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第239話 第4ダンジョン 遭遇
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「なぁなぁ、ちょっとだけ味見しないか!?」
「賛成~!!」
「ダ、ダメなのです!帰ってからなのです!!」
「そうですよ!そのまま食べるよりソフィアにスイーツを作ってもらってからの方が絶対美味しいです!」
「じゃあ蜂蜜舐めたくないの~?」
「そ、それは…」
『はぁ…一応俺はパーティーリーダーなんだがなぁ…』
いくら俺が所有する”アイテムボックス”のユニークスキルは魔石を拾わずとも手をかざすだけで収納できるとは言え、100個以上ある魔石の回収を俺一人に任せるのは流石に酷いと思う。
ソフィアが居たらサポーターとして率先して回収してくれたことだろう。
「回収終わったぞ。」
「ありがとうございます。」
「お疲れ様なのです!」
「じゃあ攻略再開するぞ。」
「おう!」
110層の記録の扉を登録し、気を取り直して111層に上がった。
いつも通り”構造探知”と”魔物探知”、”罠探知”を行使すると何やらおかしな点があった。
魔物と罠が低層並みに少なく、その上壁が所々抉れていたのだ。
しかも壁の損傷があるのは112層へ続く道のみである。
「…最悪だ。」
「どうしたの~?」
「ほぼ間違いなく”深淵を覗く者”がこの先にいるな…」
「彼らの出発は明日では…?」
「俺達に先を越されないように予定を早めたんだろうな。」
「…ひとまず追いつこうぜ!」
「そうだな。魔物も罠もまだ再生してないしそう遠くないはずだ。」
「急ぎましょう。」
急いで進んだ結果、僅か十数分で112層に到着した。
魔物は十数体と接敵したが、罠の方は2つしかなかった。
”深淵を覗く者”は力業で罠破壊するらしく、破損が酷いおかげで修復に時間がかかっていたようだ。
「…アルフレッド、お願いします。」
「ああ。」
再び”探知”系スキルを行使するも、”深淵を覗く者”の反応は現れない。
今回もまた少数の魔物と罠、抉れた道だけである。
先程と同様に魔物と罠がほぼ駆除された道を通り、十数分で113層に到達した。
「…ここまで簡単に進めると何だか高位冒険者に寄生しているみたいで嫌ですね。」
「同感だ。…だがそれもこの層で終わりだ。」
「おぉ!!見つかったのか!?」
「ああ。約60m先にエルフ種の反応が6つある。今は…交戦中だな。」
「は、早く追いつくのです!」
「ああ。」
警戒しつつ進んでいくが、何かがおかしい。
交戦中であるはずなのに剣戟の音は聞こえず、それどころか不気味なほど静まり返っている。
もう1度”気配探知”で6人の反応を確認すると、死んではいないがその場で1歩も動かない。
『状態異常にでもやられたか?いや、だがSランクパーティーがそんなことには…』
何やら嫌な予感がする。
古代文明都市でドラゴンと対峙したときに感じたものと似ている。
もし本当にSランク冒険者6人が罹っているのだとすれば、クレア達もほぼ確実に状態異常に罹るだろう。
「…少し様子を見てくる。4人はここで待機してくれ。」
「どうしてだよ?」
「…”深淵を覗く者”が全滅する可能性がある。」
「なっ…!!本当ですか!?」
「ああ。スー、指揮を頼んだ。」
「りょ~かい。気を付けてね。」
”気配探知”と”魔物探知”によると、”深淵を覗く者”は2体の巨大な魔物に挟まれて動かない。
”鑑定”によると、魔物はSランクのコカトリスとAランクのアルラウネであるようだ。
コカトリスはアルラウネの球根を好んで捕食するため犬猿の仲のはずなのだが、ダンジョン内で自然法則も変わったのだろうか?
