206 / 246
第206話 第18ダンジョン 模擬戦②
しおりを挟む
「それではクレア対ティーナ…試合開始!!」
「行くぜー--!!!!」
クレアは開始と同時に強く踏み込み、ティーナ目掛けて大きく跳躍した。
その跳躍はウェアウルフ亜種を想起させるほど早く、避けきれないため受け止める選択をしたようだ。
「くっ…!!」
クレアの速攻を真正面から防ぐも、勢いを殺しきれず10mほど後方に吹き飛ばされた。
観客から見たら力負けして大怪我を負いそうなものだが、これは敢えて後ろへ飛ぶことで衝撃を和らげるためだろう。
だが、クレアはその隙を見落としたりはしない。
”闘気操術”のTP消費量を上げ、今度は宙に吹き飛ばされているティーナ目掛けて跳躍した。
そしてティーナの真上を取り、空中で防御態勢が取れず無防備な腹部を剣の峰で叩きつけた。
白銀の鎧のおかげで多少なりの衝撃は緩和されたが、それでもクレアの攻撃と地面に強くぶつかった衝撃には耐えきれなかったようだ。
何かしら内臓が潰れて血を吐き、その場で気絶して動かなくなった。
「そこまで!!勝者、クレア!!」
クレアは手加減しなかったためほんの数秒で決着が着いたが、それでもティーナからしてみれば濃い数秒間だっただろう。
”アイテムボックス”からAランク回復薬を取り出し、ティーナにかけた。
古代文明都市産の材料を使っていたためHPは全回復し、損傷も全て治療できたようだ。
「わ、悪い…やりすぎた…」
「そうだな。起きたらちゃんと謝れよ。」
「おう…」
クレアなりに落ち込んでいるようで、龍人族の尻尾がだらんと地面に着いた。
表情もしょんぼりしており、いつも元気なクレアにしては珍しかった。
「…あの追撃はなかなか良かったぞ。」
「っ!!だろ!?こっそり練習してたんだぜ!!」
「ああ。初見だったら俺も対処が難しかったな。」
「んん…」
「おっ、ティーナ起きたか。」
「悪い!!手加減できなかった!!」
「ああいや…私が油断したのが悪いんだ。気にするな。」
流石は騎士団副団長のティーナだ。
一方的に瞬殺されて普通なら精神に来るものがあるが、大人の対応をしている。
「回復薬感謝する。おかげでもう大丈夫だ。後で騎士団本部から返そう。」
「ああ。それじゃあ再開するか。」
「はいは~い!!次あたしね~!!」
スーも手加減する気はないようで、武器を構えた瞬間から”闘気操術”を行使している。
ティーナはその闘気を受けて一瞬身体を強張らせたが、深呼吸していつも通りに戻った。
「それではスー対ティーナ…試合開始!!」
「いっくよ~!!」
「っ…!!」
まるで音速を超えているのではないかと思わせるほどスーの動きは早く、掛け声をその場に残してティーナへ距離を詰めた。
ティーナは身をよじることで胸部目掛けた突きを何とか回避し、左上段から斬り下ろして反撃した。
しかし、その反撃は空を斬った。
スーは突きが回避されることまで予測していたらしく、剣を左上段に構えた瞬間にティーナの左側を抜けて背後を取ったのだ。
そして振り返ったティーナの首元へ槍を突き付けた。
「そこまで!!勝者スー!!」
「お疲れ~!初撃よく回避したね~」
「偶然だ。しかしスー殿もここまで強かったとは…」
「皆アルフレッドに鍛えられていますからね。次は私です。」
「了解した。」
アイリスは基礎戦闘能力で戦うらしく、”闘気操術”は行使していない。
だがアイリスの戦闘センスはかなり高いため、油断はできない。
「それじゃあアイリス対ティーナ…試合開始!!」
「やぁぁぁぁ!!!!」
”闘気操術”を行使したクレアとスーに比べればそこまでだが、それでも結構な素早さで距離を詰めた。
ティーナは先の2戦を通して目が慣れ始めたらしく、アイリスの高い敏捷性に反応して攻撃を剣で受け止めた。
そして鍔迫り合いの状態で力押しし、アイリスを後方へ跳躍させて距離を取った。
だが、追撃に関してアイリスが一枚上手だった。
アイリスは後ろに跳躍して地面に足が着くと、2本のクナイを投擲すると同時に距離を詰め始めた。
ティーナは向かってくるクナイを打ち落としてアイリスの追撃をどういなすかと考えていたのだろうが、そうではなかった。
アイリスは距離を詰めている途中から全力で敏捷性を発揮し、投擲したクナイを追い越したのだ。
これによってティーナは予想を裏切られて困惑するとともに、アイリスの身体によってクナイとの距離が分からなくなった。
そしてティーナを斬りつける…と思いきや、股下を潜り抜けて背後を取った。
すると、突如ティーナの目の前には2本のクナイが現れた。
ティーナは何とかクナイを弾き落としたが、アイリスが背後から首元へ剣を突き付けた。
