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第228話 第4ダンジョン 50層ボス戦
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それから20層、30層、40層と数時間で順調に攻略していった。
訓練がてら全てのボス戦をソフィア1人に任せたのだが、物事の吸収速度が途轍もなく早い。
3回目にして敵を仕留める一瞬だけ的確に”闘気操術”を行使できるようになった。
『もしかしたらTP循環効率100%も達成できるんじゃないか…!?そしたらもっと強くなるな…』
そんなことを考えながら41層に上がると、”生命探知”に冒険者や採掘家と思われる反応が現れた。
この辺りはまだ比較的魔物が弱く、かつ鉱石が掘り尽くされていないからだ。
採掘家は階段へ続くルートでは邪魔になるので採掘しないという暗黙のルールがあり、この層にいる者はしっかり守っているようだ。
2人組の冒険者は間違った道を進んで正規ルートからだいぶ離れているようだ。
「他に人がいるな。ここからは普通に攻略しよう。」
「よっしゃ!!」
クレア達は先程から早く身体を動かしたいと不貞腐れていたのだ。
走って階段を上ってソフィアの戦闘を観察するというお預け状態だったからだろう。
ここからは全員で走りながら魔物を倒す高速戦闘で攻略することにしよう。
高速戦闘と言っても敵を見つけたら1番近くにいる人が仕留めるだけで、もぐら叩きを複数人でやっているイメージだ。
「隊列は今まで通りクレアとアイリスが前衛、スーが中衛、俺とイザベルとソフィアが後衛だ。」
「りょうか~い!!」
方針が決まったので”構造探知”でこの階層の構造を把握し、最短ルートを導き出す。
迷路のようになっているが正しいルートは1つだけなのでそれほど難しくはない。
加えて”罠探知”と”魔物探知”で道中に気を付ける点を把握する。
「…よし、行くぞ!」
走り始めて数分もしないうちに1体の魔物と接敵した。
この層の魔物はCランク魔物のケイブマンティス。
体長2mほどの巨大カマキリで、その鎌は鉄の防具を簡単に貫くという。
「皆様、鎌にお気を…」
「何か言ったか!?」
「いえ、何でもございません。」
ソフィアはパーティーハウスで待っている間、戦闘訓練だけではなくサポーターとして必要になる魔物やアイテムの知識も勉強していたという。
ケイブマンティスについての情報を話そうとしたのだろうが、その前にクレアが瞬殺してしまった。
俺なら多少なり凹むところだが、ソフィアはすぐに気を取り直してサポーターとして魔石回収をした。
だがその無表情の中に、どこか寂しそうな雰囲気が漂っている。
『…ちょっとかわいそうだな。』
それから俺が狙撃で罠を無効化し、接敵した魔物を近くにいた人が瞬殺して50層ボス前に到着した。
大型ダンジョンは50層ごとに1つの節目となっており、ボスになかなか苦戦するという。
特に50層は100層、150層と比べても圧倒的に死者数が多い。
「今回は連携の様子見がてら俺を除いた5人で戦ってもらう。準備はいいか?」
「おう!」
「それじゃあ開けるぞ。」
”偽装”を行使して自身の姿を隠し、ゴゴゴゴと少しだけ装飾品のついた石製の扉を開けて中に入った。
そこは今までのボス部屋同様、全方位の壁に掛けられた松明によって照らされた広めの空間だった。
俺はTPで最大強化した目でも”気配探知”でも分かるが、5人はボスの姿を見つけられないようだ。
「おい、ボスが居ないぞ!?」
「50層のボスはAランクのインビジブルマンティス…攻撃時以外は透明になる性質を持っております!!」
「流石ソフィア~!!」
「恐縮です。」
そう、これが50層の死者数が圧倒的に多い原因である。
冒険者達は事前情報で敵の存在を知りつつも、インビジブルマンティスを補足できず全滅するのだ。
将来有望と言われた者も100年に1度の天才と呼ばれた者も、あっけなくここで死んだ。
「じ、実態はあるのです?」
「はい。ですので全方向へ攻撃し…」
「そこですっ!!」
アイリスの耳がピクンッ!と動くと左斜め前へクナイを投擲した。
クナイを投げたクレアの約7m先からキシャァァァ!!!という声が聞こえた。
流石は白狼族と言うべきか、気配に人一倍鋭いアイリスはTPで目を強化せずにインビジブルマンティスを補足したようだ。
『凄いな…あとはもう大丈夫そうだな。』
インビジブルマンティスは自身の姿を透明化できても、流れる血までは透明化できない。
なのでここ50層の攻略法は敵に1撃当たるまでただひたすら全方向に攻撃し、流血を辿って仕留めるというものである。
両手剣Lv.10を習得している者は”アトミックスターダスト”1撃で片が付くが、滅多にいないのでそれは記されていない。
スーの指示で即座に追撃を開始した。
クレアとアイリスが鎌をパリィした間にスーが胴体を突くが、虫系魔物は生命力が高いため死なない。
するとインビジブルマンティスの背後からすっとソフィアが姿を現し、首を斬り落とした。
「ソフィアないす~!!」
「助かったぜ!!!」
「ソフィアが居てくれて良かったです。」
「ありがとうございます。」
普段から仲良く一緒に暮らしているだけあって、連携は流石のものだった。
これならソフィアをサポーターとして同行しても全く問題ないだろう。
『ソフィアはダンジョン初攻略だしあとでお祝いに好物でも買って帰るか。』