どちらも知力がそれなりに高いため、おそらく協力する方が良いと判断したのだろう。
コカトリスはAランク魔物メデューサの特殊進化個体で、鶏の胴体に蛇の尻尾を持つ魔物である。
目が合えば石化し、吐く息を吸えば猛毒を受け、さらに尾の蛇に噛まれれば麻痺してしまう。
1度何らかの状態異常に罹れば、他の状態異常も喰らってじわじわとHPを削り殺される。
アルラウネは人型の球根に大きな葉と花を持つ植物系魔物である。
花粉には幻惑効果があり、アルラウネがそれぞれの対象の大切な人に見えるという。
その甘言に惑わされて捕まれば、生きた養分貯蔵庫として死ぬまで生命力を吸い取られる。
『確かに厄介だな…まぁ俺に状態異常は効かないが。』
そんなことを考えながら移動していると、今まさに”深淵を覗く者”が養分貯蔵庫としてアルラウネの身体の一部になりそうな現場に到着した。
どうやら石化したら養分が吸えないため、6人は麻痺と幻惑だけ受けているようだ。
俺は即座に両手剣Lv.9”ノヴァディザスター”を行使し、6人を掴むアルラウネの触手を斬りおとした。
2体は俺に気付くや否や、毒息や幻惑など複数の状態異常攻撃を繰り広げた。
対する俺はそれらの攻撃を完全に無視して距離を詰めていく。
そしてコカトリスが間合いに入ったところで両手剣Lv.2”ドライクロ―”を行使して三枚おろしにし、そのまま両手剣Lv.6”ジェットスマッシュ”にスキルチェインしてアルラウネを粉砕した。
『ヴォルガノフに飲ませるのは癪だが…仕方ない。』
そんなことを思いながら”アイテムボックス”から状態異常回復薬を取り出し、6人に飲ませた。
全員流石は眉目秀麗なエルフ種だけあって、美男美女の集まりだった。
容姿端麗なSランクパーティーともなれば、民衆にファンが多いのも納得だ。
『さて…ひとまず4人と合流して目を覚ますまでここで待機するか。』
「賛成~!!」
「ダ、ダメなのです!帰ってからなのです!!」
「そうですよ!そのまま食べるよりソフィアにスイーツを作ってもらってからの方が絶対美味しいです!」
「じゃあ蜂蜜舐めたくないの~?」
「そ、それは…」
『はぁ…一応俺はパーティーリーダーなんだがなぁ…』
いくら俺が所有する”アイテムボックス”のユニークスキルは魔石を拾わずとも手をかざすだけで収納できるとは言え、100個以上ある魔石の回収を俺一人に任せるのは流石に酷いと思う。
ソフィアが居たらサポーターとして率先して回収してくれたことだろう。
「回収終わったぞ。」
「ありがとうございます。」
「お疲れ様なのです!」
「じゃあ攻略再開するぞ。」
「おう!」
110層の記録の扉を登録し、気を取り直して111層に上がった。
いつも通り”構造探知”と”魔物探知”、”罠探知”を行使すると何やらおかしな点があった。
魔物と罠が低層並みに少なく、その上壁が所々抉れていたのだ。
しかも壁の損傷があるのは112層へ続く道のみである。
「…最悪だ。」
「どうしたの~?」
「ほぼ間違いなく”深淵を覗く者”がこの先にいるな…」
「彼らの出発は明日では…?」
「俺達に先を越されないように予定を早めたんだろうな。」
「…ひとまず追いつこうぜ!」
「そうだな。魔物も罠もまだ再生してないしそう遠くないはずだ。」
「急ぎましょう。」
急いで進んだ結果、僅か十数分で112層に到着した。
魔物は十数体と接敵したが、罠の方は2つしかなかった。
”深淵を覗く者”は力業で罠破壊するらしく、破損が酷いおかげで修復に時間がかかっていたようだ。
「…アルフレッド、お願いします。」
「ああ。」
再び”探知”系スキルを行使するも、”深淵を覗く者”の反応は現れない。
