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第205話 第18ダンジョン 模擬戦①
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バーニングコングとブリザードコングから落ちた直径50cmほどある巨大な魔石とソフィアに渡した”結界展開の石”を”アイテムボックス”に収納し、7人で集合した。
「お疲れ様でした。後方から戦闘の観察記録を付けておりました。」
「流石ソフィア。後で目を通しておくよ。クレア達はどうだった?」
「めっっっちゃ寒かったぞ!!」
「あたしは種族の特性で大丈夫だった~!」
「私もです。」
「私とイザベル殿はクレア殿に温めてもらったから問題ない。改めて感謝する。」
「気にするな!」
アイリス達白狼族は雪山で暮らしているらしいので、暑いのはダメだが寒いのには強い。
スー達鳥人族は人それぞれだが、スーはふかふかな羽毛を持っているので大丈夫だったようだ。
クレア達龍人族は種族スキル”ブレス”を持っており、体内温度が非常に高いためどんな環境にも強い。
ティーナとイザベルが温めてもらったというのは恐らく”ブレス”のことだろう。
『今回は種族の強みが出たな。』
「しっかし強かったね~!!これほどの敵は新遺跡のマーブルゴーレム以来じゃない~?」
「そ、そうなのです!!鎧が硬くて攻撃がなかなか通らなかったのです…」
「アルフレッドはどうだったのだ?…というか、どうして鎌なんて使ってたのだ?」
「ああ、実は…」
それからバーニングコングの面倒くさい特性を話していった。
実体がないため物理攻撃が当たらない、超高温なので近づくと火傷するくらい熱いなど愚痴のように話した。
「まぁ…そういうわけでこの鎌を使ってたんだ。」
「…アルフレッドがそちらの対応をしてくれて助かったな。」
「だね~!!あたし達だったら死にはしないけど倒せなかった自信あるよ~」
「そうですね。」
「それで…そろそろ模擬戦しないか?」
先程から我慢してもじもじしているとは思っていたが、クレアがついに痺れを切らした。
アイリスやソフィアは呆れた顔をしているが、スーとイザベルはブリザードコング相手に不完全燃焼だったようで強く賛同した。
「そうだな。そろそろ始めるが…ティーナはどうする?」
「どうするとは?」
「俺と戦いたいって言っていたが、やるか?」
「是非やらせてもらおう!」
兜の中で満面の笑みを浮かべているであろうことが、うわずった声色から察しが付く。
本当に楽しみにしていたのだろう。
「ではせっかくですし今日は久しぶりに1対1でやりませんか?」
「ボ、ボクも賛成なのです。」
「そうだな。そうしよう。」
「ちょ…っと待ってくれ。いつもは1対4で戦っているような口ぶりではないか。」
「その通りだが?ティーナも騎士団で同じことをしているな。」
「それはそうだが…いや、何でもない。早速始めるとしよう。」
「ああ。」
珍しくクレアとスーがティーナに1番手を譲り、早速模擬戦の準備が整った。
木剣ではなく本物でやることに少し驚いていたが、むしろ喜んでいたように思える。
「それではアルフレッド対ティーナ…試合開始!!」
開始と同時にティーナは片手剣を右上段に構えて距離を詰めてきた。
対する俺はその場で両手剣を前に構えて防御態勢を取っている。
「はぁぁぁ!!!!」
ティーナは雄叫びを上げながら右上段から強く素早い攻撃をしたが、俺は両手剣で難なく弾いた。
それから猛攻が続いたが、俺は1歩も動くことなくその全てを軽くいなした。
最後に強くパリィしてティーナを後退させ、距離を取った。
「王国主流のテレジア流剣術か。型に忠実で美しい軌道を描いてはいるが…それだけだな。」
「なんだと?」
「俺は型を知っているから3手も4手も先を読める。今まではその力と速度で何とかなってたんだろうが…同格以上の相手には通用しないぞ?」
「くっ…!はぁぁぁ!!!!」
おそらくテレジア流剣術以外の戦い方を知らないのだろう。
指摘してからも型の組み合わせ方が変わっただけで、結局はテレジア流剣術そのものだった。
「よく見ておけよ?」
ティーナがじっとこちらを警戒しているところへ、今度はこちらから攻撃を仕掛けた。
最初はテレジア流剣術の上段振り下ろし型で攻撃したが、予想通りそれは難なく防がれた。
防がれると同時に流れるようにテレジア流剣術から帝国主流のブルーノ流剣術に型を変え、今度は左下段から攻撃した。
「くっ…!」
持ち前の動体視力で何とか防いで見せたが、ティーナは大きく体勢を崩した。
そこへ今度はブルーノ流剣術からペンシルゴン流剣術に変えて左上段から振り下ろし、兜を弾き飛ばしてティーナの首元に剣を寸止めして決着した。
「そこまで!!勝者アルフレッド!!」
「…私の負けだ。異なる型を組み合わせるだけでこうも強いとはな…」
「何百何千回と試してようやく分かるから大変だけどな。」
「そうか…いい経験になった。」
「それは良かった。」
負けたら悔しがりそうなものだが、ティーナはどこか嬉しそうな表情をしていた。
その表情はつらい修行の旅で強くなれることが分かったときの俺の表情と重なった。
「アルフレッド、次オレな!!」
「ああ!やるか!!」
「いや、アルフレッドは要らない!!ティーナとやる!!」
