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主任×私×クリスマス
ストーリー22
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定時に仕事を終わらせて、奇跡的に予約が取れた美容室へ行った。それにしても美容室なんてしばらく行ってなかったからなんか緊張してしまう。
久しぶりに髪型を変えるとあってかなり悩んだけど、ロングの髪からミディアムボブまでカットしてもらい、ふるゆわパーマをかけた。そして仕上がりを鏡を見る。
担当した美容師さんもお似合いですよと言ってくれたし私は満足した。
髪が短くなったので、外を歩いていると首元がスースーして寒さを感じた。時折、街中でショーウィンドウに映る自分を見ながら、髪型のチェックをする。
「クリスマスらしくケーキ買って帰ろうかな」
帰る途中、ケーキ屋の前に立ち止まる。美味しそうなケーキも残りわずかとなっていて買おうかどうか悩む。
「……そういえば蓮さん、ケーキ好きなのかな」
甘いものが苦手な男性もいるし、蓮さんはどうなのかな。……私もまだまだ蓮さんの事知らないな。少し寂しい気持ちになる。
結局何も買わずに一旦自分の部屋に帰り、着替えと化粧直しをして蓮さんの部屋に行った。スマートフォンで時間を確認したらもう20時前になっている。
「蓮さんはお見合い中かぁ。あのキラキラした王子様スマイルで社長令嬢と楽しく話してるのかな」
油断するとお見合いの事を考えてしまう。楽しい事考えなきゃ。えっとイルミネーション楽しみだな。私は一人で気分を上げては気分が下がり……というのを繰り返していた。
お見合いは19時からって言ってたからそろそろ帰ってくる頃かな。ソワソワしながら待つけど、21時を過ぎても蓮さんは帰って来ない。
まさか社長令嬢とのお見合いが盛り上がって……いやいや違う、違うよね蓮さん。私は首を横に振りながら必死に否定する。
早く帰ってきて……。
私は泣きそうになりながら蓮さんの帰りを待った。
23時を過ぎた頃、私のスマートフォンが鳴り始めた。蓮さんからの着信だ。私は慌てて電話に出る。
「もしもし、蓮さん」
「もう家に着くから鍵開けててもらっていいか?」
「分かった」
蓮さんが帰ってくる。そう思うと私はじっとしてられず、玄関を出てマンションの外に出た。
夜はまた一層寒さが増しているが、慌てて外に出てしまった私は上着を着るのを忘れていた。白い息をはぁっと吐きながら蓮さんの帰りを待った。
少ししてから一台のタクシーがマンションの前で止まり、中から蓮さんが出てきた。
「え、美織?」
蓮さんが私に気づき目の前に来る。そして上着も着ずに外にいた私に、自分のコートをかけてくれた。
「どうした?何で外に」
「お帰りなさい」
私は蓮さんにぎゅっと抱きつく。
「美織……嬉しいけど、取り敢えず部屋に戻ろう」
私達は手を繋いで蓮さんの部屋に戻る。そして暗い外から明るい室内に入ると蓮さんは私の変化に気づいた。
「えっ髪……切ったのか?」
「うん。変じゃないかな?」
私は髪を触りながら蓮さんの反応を見る。
「可愛いよ」
蓮さんは私の髪を撫でるように触る。
「女子力を上げようと思って、まずは外見から変えてみたの。次は料理の勉強しようかなぁ」
「今でも可愛すぎるのに、それ以上女子力を磨かれたら……俺はどうしたらいいんだ? 男子力を磨かないといけないじゃないか」
蓮さんはなんか焦ったような言い方をする。そもそも男子力って何?
「男子力ってよく分からないけど、蓮さんにそれ以上磨かれると……私困るから」
「俺も困る。可愛すぎて美織に惚れる男性が増えるじゃないか」
「いや、私はモテるタイプではないし、その辺の心配は大丈夫だから」
「ったく、無防備過ぎるから心配なんだ。美織はモテるタイプだよ。俺なんかには勿体ないくらい良い女なんだから」
そう言って蓮さんは私を優しく抱きしめた。
「お見合いの件はちゃんと円満に解決したから、もう心配するな」
「本当?」
私は思わず蓮さんの顔を見た。蓮さんは私を見て優しく微笑んでいる。
「あぁ。それに言われたとおり確認してきた。やっぱり俺は美織が好きだって。いや、もう好き過ぎてやばいな。この表現があっているか分からないけど……愛してるよ、美織」
愛してる……初めて言われた言葉に私は顔を赤くさせながら蓮さんを凝視する。
「私も蓮さんが好き。大好き」
私は蓮さんを見つめながら自然と言葉が出た。すると蓮さんはまた私を抱きしめた。
「初めて美織に好きって言われた」
そう言って嬉しそうに私の唇にキスをする。軽く唇に触れた後、蓮さんは真剣な眼差しで私を見てきた。
「悪い……もう止まらない」
蓮さんはそう囁くと、今度は耳から首筋に唇を移動させる。私は胸の鼓動が高鳴り、ちょっと待ってと言って強制的に中断させた。
「あ、あの……ベッドがいい……です」
私は恥ずかしさから蓮さんから視線を外し、小さな声で言った。その言葉を聞いて蓮さんは極上の微笑みを見せながら私をヒョイっと抱きかかえ、お姫様抱っこでベッドまで連れていく。
そっと私を下ろすと、今度はスーツのジャケットを脱ぎネクタイを緩める。そして私を突き刺さるような眼差しでじっと見つめてきた。
「いいんだな?」
「……うん」
正直、めっちゃ緊張してるし胸も張り裂けそうだ。初めての経験って訳でもないのに初めての時よりもドキドキしているのは何故だろう。
