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第222話 グリフィン伯爵家 決着
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『…前言撤回。全然勝機が見えてこない…』
あれから相手の攻撃を3セット繰り返し、全てのクールタイムが5分であることは把握した。
そして触手は両手剣Lv.10”アトミックスターダスト”、斬撃は両手剣Lv.9”ノヴァディザスター”のスキルチェインで相殺できることが分かった。
だが、どれだけ試してもあの薄白い障壁を抜けて伯爵に攻撃することができないのだ。
片手剣も、槍も、弓も、棍棒も、体術も全て攻撃が通らない。
新遺跡で見つけたSSSランク武器をフル活用してもダメだった。
「ラーヴァナ、斬撃だ!!」
「ちっ!!」
このままではジリ貧だ。
増幅薬のおかげでTPは常人より遥かに多いとはいえ、使い続ければいずれ尽きる時が来る。
それに師範の訓練で長時間の戦闘には慣れているが、精神力がいつまで持つかという問題もある。
伯爵も精神力が擦り減り始めたようだが、力の行使自体は悪魔が行っているらしく隙が無い。
師範と同じく、”弱点探知”を行使しても反応が現れないのだ。
『もう1回”鑑定”して弱点を探してみるか。』
名前 アーランド=グリフィン 種族 人間 Lv.21 135
HP 11,000/11,000 TP 8,100/8,100
STR 30 VIT 20 DEX 30 AGI 10 INT 15 LUK 20
スキル
片手剣Lv.1 短剣Lv.1
ユニークスキル
悪魔召喚 悪魔使役
『やっぱり見つからないよな…思いついたことを全部やってみるしかないか。』
「パズズ、炎だ!!」
俺は炎風で攻撃されながら十何年前のゲームの記憶を呼び起こした。
この世界には悪魔の情報がほとんどないためだ。
ぱっと思いつく悪魔の弱点は聖なる光、聖水、聖女の祈りの3つくらいだ。
聖なる光を放つ魔道具は所持していないし、聖水も持っていない。
『…いや、そういえばポーションが聖水の代わりになってる作品もあったな。回復薬で試してみるか。』
”アイテムボックス”からHP回復薬、TP回復薬、状態異常回復薬を取り出して順番に投げつけた。
結論から言うと、ことごとく失敗に終わった。
伯爵は絶対防御の障壁を過信して回復薬を避けずに防御したが、飛び道具による攻撃と大差なかった。
『回復薬じゃダメか。アンデッドには通用するかもしれないし今度試してみるか…』
「アンリマユ、奴に災いを!!」
今度は極寒の吹雪と禍々しい黒い靄の中で思考を続ける。
残るは聖女の祈りだけなのだが、この世界に神官はいても浄化魔法や回復魔法は存在しない。
それにこの戦場に神官を連れてくる余裕もない。
『…いや、いるじゃないか!!仲間に強力な回復スキル持ちが!!』
そう、どんな怪我や状態異常でも回復できる”神の御加護”を持つイザベルが。
”生命探知”と”鑑定”を駆使してイザベルの反応を探していると、1つこちらへ近づいてくる個体の反応があった。
「加勢するのです!!」
「イザベル…!!良いところに来た!!」
「何をすればいいのです?」
「次は洗脳攻撃が来る。薄紫色のもやもやした光線だ。距離を取ってそれを回避したら、伯爵の周囲にある障壁に”神の御加護”を行使してみてくれ。」
「はいなのです!!」
唯一障壁を無効化できる可能性を持つイザベルを洗脳されるわけにはいかない。
イザベルに”偽装”系スキルを全力で行使して後方30m付近の瓦礫の裏まで隠れさせた。
「イブリース、洗脳だ!!」
伯爵の真上から放たれる薄紫色のもやもやした洗脳光線は今まで通り俺に向かって放たれた。
それを”状態異常無効”で無効化し、同時にイザベルにかけた”偽装”スキルを解除した。
「イザベル、今だ!!!!」
「はいなのです!!」
イザベルは30m後方で棍棒を前に持ち、片膝をついて祈祷を始めた。
これは第18ダンジョンのボス部屋で実験した成果だ。
”神の御加護”の発動範囲はイザベルの知覚範囲、つまり”闘気操術”で強化された半径約100mである。
『なんだ?空が…』
イザベルが祈りを捧げて僅か数秒後、今まで曇っていた空から一筋の美しい光が差し込んだ。
その光が伯爵とその周囲を包み込むと、それはまさに阿鼻叫喚の地獄絵図だった。
伯爵の周囲にうめき声をあげる禍々しく醜い悪魔たちの姿が現れたのだ。
鷲の足にライオンの身体、鳥の翼を持つまるでグリフォンを人型にしたような二足歩行の悪魔。
大量の頭と腕に銅色の目、鋭く白い歯を持ち筋肉が隆起した青白い巨体の悪魔。
顔も手足もなく、代わりに大量の触手が伸びている緑色の悪魔など計6体だ。
それらは”神の御加護”による聖なる光を浴び、黒い煙を上げながら身体が溶けていく。
伯爵の”悪魔使役”により、逃げようにも契約を破棄できず逃げられないらしい。
地獄絵図が広がってから数分
悪魔たちは完全に浄化され、その禍々しい姿を消した。
「そ、そんな馬鹿な…!!ぼくちんの悪魔たちが…」
伯爵はあまりの出来事にショックを受けたのか、その場で膝から崩れ落ちた。
今まで他人を見下していた自信満々な目は死んだ魚のような腐った目に変わっている。
