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お酒のせい……ですか?
ストーリー15
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そして夜 ーー
「う~ん暇だなぁ。明日は休みだし、久しぶりに外に出てみようかな」
私は暇つぶしに外に出てみる事にした。とはいえ、お金も無いし散歩がてら街中を適当に歩いた。
「あれ……水沢さん?」
前から歩いてきた大学生っぽい男性に声をかけられた。ナンパ? いや、私の名前を呼んでたし知り合い? 近づいてくる男性に警戒しながら目を細めて顔をよく見る。
「あっ、高瀬さん?」
「何で疑問形?」
私服姿の高瀬さんを見るのは初めてだったし、雰囲気も違うから気づかなかった。高瀬さんは疑問形で名前を呼ぶ私を見てクスクス笑っている。
「あ、あのスーツ姿を見慣れてたもので。私服だと雰囲気変わりますね」
「あはは、よく言われる。そして私服だとよく未成年に間違えられる。今もコンビニでお酒買ったら年齢確認されたし」
高瀬さんは手に持っているコンビニの袋を私に見せながら話す。
「そういえば、高瀬さんって何歳なんですか?」
「さて何歳でしょう? それより水沢さんはこんな所で何してるんです? 買物?」
「あ~する事なくて暇だったので街中を散歩みたいな?」
「そうか社長今日は……。でも女性が一人で夜道を歩くのは危ないですよ? そうだ、良ければ付き合ってもらえません? 家飲みに」
高瀬さんはにっこりしながら誘ってきた。
「えっと」
どうしよう。
私は言葉を濁して誘いに乗るか考える。高瀬さんとお酒を呑むのはいいんだけど、恐らく一人暮らしの高瀬さんの家にひょいひょい着いて行って良いものか。
でも高瀬さんは純粋に誘ってくれてる訳だし、警戒するのは失礼な気もする。
「もしかして警戒してます?」
「ご、ごめんなさい」
「いいんですよ。警戒して下さい。俺も男なんで、何するか分かりませんし」
私は自分で警戒してなんて言う高瀬さんに思わず笑ってしまった。高瀬さんなら大丈夫かな。
「少しだけ家飲みに付き合います」
「ありがとう」
高瀬さんはにっこりして私を見た。そして二人で高瀬さんの家に向かって歩き出した。
「あ、今更だけど素で話していい?仕事モード抜きでさ」
「はい。全然大丈夫ですよ」
雰囲気違うのは素で話してたのもあったのか。そういえば口調もいつもと違う。
しばらく話しながら歩いていると高瀬さんの住んでいるマンションに着いた。私は高瀬さんの後ろをトコトコ着いて行く。
「さぁどうぞ」
私は靴を脱ぎ部屋の中へ入る。
「適当に座ってて」
高瀬さんに言われ取り敢えずソファーに座った。初めてくる部屋に私は落ち着かずソワソワしていた。
「なんか緊張してる?」
高瀬さんがにっこりしながら聞いてくる。
「何だか落ち着かなくて。何か手伝う事ないですか?」
「大丈夫だよ。あ、そうだ。カクテル呑める?」
「はい、好きです」
「良かった。じゃあ作ってあげる。ちょっと待ってて」
作る? どういう事だろう。すると高瀬さんはキッチンへ戻り、しばらくすると赤色の可愛らしいカクテルを持ってきた。
「どうぞ」
そう言って私の前にカクテルを置く。
「可愛い。まさかこのカクテル高瀬さんが作ったんですか?」
「うん、今カクテルシェーカーをシャカシャカしてきた。初めて女の人にカクテル作ったよ」
「美味しそう、ありがとうございます」
「じゃあ乾杯しようか」
私はカクテルを高瀬さんはビールを手に持ち乾杯した。
ーー ピンポン
「あ、来た来た」
高瀬さんは立ち上がり、いそいそと玄関に行く。誰か来たのかな。
「お待たせ~」
高瀬さんが手に何かを持って戻ってきた。
この匂い、もしかして……。
「ピザ頼んでたんだ。一緒に食べよう」
「ピザ……もしかして進藤さんが言ってた身近にいるピザ好きな人って高瀬さん?」
「ん? アイツ何か言ってた?」
「アイツ?」
「おっと、お酒が入るとボロがでるね。まぁ水沢さんには話してもいいかな。全部お酒のせいにしよう。会社の人間には内緒なんだけど、実は俺と社長、高校の同級生なんだ」
「えぇ!?」
高瀬さんは驚く私を見て、笑いながらビールをグイッと呑む。
「社長……まぁケイスケって呼んでるんだけどね。アイツはどう思ってるか分からないけど、俺は親友だと思っている」
まさか二人が高校の同級生で親友同士だったとは。いや、それよりも驚いたのが……。
「進藤さんと高瀬さん、同じ歳なんですか?」
「そうだよ。見えない? まぁケイスケは社長だし? 貫禄もあるし? それに比べて俺は下っ端でオマケに童顔だし」