「そこまで!!勝者アイリス!!」
「…私の完敗だな。」
「ありがとうございます。…まあアルフレッドには通用しなかったんですけどね。」
「なっ…!?…やはり次元が違うな。」
「つ、次ボクで最後なのです。」
「了解した。騎士団のメンツとしても白星で飾りたいところだな。」
「そうはさせないのです!」
イザベルは今までずっと我慢してうずうずしていたのだろう。
最初から”闘気操術”を全開で行使した。
「それではイザベル対ティーナ…試合開始!!」
「はぁぁぁぁ!!!!!」
今回はティーナが地面を強く蹴り、先制攻撃を仕掛けた。
と思いきや、イザベルも前へ跳躍してティーナとの距離を詰めていた。
勝負は一瞬だった。
イザベルが横一閃を棍棒で防ぎ、そのままティーナごと地面に叩きつけたのだ。
ティーナは激しく地面と激突したことで脳震盪を起こし、武器を落として気絶した。
「そこまで!!勝者イザベル!」
『これはやりすぎだな…叩きつけられたときに鎧も凹んでるし…』
ひとまずティーナに回復薬をかけ、イザベルに軽く説教をした。
「行くぜー--!!!!」
クレアは開始と同時に強く踏み込み、ティーナ目掛けて大きく跳躍した。
その跳躍はウェアウルフ亜種を想起させるほど早く、避けきれないため受け止める選択をしたようだ。
「くっ…!!」
クレアの速攻を真正面から防ぐも、勢いを殺しきれず10mほど後方に吹き飛ばされた。
観客から見たら力負けして大怪我を負いそうなものだが、これは敢えて後ろへ飛ぶことで衝撃を和らげるためだろう。
だが、クレアはその隙を見落としたりはしない。
”闘気操術”のTP消費量を上げ、今度は宙に吹き飛ばされているティーナ目掛けて跳躍した。
そしてティーナの真上を取り、空中で防御態勢が取れず無防備な腹部を剣の峰で叩きつけた。
白銀の鎧のおかげで多少なりの衝撃は緩和されたが、それでもクレアの攻撃と地面に強くぶつかった衝撃には耐えきれなかったようだ。
何かしら内臓が潰れて血を吐き、その場で気絶して動かなくなった。
「そこまで!!勝者、クレア!!」
クレアは手加減しなかったためほんの数秒で決着が着いたが、それでもティーナからしてみれば濃い数秒間だっただろう。
”アイテムボックス”からAランク回復薬を取り出し、ティーナにかけた。
古代文明都市産の材料を使っていたためHPは全回復し、損傷も全て治療できたようだ。
「わ、悪い…やりすぎた…」
「そうだな。起きたらちゃんと謝れよ。」
「おう…」
クレアなりに落ち込んでいるようで、龍人族の尻尾がだらんと地面に着いた。
表情もしょんぼりしており、いつも元気なクレアにしては珍しかった。
「…あの追撃はなかなか良かったぞ。」
「っ!!だろ!?こっそり練習してたんだぜ!!」
「ああ。初見だったら俺も対処が難しかったな。」
「んん…」
「おっ、ティーナ起きたか。」
「悪い!!手加減できなかった!!」
「ああいや…私が油断したのが悪いんだ。気にするな。」
流石は騎士団副団長のティーナだ。
一方的に瞬殺されて普通なら精神に来るものがあるが、大人の対応をしている。
「回復薬感謝する。おかげでもう大丈夫だ。後で騎士団本部から返そう。」
「ああ。それじゃあ再開するか。」
「はいは~い!!次あたしね~!!」
スーも手加減する気はないようで、武器を構えた瞬間から”闘気操術”を行使している。
ティーナはその闘気を受けて一瞬身体を強張らせたが、深呼吸していつも通りに戻った。
「それではスー対ティーナ…試合開始!!」
「いっくよ~!!」
「っ…!!」
まるで音速を超えているのではないかと思わせるほどスーの動きは早く、掛け声をその場に残してティーナへ距離を詰めた。
ティーナは身をよじることで胸部目掛けた突きを何とか回避し、左上段から斬り下ろして反撃した。
しかし、その反撃は空を斬った。
スーは突きが回避されることまで予測していたらしく、剣を左上段に構えた瞬間にティーナの左側を抜けて背後を取ったのだ。
そして振り返ったティーナの首元へ槍を突き付けた。
「そこまで!!勝者スー!!」
「お疲れ~!初撃よく回避したね~」
「偶然だ。しかしスー殿もここまで強かったとは…」
「皆アルフレッドに鍛えられていますからね。次は私です。」
「了解した。」
アイリスは基礎戦闘能力で戦うらしく、”闘気操術”は行使していない。
だがアイリスの戦闘センスはかなり高いため、油断はできない。
「それじゃあアイリス対ティーナ…試合開始!!」
「やぁぁぁぁ!!!!」
”闘気操術”を行使したクレアとスーに比べればそこまでだが、それでも結構な素早さで距離を詰めた。