「私と…受けてたとう!!」
「おう!」
『要らない…要らないかぁ…』
思わぬ言葉に凹みながら、壁際に座って模擬戦の観察を始めた。
「お疲れ様でした。後方から戦闘の観察記録を付けておりました。」
「流石ソフィア。後で目を通しておくよ。クレア達はどうだった?」
「めっっっちゃ寒かったぞ!!」
「あたしは種族の特性で大丈夫だった~!」
「私もです。」
「私とイザベル殿はクレア殿に温めてもらったから問題ない。改めて感謝する。」
「気にするな!」
アイリス達白狼族は雪山で暮らしているらしいので、暑いのはダメだが寒いのには強い。
スー達鳥人族は人それぞれだが、スーはふかふかな羽毛を持っているので大丈夫だったようだ。
クレア達龍人族は種族スキル”ブレス”を持っており、体内温度が非常に高いためどんな環境にも強い。
ティーナとイザベルが温めてもらったというのは恐らく”ブレス”のことだろう。
『今回は種族の強みが出たな。』
「しっかし強かったね~!!これほどの敵は新遺跡のマーブルゴーレム以来じゃない~?」
「そ、そうなのです!!鎧が硬くて攻撃がなかなか通らなかったのです…」
「アルフレッドはどうだったのだ?…というか、どうして鎌なんて使ってたのだ?」
「ああ、実は…」
それからバーニングコングの面倒くさい特性を話していった。
実体がないため物理攻撃が当たらない、超高温なので近づくと火傷するくらい熱いなど愚痴のように話した。
「まぁ…そういうわけでこの鎌を使ってたんだ。」
「…アルフレッドがそちらの対応をしてくれて助かったな。」
「だね~!!あたし達だったら死にはしないけど倒せなかった自信あるよ~」
「そうですね。」
「それで…そろそろ模擬戦しないか?」
先程から我慢してもじもじしているとは思っていたが、クレアがついに痺れを切らした。
アイリスやソフィアは呆れた顔をしているが、スーとイザベルはブリザードコング相手に不完全燃焼だったようで強く賛同した。
「そうだな。そろそろ始めるが…ティーナはどうする?」
「どうするとは?」
「俺と戦いたいって言っていたが、やるか?」
「是非やらせてもらおう!」
兜の中で満面の笑みを浮かべているであろうことが、うわずった声色から察しが付く。
本当に楽しみにしていたのだろう。
「ではせっかくですし今日は久しぶりに1対1でやりませんか?」
「ボ、ボクも賛成なのです。」
「そうだな。そうしよう。」
「ちょ…っと待ってくれ。いつもは1対4で戦っているような口ぶりではないか。」
「その通りだが?ティーナも騎士団で同じことをしているな。」
「それはそうだが…いや、何でもない。早速始めるとしよう。」
「ああ。」
珍しくクレアとスーがティーナに1番手を譲り、早速模擬戦の準備が整った。
木剣ではなく本物でやることに少し驚いていたが、むしろ喜んでいたように思える。
「それではアルフレッド対ティーナ…試合開始!!」
開始と同時にティーナは片手剣を右上段に構えて距離を詰めてきた。
対する俺はその場で両手剣を前に構えて防御態勢を取っている。
「はぁぁぁ!!!!」
ティーナは雄叫びを上げながら右上段から強く素早い攻撃をしたが、俺は両手剣で難なく弾いた。
それから猛攻が続いたが、俺は1歩も動くことなくその全てを軽くいなした。
最後に強くパリィしてティーナを後退させ、距離を取った。
「王国主流のテレジア流剣術か。型に忠実で美しい軌道を描いてはいるが…それだけだな。」
「なんだと?」
「俺は型を知っているから3手も4手も先を読める。今まではその力と速度で何とかなってたんだろうが…同格以上の相手には通用しないぞ?」
「くっ…!はぁぁぁ!!!!」
おそらくテレジア流剣術以外の戦い方を知らないのだろう。
指摘してからも型の組み合わせ方が変わっただけで、結局はテレジア流剣術そのものだった。
「よく見ておけよ?」
ティーナがじっとこちらを警戒しているところへ、今度はこちらから攻撃を仕掛けた。
最初はテレジア流剣術の上段振り下ろし型で攻撃したが、予想通りそれは難なく防がれた。
防がれると同時に流れるようにテレジア流剣術から帝国主流のブルーノ流剣術に型を変え、今度は左下段から攻撃した。
「くっ…!」
持ち前の動体視力で何とか防いで見せたが、ティーナは大きく体勢を崩した。
そこへ今度はブルーノ流剣術からペンシルゴン流剣術に変えて左上段から振り下ろし、兜を弾き飛ばしてティーナの首元に剣を寸止めして決着した。
「そこまで!!勝者アルフレッド!!」
「…私の負けだ。異なる型を組み合わせるだけでこうも強いとはな…」
「何百何千回と試してようやく分かるから大変だけどな。」
「そうか…いい経験になった。」
「それは良かった。」
負けたら悔しがりそうなものだが、ティーナはどこか嬉しそうな表情をしていた。
その表情はつらい修行の旅で強くなれることが分かったときの俺の表情と重なった。
「アルフレッド、次オレな!!」
「ああ!やるか!!」
「いや、アルフレッドは要らない!!ティーナとやる!!」
「私と…受けてたとう!!」
「おう!」
『要らない…要らないかぁ…』
思わぬ言葉に凹みながら、壁際に座って模擬戦の観察を始めた。
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