今回もまた少数の魔物と罠、抉れた道だけである。
先程と同様に魔物と罠がほぼ駆除された道を通り、十数分で113層に到達した。
「…ここまで簡単に進めると何だか高位冒険者に寄生しているみたいで嫌ですね。」
「同感だ。…だがそれもこの層で終わりだ。」
「おぉ!!見つかったのか!?」
「ああ。約60m先にエルフ種の反応が6つある。今は…交戦中だな。」
「は、早く追いつくのです!」
「ああ。」
警戒しつつ進んでいくが、何かがおかしい。
交戦中であるはずなのに剣戟の音は聞こえず、それどころか不気味なほど静まり返っている。
もう1度”気配探知”で6人の反応を確認すると、死んではいないがその場で1歩も動かない。
『状態異常にでもやられたか?いや、だがSランクパーティーがそんなことには…』
何やら嫌な予感がする。
古代文明都市でドラゴンと対峙したときに感じたものと似ている。
もし本当にSランク冒険者6人が罹っているのだとすれば、クレア達もほぼ確実に状態異常に罹るだろう。
「…少し様子を見てくる。4人はここで待機してくれ。」
「どうしてだよ?」
「…”深淵を覗く者”が全滅する可能性がある。」
「なっ…!!本当ですか!?」
「ああ。スー、指揮を頼んだ。」
「りょ~かい。気を付けてね。」
”気配探知”と”魔物探知”によると、”深淵を覗く者”は2体の巨大な魔物に挟まれて動かない。
”鑑定”によると、魔物はSランクのコカトリスとAランクのアルラウネであるようだ。
コカトリスはアルラウネの球根を好んで捕食するため犬猿の仲のはずなのだが、ダンジョン内で自然法則も変わったのだろうか?
どちらも知力がそれなりに高いため、おそらく協力する方が良いと判断したのだろう。
コカトリスはAランク魔物メデューサの特殊進化個体で、鶏の胴体に蛇の尻尾を持つ魔物である。
目が合えば石化し、吐く息を吸えば猛毒を受け、さらに尾の蛇に噛まれれば麻痺してしまう。
1度何らかの状態異常に罹れば、他の状態異常も喰らってじわじわとHPを削り殺される。
アルラウネは人型の球根に大きな葉と花を持つ植物系魔物である。
花粉には幻惑効果があり、アルラウネがそれぞれの対象の大切な人に見えるという。
その甘言に惑わされて捕まれば、生きた養分貯蔵庫として死ぬまで生命力を吸い取られる。
『確かに厄介だな…まぁ俺に状態異常は効かないが。』
そんなことを考えながら移動していると、今まさに”深淵を覗く者”が養分貯蔵庫としてアルラウネの身体の一部になりそうな現場に到着した。
どうやら石化したら養分が吸えないため、6人は麻痺と幻惑だけ受けているようだ。
俺は即座に両手剣Lv.9”ノヴァディザスター”を行使し、6人を掴むアルラウネの触手を斬りおとした。
2体は俺に気付くや否や、毒息や幻惑など複数の状態異常攻撃を繰り広げた。
対する俺はそれらの攻撃を完全に無視して距離を詰めていく。
そしてコカトリスが間合いに入ったところで両手剣Lv.2”ドライクロ―”を行使して三枚おろしにし、そのまま両手剣Lv.6”ジェットスマッシュ”にスキルチェインしてアルラウネを粉砕した。
『ヴォルガノフに飲ませるのは癪だが…仕方ない。』
そんなことを思いながら”アイテムボックス”から状態異常回復薬を取り出し、6人に飲ませた。
全員流石は眉目秀麗なエルフ種だけあって、美男美女の集まりだった。
容姿端麗なSランクパーティーともなれば、民衆にファンが多いのも納得だ。
『さて…ひとまず4人と合流して目を覚ますまでここで待機するか。』
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