だ。



「元の世界には人間以外の種族も魔物もいない。俺が住んでた日本って国では武器を所持することすら犯罪に抵触するほどの平和的な世界だったんだ。」



「そんな世界が…観光してみたいものですね。」



「じゃあアルフレッドは異世界人ってこと?でもどうやってこの世界に来たの~?」



「元の世界で死んだ俺を創造神様がこの世界に転生してくださったんだ。」



「ということは…アルフレッド様は創造神様にお会いしたのですか?」



「ああ。そして、創造神様の使いみたいな存在として…」



「そ、創造神様の使いですか!?」



「この世界について調査して報告するだけだから使いってほどでもないけどな。」



創造神様の使徒を自称するのは不敬だが、βテスターを説明するためにはこれが分かりやすかったのだ。

俺の報告が世界に影響を及ぼしている点では使徒と名乗っても差し支えないのではと心の隅で思ったが、それは忘れておこう。



「あぁ、だから熱心に礼拝してたのか?」



「それは意識だけ創造神様の元に飛んで活動報告を行ってた時だな。この時も会ってるぞ。」



「なっ!?私にはただ礼拝しているようにしか見えませんでした…」



「神様の御厚意だろうな。それで役割上すぐ死なないよう、転生するにあたっていくつかユニークスキルを授かったんだ。”鑑定”とか”アイテムボックス”とか…これとかな。」



パッシブスキルの”言語理解”を一時的に解除し、紙に漢字でで言語理解と書いた。

ユニークスキルを説明しつつ異世界の文字を見せることで俺が異世界人であるという証拠にするためだ。

この世界の文字を覚えてから日本語で書くことはほとんどなくなったので、少し手が止まったが何とか書き切った。

そして”言語理解”を解除した状態のままこの世界の言語で皆に話かけた。



「…どうだ?読めるか?」



「こんな文字は見たことがありませんね…」



「私も同じです。それと、失礼ながらアルフレッド様の発音が退行しましたね。」



”言語理解”を再び有効にすると、紙に書いた文字がうねうねとこの世界の文字に変化して5人も読めるようになった。

そして俺の若干拙い発音も元通りになった。



「本当に異世界の文字なんだな!初めて見たぞ!!」



「そりゃそうだろ…とまあ、これで俺が異世界人であることを証明できたか?」



「も、元々疑ってなかったのです!」



「ボクも~」



「ありがとう。さて…それじゃあ邪神教徒に尽力している理由に移るぞ。」



「えっ、創造神様の使いだからじゃないの~?」



「まあそれはそうなんだが、具体的には…」



以前創造神様に説明していただいた内容を5人にも詳しく話した。

邪神は創造神の立場を奪おうとする不逞な存在であること、邪神教徒に神力を消費して力を与えていること、そして力を与えられた邪神教徒を倒すことで邪神の力が弱まることなどの情報だ。



「神は信者数や信仰数で神力を得るから、力を削ぐために邪神教徒は創造神教徒を殺して回ってるんだ。」



「そういう理由があったんですか…知りませんでした。」



「創造神教徒は世界中に存在していますが…立場を奪うのは可能なのでしょうか?」



「絶望的な戦力差だが、不可能ってわけではないだろうな。それに、放っておいて死者が増えるのも嫌だしな。」



そして何より、創造神様の神力の結晶である俺に気付いて殺しに来るかもしれない。

今言った理由も嘘ではないが、人間やはり1番は保身である。



「それで…邪神教殲滅に協力してくれるか?」



「おう!」



「はい!」



「ボ、ボクも協力するのです!!」



「あたしも~」



「私も微力ながら協力させていただきます。」



「ありがとう…それじゃあ明日からの第18ダンジョン攻略に向けて準備を再開するぞ!」



「おー!!」



自分が転生者であることを打ち明けたためか、心が軽くなった気がする。

クレア達のことは信頼しているが、あまりにも荒唐無稽な話なので一蹴されたらどうしようと心配だったのだ。



『もし信じてもらえなければメンタルが逝かれてただろうな…本当にありがとう。』



感謝の気持ちを抱くと同時に、邪神教徒討伐に向けてより一層意気込んだ。
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