そして薄く残っていた髪の毛がスルスルと抜け落ち、完全になくなった。
あれから相手の攻撃を3セット繰り返し、全てのクールタイムが5分であることは把握した。
そして触手は両手剣Lv.10”アトミックスターダスト”、斬撃は両手剣Lv.9”ノヴァディザスター”のスキルチェインで相殺できることが分かった。
だが、どれだけ試してもあの薄白い障壁を抜けて伯爵に攻撃することができないのだ。
片手剣も、槍も、弓も、棍棒も、体術も全て攻撃が通らない。
新遺跡で見つけたSSSランク武器をフル活用してもダメだった。
「ラーヴァナ、斬撃だ!!」
「ちっ!!」
このままではジリ貧だ。
増幅薬のおかげでTPは常人より遥かに多いとはいえ、使い続ければいずれ尽きる時が来る。
それに師範の訓練で長時間の戦闘には慣れているが、精神力がいつまで持つかという問題もある。
伯爵も精神力が擦り減り始めたようだが、力の行使自体は悪魔が行っているらしく隙が無い。
師範と同じく、”弱点探知”を行使しても反応が現れないのだ。
『もう1回”鑑定”して弱点を探してみるか。』
名前 アーランド=グリフィン 種族 人間 Lv.21 135
HP 11,000/11,000 TP 8,100/8,100
STR 30 VIT 20 DEX 30 AGI 10 INT 15 LUK 20
スキル
片手剣Lv.1 短剣Lv.1
ユニークスキル
悪魔召喚 悪魔使役
『やっぱり見つからないよな…思いついたことを全部やってみるしかないか。』
「パズズ、炎だ!!」
俺は炎風で攻撃されながら十何年前のゲームの記憶を呼び起こした。
この世界には悪魔の情報がほとんどないためだ。
ぱっと思いつく悪魔の弱点は聖なる光、聖水、聖女の祈りの3つくらいだ。
聖なる光を放つ魔道具は所持していないし、聖水も持っていない。
『…いや、そういえばポーションが聖水の代わりになってる作品もあったな。回復薬で試してみるか。』
”アイテムボックス”からHP回復薬、TP回復薬、状態異常回復薬を取り出して順番に投げつけた。
結論から言うと、ことごとく失敗に終わった。
伯爵は絶対防御の障壁を過信して回復薬を避けずに防御したが、飛び道具による攻撃と大差なかった。
『回復薬じゃダメか。アンデッドには通用するかもしれないし今度試してみるか…』
「アンリマユ、奴に災いを!!」
今度は極寒の吹雪と禍々しい黒い靄の中で思考を続ける。
残るは聖女の祈りだけなのだが、この世界に神官はいても浄化魔法や回復魔法は存在しない。
それにこの戦場に神官を連れてくる余裕もない。
『…いや、いるじゃないか!!仲間に強力な回復スキル持ちが!!』
そう、どんな怪我や状態異常でも回復できる”神の御加護”を持つイザベルが。
”生命探知”と”鑑定”を駆使してイザベルの反応を探していると、1つこちらへ近づいてくる個体の反応があった。
「加勢するのです!!」
「イザベル…!!良いところに来た!!」
「何をすればいいのです?」
「次は洗脳攻撃が来る。薄紫色のもやもやした光線だ。距離を取ってそれを回避したら、伯爵の周囲にある障壁に”神の御加護”を行使してみてくれ。」
「はいなのです!!」
唯一障壁を無効化できる可能性を持つイザベルを洗脳されるわけにはいかない。
イザベルに”偽装”系スキルを全力で行使して後方30m付近の瓦礫の裏まで隠れさせた。
「イブリース、洗脳だ!!」
伯爵の真上から放たれる薄紫色のもやもやした洗脳光線は今まで通り俺に向かって放たれた。
それを”状態異常無効”で無効化し、同時にイザベルにかけた”偽装”スキルを解除した。
「イザベル、今だ!!!!」
「はいなのです!!」
イザベルは30m後方で棍棒を前に持ち、片膝をついて祈祷を始めた。
これは第18ダンジョンのボス部屋で実験した成果だ。
”神の御加護”の発動範囲はイザベルの知覚範囲、つまり”闘気操術”で強化された半径約100mである。
『なんだ?空が…』
イザベルが祈りを捧げて僅か数秒後、今まで曇っていた空から一筋の美しい光が差し込んだ。
その光が伯爵とその周囲を包み込むと、それはまさに阿鼻叫喚の地獄絵図だった。
伯爵の周囲にうめき声をあげる禍々しく醜い悪魔たちの姿が現れたのだ。
鷲の足にライオンの身体、鳥の翼を持つまるでグリフォンを人型にしたような二足歩行の悪魔。
大量の頭と腕に銅色の目、鋭く白い歯を持ち筋肉が隆起した青白い巨体の悪魔。
顔も手足もなく、代わりに大量の触手が伸びている緑色の悪魔など計6体だ。
それらは”神の御加護”による聖なる光を浴び、黒い煙を上げながら身体が溶けていく。
伯爵の”悪魔使役”により、逃げようにも契約を破棄できず逃げられないらしい。
地獄絵図が広がってから数分
悪魔たちは完全に浄化され、その禍々しい姿を消した。
「そ、そんな馬鹿な…!!ぼくちんの悪魔たちが…」
伯爵はあまりの出来事にショックを受けたのか、その場で膝から崩れ落ちた。
今まで他人を見下していた自信満々な目は死んだ魚のような腐った目に変わっている。
そして薄く残っていた髪の毛がスルスルと抜け落ち、完全になくなった。
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