剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~

島津穂高

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第206話 第18ダンジョン 模擬戦②

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「それではクレア対ティーナ…試合開始!!」



「行くぜー--!!!!」



クレアは開始と同時に強く踏み込み、ティーナ目掛けて大きく跳躍した。

その跳躍はウェアウルフ亜種を想起させるほど早く、避けきれないため受け止める選択をしたようだ。



「くっ…!!」



クレアの速攻を真正面から防ぐも、勢いを殺しきれず10mほど後方に吹き飛ばされた。

観客から見たら力負けして大怪我を負いそうなものだが、これは敢えて後ろへ飛ぶことで衝撃を和らげるためだろう。

だが、クレアはその隙を見落としたりはしない。



”闘気操術”のTP消費量を上げ、今度は宙に吹き飛ばされているティーナ目掛けて跳躍した。

そしてティーナの真上を取り、空中で防御態勢が取れず無防備な腹部を剣の峰で叩きつけた。



白銀の鎧のおかげで多少なりの衝撃は緩和されたが、それでもクレアの攻撃と地面に強くぶつかった衝撃には耐えきれなかったようだ。

何かしら内臓が潰れて血を吐き、その場で気絶して動かなくなった。



「そこまで!!勝者、クレア!!」



クレアは手加減しなかったためほんの数秒で決着が着いたが、それでもティーナからしてみれば濃い数秒間だっただろう。

”アイテムボックス”からAランク回復薬を取り出し、ティーナにかけた。

古代文明都市産の材料を使っていたためHPは全回復し、損傷も全て治療できたようだ。



「わ、悪い…やりすぎた…」



「そうだな。起きたらちゃんと謝れよ。」



「おう…」



クレアなりに落ち込んでいるようで、龍人族の尻尾がだらんと地面に着いた。

表情もしょんぼりしており、いつも元気なクレアにしては珍しかった。



「…あの追撃はなかなか良かったぞ。」



「っ!!だろ!?こっそり練習してたんだぜ!!」



「ああ。初見だったら俺も対処が難しかったな。」



「んん…」



「おっ、ティーナ起きたか。」



「悪い!!手加減できなかった!!」



「ああいや…私が油断したのが悪いんだ。気にするな。」



流石は騎士団副団長のティーナだ。

一方的に瞬殺されて普通なら精神に来るものがあるが、大人の対応をしている。



「回復薬感謝する。おかげでもう大丈夫だ。後で騎士団本部から返そう。」



「ああ。それじゃあ再開するか。」



「はいは~い!!次あたしね~!!」



スーも手加減する気はないようで、武器を構えた瞬間から”闘気操術”を行使している。

ティーナはその闘気を受けて一瞬身体を強張らせたが、深呼吸していつも通りに戻った。



「それではスー対ティーナ…試合開始!!」



「いっくよ~!!」



「っ…!!」



まるで音速を超えているのではないかと思わせるほどスーの動きは早く、掛け声をその場に残してティーナへ距離を詰めた。

ティーナは身をよじることで胸部目掛けた突きを何とか回避し、左上段から斬り下ろして反撃した。

しかし、その反撃は空を斬った。



スーは突きが回避されることまで予測していたらしく、剣を左上段に構えた瞬間にティーナの左側を抜けて背後を取ったのだ。

そして振り返ったティーナの首元へ槍を突き付けた。



「そこまで!!勝者スー!!」



「お疲れ~!初撃よく回避したね~」



「偶然だ。しかしスー殿もここまで強かったとは…」



「皆アルフレッドに鍛えられていますからね。次は私です。」



「了解した。」



アイリスは基礎戦闘能力で戦うらしく、”闘気操術”は行使していない。

だがアイリスの戦闘センスはかなり高いため、油断はできない。



「それじゃあアイリス対ティーナ…試合開始!!」



「やぁぁぁぁ!!!!」



”闘気操術”を行使したクレアとスーに比べればそこまでだが、それでも結構な素早さで距離を詰めた。

ティーナは先の2戦を通して目が慣れ始めたらしく、アイリスの高い敏捷性に反応して攻撃を剣で受け止めた。

そして鍔迫り合いの状態で力押しし、アイリスを後方へ跳躍させて距離を取った。



だが、追撃に関してアイリスが一枚上手だった。

アイリスは後ろに跳躍して地面に足が着くと、2本のクナイを投擲すると同時に距離を詰め始めた。



ティーナは向かってくるクナイを打ち落としてアイリスの追撃をどういなすかと考えていたのだろうが、そうではなかった。

アイリスは距離を詰めている途中から全力で敏捷性を発揮し、投擲したクナイを追い越したのだ。

これによってティーナは予想を裏切られて困惑するとともに、アイリスの身体によってクナイとの距離が分からなくなった。



そしてティーナを斬りつける…と思いきや、股下を潜り抜けて背後を取った。

すると、突如ティーナの目の前には2本のクナイが現れた。

ティーナは何とかクナイを弾き落としたが、アイリスが背後から首元へ剣を突き付けた。



「そこまで!!勝者アイリス!!」



「…私の完敗だな。」



「ありがとうございます。…まあアルフレッドには通用しなかったんですけどね。」



「なっ…!?…やはり次元が違うな。」



「つ、次ボクで最後なのです。」



「了解した。騎士団のメンツとしても白星で飾りたいところだな。」



「そうはさせないのです!」



イザベルは今までずっと我慢してうずうずしていたのだろう。

最初から”闘気操術”を全開で行使した。



「それではイザベル対ティーナ…試合開始!!」



「はぁぁぁぁ!!!!!」



今回はティーナが地面を強く蹴り、先制攻撃を仕掛けた。

と思いきや、イザベルも前へ跳躍してティーナとの距離を詰めていた。



勝負は一瞬だった。

イザベルが横一閃を棍棒で防ぎ、そのままティーナごと地面に叩きつけたのだ。

ティーナは激しく地面と激突したことで脳震盪を起こし、武器を落として気絶した。



「そこまで!!勝者イザベル!」



『これはやりすぎだな…叩きつけられたときに鎧も凹んでるし…』



ひとまずティーナに回復薬をかけ、イザベルに軽く説教をした。
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