商会近くにあるスイーツ店の常連で、特にそこのチーズケーキを月に1度は食べているという。
ソフィアにだけ買ったら4人が不貞腐れるので全員分買って帰ることにしよう。
訓練がてら全てのボス戦をソフィア1人に任せたのだが、物事の吸収速度が途轍もなく早い。
3回目にして敵を仕留める一瞬だけ的確に”闘気操術”を行使できるようになった。
『もしかしたらTP循環効率100%も達成できるんじゃないか…!?そしたらもっと強くなるな…』
そんなことを考えながら41層に上がると、”生命探知”に冒険者や採掘家と思われる反応が現れた。
この辺りはまだ比較的魔物が弱く、かつ鉱石が掘り尽くされていないからだ。
採掘家は階段へ続くルートでは邪魔になるので採掘しないという暗黙のルールがあり、この層にいる者はしっかり守っているようだ。
2人組の冒険者は間違った道を進んで正規ルートからだいぶ離れているようだ。
「他に人がいるな。ここからは普通に攻略しよう。」
「よっしゃ!!」
クレア達は先程から早く身体を動かしたいと不貞腐れていたのだ。
走って階段を上ってソフィアの戦闘を観察するというお預け状態だったからだろう。
ここからは全員で走りながら魔物を倒す高速戦闘で攻略することにしよう。
高速戦闘と言っても敵を見つけたら1番近くにいる人が仕留めるだけで、もぐら叩きを複数人でやっているイメージだ。
「隊列は今まで通りクレアとアイリスが前衛、スーが中衛、俺とイザベルとソフィアが後衛だ。」
「りょうか~い!!」
方針が決まったので”構造探知”でこの階層の構造を把握し、最短ルートを導き出す。
迷路のようになっているが正しいルートは1つだけなのでそれほど難しくはない。
加えて”罠探知”と”魔物探知”で道中に気を付ける点を把握する。
「…よし、行くぞ!」
走り始めて数分もしないうちに1体の魔物と接敵した。
この層の魔物はCランク魔物のケイブマンティス。
体長2mほどの巨大カマキリで、その鎌は鉄の防具を簡単に貫くという。
「皆様、鎌にお気を…」
「何か言ったか!?」
「いえ、何でもございません。」
ソフィアはパーティーハウスで待っている間、戦闘訓練だけではなくサポーターとして必要になる魔物やアイテムの知識も勉強していたという。
ケイブマンティスについての情報を話そうとしたのだろうが、その前にクレアが瞬殺してしまった。
俺なら多少なり凹むところだが、ソフィアはすぐに気を取り直してサポーターとして魔石回収をした。
だがその無表情の中に、どこか寂しそうな雰囲気が漂っている。
『…ちょっとかわいそうだな。』
それから俺が狙撃で罠を無効化し、接敵した魔物を近くにいた人が瞬殺して50層ボス前に到着した。
大型ダンジョンは50層ごとに1つの節目となっており、ボスになかなか苦戦するという。
特に50層は100層、150層と比べても圧倒的に死者数が多い。
「今回は連携の様子見がてら俺を除いた5人で戦ってもらう。準備はいいか?」
「おう!」
「それじゃあ開けるぞ。」
”偽装”を行使して自身の姿を隠し、ゴゴゴゴと少しだけ装飾品のついた石製の扉を開けて中に入った。
そこは今までのボス部屋同様、全方位の壁に掛けられた松明によって照らされた広めの空間だった。
俺はTPで最大強化した目でも”気配探知”でも分かるが、5人はボスの姿を見つけられないようだ。
「おい、ボスが居ないぞ!?」
「50層のボスはAランクのインビジブルマンティス…攻撃時以外は透明になる性質を持っております!!」
「流石ソフィア~!!」
「恐縮です。」
そう、これが50層の死者数が圧倒的に多い原因である。
冒険者達は事前情報で敵の存在を知りつつも、インビジブルマンティスを補足できず全滅するのだ。
将来有望と言われた者も100年に1度の天才と呼ばれた者も、あっけなくここで死んだ。
「じ、実態はあるのです?」
「はい。ですので全方向へ攻撃し…」
「そこですっ!!」
アイリスの耳がピクンッ!と動くと左斜め前へクナイを投擲した。
クナイを投げたクレアの約7m先からキシャァァァ!!!という声が聞こえた。
流石は白狼族と言うべきか、気配に人一倍鋭いアイリスはTPで目を強化せずにインビジブルマンティスを補足したようだ。
『凄いな…あとはもう大丈夫そうだな。』
インビジブルマンティスは自身の姿を透明化できても、流れる血までは透明化できない。
なのでここ50層の攻略法は敵に1撃当たるまでただひたすら全方向に攻撃し、流血を辿って仕留めるというものである。
両手剣Lv.10を習得している者は”アトミックスターダスト”1撃で片が付くが、滅多にいないのでそれは記されていない。
スーの指示で即座に追撃を開始した。
クレアとアイリスが鎌をパリィした間にスーが胴体を突くが、虫系魔物は生命力が高いため死なない。
するとインビジブルマンティスの背後からすっとソフィアが姿を現し、首を斬り落とした。
「ソフィアないす~!!」
「助かったぜ!!!」
「ソフィアが居てくれて良かったです。」
「ありがとうございます。」
普段から仲良く一緒に暮らしているだけあって、連携は流石のものだった。
これならソフィアをサポーターとして同行しても全く問題ないだろう。
『ソフィアはダンジョン初攻略だしあとでお祝いに好物でも買って帰るか。』
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