さっきまで頭にあったお見合いの事とかイルミネーションの事も忘れ、今はただ蓮さんだけを見て蓮さんの事だけを考えていた。
久しぶりに髪型を変えるとあってかなり悩んだけど、ロングの髪からミディアムボブまでカットしてもらい、ふるゆわパーマをかけた。そして仕上がりを鏡を見る。
担当した美容師さんもお似合いですよと言ってくれたし私は満足した。
髪が短くなったので、外を歩いていると首元がスースーして寒さを感じた。時折、街中でショーウィンドウに映る自分を見ながら、髪型のチェックをする。
「クリスマスらしくケーキ買って帰ろうかな」
帰る途中、ケーキ屋の前に立ち止まる。美味しそうなケーキも残りわずかとなっていて買おうかどうか悩む。
「……そういえば蓮さん、ケーキ好きなのかな」
甘いものが苦手な男性もいるし、蓮さんはどうなのかな。……私もまだまだ蓮さんの事知らないな。少し寂しい気持ちになる。
結局何も買わずに一旦自分の部屋に帰り、着替えと化粧直しをして蓮さんの部屋に行った。スマートフォンで時間を確認したらもう20時前になっている。
「蓮さんはお見合い中かぁ。あのキラキラした王子様スマイルで社長令嬢と楽しく話してるのかな」
油断するとお見合いの事を考えてしまう。楽しい事考えなきゃ。えっとイルミネーション楽しみだな。私は一人で気分を上げては気分が下がり……というのを繰り返していた。
お見合いは19時からって言ってたからそろそろ帰ってくる頃かな。ソワソワしながら待つけど、21時を過ぎても蓮さんは帰って来ない。
まさか社長令嬢とのお見合いが盛り上がって……いやいや違う、違うよね蓮さん。私は首を横に振りながら必死に否定する。
早く帰ってきて……。
私は泣きそうになりながら蓮さんの帰りを待った。
23時を過ぎた頃、私のスマートフォンが鳴り始めた。蓮さんからの着信だ。私は慌てて電話に出る。
「もしもし、蓮さん」
「もう家に着くから鍵開けててもらっていいか?」
「分かった」
蓮さんが帰ってくる。そう思うと私はじっとしてられず、玄関を出てマンションの外に出た。
夜はまた一層寒さが増しているが、慌てて外に出てしまった私は上着を着るのを忘れていた。白い息をはぁっと吐きながら蓮さんの帰りを待った。
少ししてから一台のタクシーがマンションの前で止まり、中から蓮さんが出てきた。
「え、美織?」
蓮さんが私に気づき目の前に来る。そして上着も着ずに外にいた私に、自分のコートをかけてくれた。
「どうした?何で外に」
「お帰りなさい」
私は蓮さんにぎゅっと抱きつく。
「美織……嬉しいけど、取り敢えず部屋に戻ろう」
私達は手を繋いで蓮さんの部屋に戻る。そして暗い外から明るい室内に入ると蓮さんは私の変化に気づいた。
「えっ髪……切ったのか?」
「うん。変じゃないかな?」
私は髪を触りながら蓮さんの反応を見る。
「可愛いよ」
蓮さんは私の髪を撫でるように触る。
「女子力を上げようと思って、まずは外見から変えてみたの。次は料理の勉強しようかなぁ」
「今でも可愛すぎるのに、それ以上女子力を磨かれたら……俺はどうしたらいいんだ? 男子力を磨かないといけないじゃないか」
蓮さんはなんか焦ったような言い方をする。そもそも男子力って何?
「男子力ってよく分からないけど、蓮さんにそれ以上磨かれると……私困るから」
「俺も困る。可愛すぎて美織に惚れる男性が増えるじゃないか」
「いや、私はモテるタイプではないし、その辺の心配は大丈夫だから」
「ったく、無防備過ぎるから心配なんだ。美織はモテるタイプだよ。俺なんかには勿体ないくらい良い女なんだから」
そう言って蓮さんは私を優しく抱きしめた。
「お見合いの件はちゃんと円満に解決したから、もう心配するな」
「本当?」
私は思わず蓮さんの顔を見た。蓮さんは私を見て優しく微笑んでいる。
「あぁ。それに言われたとおり確認してきた。やっぱり俺は美織が好きだって。いや、もう好き過ぎてやばいな。この表現があっているか分からないけど……愛してるよ、美織」
愛してる……初めて言われた言葉に私は顔を赤くさせながら蓮さんを凝視する。
「私も蓮さんが好き。大好き」
私は蓮さんを見つめながら自然と言葉が出た。すると蓮さんはまた私を抱きしめた。
「初めて美織に好きって言われた」
そう言って嬉しそうに私の唇にキスをする。軽く唇に触れた後、蓮さんは真剣な眼差しで私を見てきた。
「悪い……もう止まらない」
蓮さんはそう囁くと、今度は耳から首筋に唇を移動させる。私は胸の鼓動が高鳴り、ちょっと待ってと言って強制的に中断させた。
「あ、あの……ベッドがいい……です」
私は恥ずかしさから蓮さんから視線を外し、小さな声で言った。その言葉を聞いて蓮さんは極上の微笑みを見せながら私をヒョイっと抱きかかえ、お姫様抱っこでベッドまで連れていく。
そっと私を下ろすと、今度はスーツのジャケットを脱ぎネクタイを緩める。そして私を突き刺さるような眼差しでじっと見つめてきた。
「いいんだな?」
「……うん」
正直、めっちゃ緊張してるし胸も張り裂けそうだ。初めての経験って訳でもないのに初めての時よりもドキドキしているのは何故だろう。
さっきまで頭にあったお見合いの事とかイルミネーションの事も忘れ、今はただ蓮さんだけを見て蓮さんの事だけを考えていた。
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