ティーナは先の2戦を通して目が慣れ始めたらしく、アイリスの高い敏捷性に反応して攻撃を剣で受け止めた。
そして鍔迫り合いの状態で力押しし、アイリスを後方へ跳躍させて距離を取った。
だが、追撃に関してアイリスが一枚上手だった。
アイリスは後ろに跳躍して地面に足が着くと、2本のクナイを投擲すると同時に距離を詰め始めた。
ティーナは向かってくるクナイを打ち落としてアイリスの追撃をどういなすかと考えていたのだろうが、そうではなかった。
アイリスは距離を詰めている途中から全力で敏捷性を発揮し、投擲したクナイを追い越したのだ。
これによってティーナは予想を裏切られて困惑するとともに、アイリスの身体によってクナイとの距離が分からなくなった。
そしてティーナを斬りつける…と思いきや、股下を潜り抜けて背後を取った。
すると、突如ティーナの目の前には2本のクナイが現れた。
ティーナは何とかクナイを弾き落としたが、アイリスが背後から首元へ剣を突き付けた。
「そこまで!!勝者アイリス!!」
「…私の完敗だな。」
「ありがとうございます。…まあアルフレッドには通用しなかったんですけどね。」
「なっ…!?…やはり次元が違うな。」
「つ、次ボクで最後なのです。」
「了解した。騎士団のメンツとしても白星で飾りたいところだな。」
「そうはさせないのです!」
イザベルは今までずっと我慢してうずうずしていたのだろう。
最初から”闘気操術”を全開で行使した。
「それではイザベル対ティーナ…試合開始!!」
「はぁぁぁぁ!!!!!」
今回はティーナが地面を強く蹴り、先制攻撃を仕掛けた。
と思いきや、イザベルも前へ跳躍してティーナとの距離を詰めていた。
勝負は一瞬だった。
イザベルが横一閃を棍棒で防ぎ、そのままティーナごと地面に叩きつけたのだ。
ティーナは激しく地面と激突したことで脳震盪を起こし、武器を落として気絶した。
「そこまで!!勝者イザベル!」
『これはやりすぎだな…叩きつけられたときに鎧も凹んでるし…』
ひとまずティーナに回復薬をかけ、イザベルに軽く説教をした。
0
あなたにおすすめの小説
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -
花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。
魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。
十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。
俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。
モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。
アーティファクトコレクター -異世界と転生とお宝と-
一星
ファンタジー
至って普通のサラリーマン、松平善は車に跳ねられ死んでしまう。気が付くとそこはダンジョンの中。しかも体は子供になっている!? スキル? ステータス? なんだそれ。ゲームの様な仕組みがある異世界で生き返ったは良いが、こんな状況むごいよ神様。
ダンジョン攻略をしたり、ゴブリンたちを支配したり、戦争に参加したり、鳩を愛でたりする物語です。
基本ゆったり進行で話が進みます。
四章後半ごろから主人公無双が多くなり、その後は人間では最強になります。
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
異世界召喚に巻き込まれたのでダンジョンマスターにしてもらいました
まったりー
ファンタジー
何処にでもいるような平凡な社会人の主人公がある日、宝くじを当てた。
ウキウキしながら銀行に手続きをして家に帰る為、いつもは乗らないバスに乗ってしばらくしたら変な空間にいました。
変な空間にいたのは主人公だけ、そこに現れた青年に説明され異世界召喚に巻き込まれ、もう戻れないことを告げられます。
その青年の計らいで恩恵を貰うことになりましたが、主人公のやりたいことと言うのがゲームで良くやっていたダンジョン物と牧場経営くらいでした。
恩恵はダンジョンマスターにしてもらうことにし、ダンジョンを作りますが普通の物でなくゲームの中にあった、中に入ると構造を変えるダンジョンを作れないかと模索し作る事に成功します。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる