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「第十三話 東京鎮魂歌 ~赤銅の闘鬼~」
12章
しおりを挟むボトッ・・・
ボタボタッ・・・ボトッ・・・
秋の風が吹きぬける。東京タワーが見下ろす、芝公園の敷地。昼下がりの陽光が、肌色の大地を照らし出す。
雨と呼ぶには巨大な雫が。赤い雫が降っていた。
守護天使と崇められ、人々の希望と期待を一身に背負って闘い続けてきた、銀色の女神。
鮮血に染まったファントムガール・サトミの肢体は、ピクリとも動くことなく静寂に包まれた青い空に浮かんでいた。
ただ、その胸中央に点滅するクリスタルの警告音だけが、人影の絶えた首都に響き渡る。
「・・・・・・ァ・・・ア゛ッ・・・・・・」
泡の混ざった紅の唾液が、開いたままの美少女の唇から、呻きとともに途絶えることなく溢れ続けていた。
白いプロテクターに身を包んだひとつ眼の凶魔が、美天使のスレンダーな身体を右腕ひとつで持ち上げている。ぶらぶらと揺れる、紫色のブーツ。ゲドゥーが誇る“最凶の右手”は、サトミの命の象徴である水晶体を握り掴んでいる。
誰の眼にも明らかにわかる、守護天使の敗北であった。
秘術を尽くした。戦術は敵の上をいった。必殺技を喰らわせ、不屈の精神力で幾度も立ち上がった。
それでもサトミの力は、通じなかった。完膚なきまでに叩き潰された。
ゲドゥーに脳震盪を起こさせ、ギャンジョーに深手を負わせた。それが勲章に思えるほどに・・・実力差は大きく、状況は絶望的だった。
生きている。ただそれだけだった。今のサトミは。
抹殺の意志を込めた破壊光線をエナジー・クリスタルに直接叩き込まれた時点で、ファントムガール・サトミの闘いは、事実上終結を迎えていた。
“・・・勝・・・て・・・・・・ない・・・・・・”
わかっていた。わかりきったことだった。
全身を焦がす苦痛に混濁した意識のなかで、抑え込んでいた感情が侵食していく。冷酷な現実が、絶望すら乗り越えたはずの少女の心を腐らせていく。
“・・・私には・・・・・・勝て・・・・・・ない・・・・・・も・・・う・・・なにも・・・・・・”
ゲドゥーの右手が、か細く点灯する水晶体を離す。
地響きをあげて、仰向けにバウンドするスレンダーな肢体。力を示すことのない四肢が、大きく投げ出される。
ぐしゃりッ・・・
二匹の暴魔の脚が、銀色の女神の美貌と盛り上がった胸とを踏みつける。
人類を守り続けてきた美麗の乙女が、凶魔と凶獣に足の裏で踏み躙られ、ただヒクヒクと痙攣し続けている。
ファントムガール・サトミは負けた。
そして、正義は敗北した。
「ギャハハハハアッ―ッ!! 終わったなァッ、サトミィッッ!! いよいよ女神さまの最期のようだぜェッ?!」
美麗なマスクを踏みつけるギャンジョーが、グリグリと足裏を捻り込む。
ピュピュッと飛び散る、真紅の飛沫。それでもサトミの投げ出された手指は、力無く折れ曲がったまま動かない。
「お前の手で始末をつけるか? メフェレス」
弾力ある乳房を踏み潰しながら、抑揚のない声をひとつ眼凶魔が背後に飛ばす。
腕組みをしながら一部始終を眺めていた青銅の魔人は、三日月に笑う黄金のマスクとは裏腹の落ち着いた口調で返答した。
「・・・いや、お前たちの好きにすればいい」
「サトミには執着しているとばかり、思っていたが?」
「フン・・・すでに死に逝く女だ。処刑の様を愉しませてもらうさ」
事実上の決着がついたことで、宿敵であったはずの聖少女への関心は薄れてしまったのか。
全てを己の意のままにと欲する魔人にしては「らしくない」行動ではあった。他のファントムガールたちはともかく・・・サトミだけはメフェレス自身が手を下すとばかり思っていた。
意外な魔人の行動、ではある。だがゲドゥーからすれば、極上の獲物を譲られてみすみす遠慮するつもりはなかった。メフェレスの“事情”はどうであれ、差し出されたご馳走に手をつけないほど奥ゆかしくは無い。
「そうだな、ひとつだけ注文をつけるか」
「なんだ?」
「新たに我が配下に収まったヤツら・・・兵隊どもに戦闘の練習をさせてやれ。『エデン』を得たばかりで、巨大化も初めてならば、光線も撃ったことがない連中だ。上質なサンドバッグが手に入ったことだし、な」
魔人の意図を読み取ったゲドゥーが、しばしの沈黙の後、行動で答えを返す。
無言のままサトミの腋に腕を回し、脱力した守護天使を力づくで立ち上がらせる。倣ったギャンジョーが反対の腕を同様にして絡め取り、スレンダーな銀色の少女は巨大なミュータント二体に挟まれる形となった。
連行される凶悪犯、にも似た光景であった。拘束されているのは、正義の側だが。
両腕を支えられたサトミの脚が宙に浮く。ぶらぶらと揺れる紫のブーツ。ストレートの髪を垂れ流した光の女神は、意識も定かでないままに次なる嗜虐を待っている。
「メフェレスの言葉は聞こえていたな? ありったけの力で・・・撃ってみるといい」
ひとつ眼凶魔の声が向けられたのは、芝公園周辺を囲む、30体のミュータントたちであった。
現政府からの裏切り者である彼らからすれば、ファントムガールは昨日までは希望と敬愛の対象であった。だが、テロリストに魂を売り、『エデン』によりその悪意を増長させた鬼畜どもには、守護天使の姿はもはや格好の的としか映っていない。
凶魔と凶獣とに捕獲され、吊り下げられた美麗なる少女戦士。
ぞわぞわと蠢く30体の巨大生物が、思い思いのポーズで光線の照準を動けぬサトミにあわせる。
「小僧の指示に従うのはイラつくがよォッ・・・女神さまをリンチするってのは嫌いじゃねえぜ?! ヒャハハハ!!」
「射撃の訓練だ。・・・やれ」
360度包囲したミュータントの輪から、ゲドゥーの合図で一斉に暗黒の光線が中心の聖少女目掛けて照射される。
バババッッ!!! バシャア――ッッ!!! ドドドドッッ!!!
「あ゛あ゛ッッ?!!・・・ああああアアアアアッッ――――ッッ!!!」
30の漆黒が銀と紫の肢体に着弾した瞬間、ビクンッと反り返ったサトミの口から絶叫が迸った。
ひとつひとつの光線の威力は、ゲドゥーやギャンジョーとは比べ物にならない。だが前から後ろから、30もの光線を一瞬の間断なく浴びせられ、令嬢戦士の意識は全身を焼かれる苦痛に埋め尽くされる。
「あくうッッ?!! うぐッッ!! きゃあアッッ・・・アアアアアッッ~~~~ッッ!!!」
「どうしたどうしたッ?! この程度で苦しむとは、随分弱ってきてるようだなァッ、サトミィッ?!」
標的を外れた光線が直撃するのを平然と受け流し、ギャンジョーが疵面を歪ませる。
ただでさえ頑強な表皮を持つのに加え、同じ闇属性の攻撃が凶魔や凶獣に与えるダメージは微々たるものであった。誤爆を受けてなお、余裕に満ちたゲドゥーやギャンジョーの姿は、新たなミュータントたちの遠慮をなくしていく。同士討ちを苦にすることなく、30体の容赦ない暗黒光が永遠に浴びせ続けられる。
バシュンッ!! ドゴオッ・・・バチッ!! ドオオッ・・・
「ヒャハハッ!! 野郎ども、うまくなってきたじゃねえかッ! 着弾点で火花があがり、皮膚が焦げるようになってきやがった! ほれ、じゃあ今度は・・・女神さまの身体の柔らかさでも楽しみな」
黒煙が昇り始めたサトミの肢体を、ギャンジョーが包囲網に向かって投げつける。抵抗を示すことない美しき女神が、銀色の塊となって宙を舞い、大地に落ちる。
灰色のビルを無数に押し潰し、バウンドする聖少女の身体は、あちこちが黒く焦げていた。仰向けに転がった肢体はピクリとも動かない。
近くにいた10体ほどの巨大生物が餌に群がるように取り囲む。崩れたコンクリートの瓦礫に横たわるサトミを、餓えた魔獣どもが覆い隠す。
拳が殴り、脚が蹴りつける殴打音が、首都の空に流れていく。
やがて混ざる、噛み付きの音色。鋭い牙が、銀色の肌に食い込む壮絶な響きは、サトミの首筋からふくらはぎに至るまで・・・あらゆる部位から洩れ聞こえた。
「そのまま食い千切られちまうか?! サトミィッ~! 守護天使さまが怪獣に喰われるってのも悪くねえなァ?!」
「・・・ギャンジョー、そろそろいいだろう。オレたちにも遊ばせてもらわないとな」
ゲドゥーからの指示を受け、悠然とした足取りで疵面獣が、10体のミュータントに囲まれた敗北の女神のもとへ近づいていく。
両手首に両脚のふくらはぎ、左右の乳房に首筋、太腿、脇腹に股間・・・10個の口に噛み付かれたファントムガール・サトミの肢体は、ハイエナに提供された死肉のごとく大の字で天を向いたまま横たわっていた。張りのある乙女の肉に食いついた鋭利な牙が、ギリギリと残酷な調べを全身から奏でている。
「・・・あ゛ッッ・・・くあァッ・・・・・・あう゛ァッ・・・・・・」
「てめえら程度の力じゃ、光の女神さまの表皮を食い破るまではできねえか・・・おら、どけや。こいつには人間どもの希望を打ち砕く死に方をしてもらわねえとなァ~・・・」
ささっと潮が引くように、牙を離し、退き下がっていく10体の怪物たち。
ぐったりと横臥する美少女の金色混ざりの茶髪を、ギャンジョーの右手のペンチが掴む。片腕一本で持ち上げる。
長いストレートに吊り下げられた、紫の模様も鮮やかな守護天使。完璧と評されるスタイルの美肢体からは、四肢が地球に引かれて力無く垂れている。
ヴィーン・・・ヴィーン・・・点滅するクリスタルの警告音が、全ての終わりを告げるカウントダウンのようであった。ファントムガールに残された選択肢は、ただ処刑を待つのみ。誰もがそう思っていた。
ザクンッッ・・・
不意に浮き上がったサトミの右手が手刀を形つくり、疵面獣の胸板に朱線を描いても、なにが起きたかすぐに理解できなかったのは無理からぬ話であった。
「・・・アァ?」
「・・・・・・ま・・・だ・・・よ・・・・・・」
白光を纏った右手が、再び茶褐色の肉体を斬りつける。
X字に描かれた傷口から鮮血が噴き出したとき、ようやくギャンジョーは女神の反撃を思い知った。
「・・・この・・・身が・・・・・・果てる・・・までは・・・私は・・・まだ・・・・・・」
「てめえ・・・その身体で、まだ光のエネルギーを扱えるとはな・・・」
三度目の手刀は、虚しく空を切っていた。
反撃した。強固な凶獣の肉を切り裂いた。それ自体は確かに、百戦錬磨の殺人鬼を驚愕させた。サトミの闘志はギャンジョーの心を寒からしめた。
だが、現実のダメージは、凶獣を倒すにはあまりに不足していた。
死力を振り絞っての反撃ですら・・・圧倒的な力の差の前には、あまりに無力だった。
ガブウウウッッ!!!
