パーフェクトワールド

木原あざみ

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第三部

パーフェクト・ワールド・エンドⅢ 11 ①

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[11]


「もちろん、俺に相談してくれてもいいんだけどね。その前に、皓太と話してみたらどうかな。同じ空間にいても、あんまり話せてないでしょ」
「え……」

 そんな答えが返ってくるとは思っていなかったのか、行人が丸い瞳を瞠った。
 あからさまに突き放されたと感じているのなら、かわいそうだとは思ったものの、行人のショックには気づかない顔で、もっともらしいことを言い足す。

「とくに、ほら、水城くんは、行人と皓太の同級生なんだから。皓太にとってはクラスメイトでもあるわけだし、俺よりも、ちゃんと人となりを知ってるんじゃないかな」
「それは、そうかもしれないです、けど……」

 応じる行人の声が、どんどんと小さくなっていく。それはそうだという自覚もあるはあるのだろう。

「もし、そういった噂が本当なら、生徒会長として、寮生委員会と風紀に連絡して、気にかけるように共有しておくから」

 生徒会室で一生徒の懸念事項を聞き終えたというふうに、成瀬はほほえんだ。

「だから、行人が個人的に心配だって思う気持ちは、皓太に聞いてもらったらいいんじゃないかな。きっとそのほうがすっきりすると思うよ」
「……です、かね」
「うん。俺はそう思うけど。まぁ、話してもすっきりしなくて、まだ不安だったら、もう一回相談に来たらいいよ。そのときは、いくらでも聞くから」

 逃げ道を絶ちすぎないようにそう言って、ただ、と、ほんの少し困ったふうに続ける。

「皓太もちょっと選挙のことで悩んでるみたいだったから、行人が相談するついでに、皓太の悩みも聞き出してくれたらうれしいなとは思ってる」
「悩んで……」
「そう、そう。まぁ、あいつ、相談するの下手……というか、あんまり慣れてないから、なんでもない、とか、大丈夫、とか言うかもしれないけど。よかったら根気よく聞いてやって」

 本当に似なくていいところを似させてしまったな、とは本当に思っている。
行人のほうがうまくできると思うから、と続けると、悩むような間を置いて、けれど、しっかりと行人は頷いた。

「はい」
「うん」
「がんばってみます」
「じゃあ、お願い。それと、もうひとつ。行人が残るって言ったの、皓太、気にしてたみたいだから。これ以上遅くならないうちに戻ってやって」

 わかりました、ともう一度頷いた行人が生徒会室を出て行くなり、篠原が嫌そうに呟いた。
 在室している状態で話していたわけなので、聞かれていても問題はなにもないのだが、思いきり聞いていたらしい。
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