「い、いえそんな事は」
私は慌てて否定しようとしたが言葉を濁してしまった。
「う~ん暇だなぁ。明日は休みだし、久しぶりに外に出てみようかな」
私は暇つぶしに外に出てみる事にした。とはいえ、お金も無いし散歩がてら街中を適当に歩いた。
「あれ……水沢さん?」
前から歩いてきた大学生っぽい男性に声をかけられた。ナンパ? いや、私の名前を呼んでたし知り合い? 近づいてくる男性に警戒しながら目を細めて顔をよく見る。
「あっ、高瀬さん?」
「何で疑問形?」
私服姿の高瀬さんを見るのは初めてだったし、雰囲気も違うから気づかなかった。高瀬さんは疑問形で名前を呼ぶ私を見てクスクス笑っている。
「あ、あのスーツ姿を見慣れてたもので。私服だと雰囲気変わりますね」
「あはは、よく言われる。そして私服だとよく未成年に間違えられる。今もコンビニでお酒買ったら年齢確認されたし」
高瀬さんは手に持っているコンビニの袋を私に見せながら話す。
「そういえば、高瀬さんって何歳なんですか?」
「さて何歳でしょう? それより水沢さんはこんな所で何してるんです? 買物?」
「あ~する事なくて暇だったので街中を散歩みたいな?」
「そうか社長今日は……。でも女性が一人で夜道を歩くのは危ないですよ? そうだ、良ければ付き合ってもらえません? 家飲みに」
高瀬さんはにっこりしながら誘ってきた。
「えっと」
どうしよう。
私は言葉を濁して誘いに乗るか考える。高瀬さんとお酒を呑むのはいいんだけど、恐らく一人暮らしの高瀬さんの家にひょいひょい着いて行って良いものか。
でも高瀬さんは純粋に誘ってくれてる訳だし、警戒するのは失礼な気もする。
「もしかして警戒してます?」
「ご、ごめんなさい」
「いいんですよ。警戒して下さい。俺も男なんで、何するか分かりませんし」
私は自分で警戒してなんて言う高瀬さんに思わず笑ってしまった。高瀬さんなら大丈夫かな。
「少しだけ家飲みに付き合います」
「ありがとう」
高瀬さんはにっこりして私を見た。そして二人で高瀬さんの家に向かって歩き出した。
「あ、今更だけど素で話していい?仕事モード抜きでさ」
「はい。全然大丈夫ですよ」
雰囲気違うのは素で話してたのもあったのか。そういえば口調もいつもと違う。
しばらく話しながら歩いていると高瀬さんの住んでいるマンションに着いた。私は高瀬さんの後ろをトコトコ着いて行く。
「さぁどうぞ」
私は靴を脱ぎ部屋の中へ入る。
「適当に座ってて」
高瀬さんに言われ取り敢えずソファーに座った。初めてくる部屋に私は落ち着かずソワソワしていた。
「なんか緊張してる?」
高瀬さんがにっこりしながら聞いてくる。
「何だか落ち着かなくて。何か手伝う事ないですか?」
「大丈夫だよ。あ、そうだ。カクテル呑める?」
「はい、好きです」
「良かった。じゃあ作ってあげる。ちょっと待ってて」
作る? どういう事だろう。すると高瀬さんはキッチンへ戻り、しばらくすると赤色の可愛らしいカクテルを持ってきた。
「どうぞ」
そう言って私の前にカクテルを置く。
「可愛い。まさかこのカクテル高瀬さんが作ったんですか?」
「うん、今カクテルシェーカーをシャカシャカしてきた。初めて女の人にカクテル作ったよ」
「美味しそう、ありがとうございます」
「じゃあ乾杯しようか」
私はカクテルを高瀬さんはビールを手に持ち乾杯した。
ーー ピンポン
「あ、来た来た」
高瀬さんは立ち上がり、いそいそと玄関に行く。誰か来たのかな。
「お待たせ~」
高瀬さんが手に何かを持って戻ってきた。
この匂い、もしかして……。
「ピザ頼んでたんだ。一緒に食べよう」
「ピザ……もしかして進藤さんが言ってた身近にいるピザ好きな人って高瀬さん?」
「ん? アイツ何か言ってた?」
「アイツ?」
「おっと、お酒が入るとボロがでるね。まぁ水沢さんには話してもいいかな。全部お酒のせいにしよう。会社の人間には内緒なんだけど、実は俺と社長、高校の同級生なんだ」
「えぇ!?」
高瀬さんは驚く私を見て、笑いながらビールをグイッと呑む。
「社長……まぁケイスケって呼んでるんだけどね。アイツはどう思ってるか分からないけど、俺は親友だと思っている」
まさか二人が高校の同級生で親友同士だったとは。いや、それよりも驚いたのが……。
「進藤さんと高瀬さん、同じ歳なんですか?」
「そうだよ。見えない? まぁケイスケは社長だし? 貫禄もあるし? それに比べて俺は下っ端でオマケに童顔だし」
「い、いえそんな事は」
私は慌てて否定しようとしたが言葉を濁してしまった。
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