大きく開いた凶獣の口が、サトミの左胸に喰らいつく。
無数の牙に突き破られた柔らかな乳房から鮮血が迸る。過敏な箇所への峻烈な攻撃に、くノ一戦士は乙女の悲鳴を洩らしていた。
「きゃううゥッッ?!! きゃああああああッッ――――ッッッ!!!!」
「ならば果てるといいぜェッ・・・肉片が擦り切れるまで天使さまを貪り尽くしてやらァッ~ッ!!」
疵面獣が首を振る。乳房を咥えられたしなやかな獲物は、その力だけで大きく弧を描いて宙に投げ出されていた。
千切れそうな胸の痛みに全身を強張らせたサトミ。無防備に空を舞う守護天使を待ち受ける、白い凶魔の“最凶の右手”―――。
大地も空間も揺れる轟音とともに、弩砲のごときアッパーブローが、銀と紫の女神の鳩尾を突き上げる。貫く衝撃。美神の指先から爪先、流れる髪までが細かくブレる。
ごぼおおおッッッ・・・・・・
桜の花弁にも似た麗しき唇を割って、真紅の塊が吐き出される。
ぐぼりッ・・・と腹部に埋まった右拳が引き抜かれる。血の糸を撒き散らしながら、両脚から落ちていく美麗の守護天使。
着地をしたのは、まだどこかに残っていた体力と抵抗の意志とが成した、奇跡だったか。
己の二本の脚で、サトミは立っていた。瞳の青色を点滅させながら。両手をだらりと下げ、胸の水晶体を鳴らしながらも、孤独な女神は倒れなかった。
だが、それまでだった。
「・・・私・・・・・・は・・・・・・闘う・・・・・・の・・・」
途切れそうな囁きが、秋の風に消えていく。
無意識のうちに、使命を背負って生きてきた少女は呟いていた。身体中の細胞が苦痛に疼き、灼熱が全身に張り付いている。ふとした瞬間に、肉体がバラバラに崩れてしまいそうだった。自分が生きているのか、立っているのかさえ、よくわかっていなかった。
想いがただ、口を突いて洩れ出る。
恐るべき凶魔と凶獣に左右を挟まれ、絶望的状況下にあることすら気付かぬまま、サトミの心は言葉となって紡がれた。
「・・・私、には・・・・・・なにも・・・ない・・・・・・闘う・・・の・・・・・・闘うしか・・・ない・・・の・・・・・・」
「いや、サトミ。もうお前は闘えない」
右手を伸ばしたゲドゥーが、無抵抗の女神の右乳房を握り掴む。
掌にたっぷりと圧し掛かるボリュームと、食い込む指を弾く張り。質と量を兼ね備えた、見事なフォルムの美乳を揉み回す。全体を上下に揺らし、乱暴に、時に優しく揉みほぐす。包んだ掌で、膨らみの頂点をくすぐるように細かく摩擦する。
ヒクンッ!
サトミの丸い肩が動く。小刻みに揺れる長い腕。ひとつ眼凶魔の性戯に、乙女のカラダは反応していた。だが、愛撫の手を阻止しようにも、聖少女の肉体はもはや満足に動かない。仇敵の嬲りを甘受する以外、今のサトミに術はなかった。
「・・・・・・くッ・・・」
「無意識のうちにも我慢するか・・・だが、カラダは正直なようだな」
右乳房に張り付いた掌を、ゲドゥーがゆっくりと剥がす。
紫の模様に、くっきりと浮き出た小指大の突起。
凶魔の熟練の愛撫の前に、令嬢戦士は惨めなまでに性の昂ぶりを証明してしまっていた。固く尖った乳首が、誰の眼にもそれとわかるほど、屹立して存在を主張している。
「てめえを殺すのはいつでもできる。だがよォ・・・女神さまを“壊す”にはそれだけじゃ足りねェだろ?・・・」
先程噛み付いた左の胸に、再び疵面を近づけるギャンジョー。
しかし、今度は女子高生の肉に食いつくのが狙いではなかった。茶色く長い、爬虫類の舌をベロリと出す。ビチャビチャと形のいい乳房を、先端を中心に舐めあげる。唾液で房球が濡れていくたび、ヒクヒクと立ち尽くした美神の腰が痙攣する。
見る間に左バストの頂点も、右と同様に尖り立っていく。
巨大なる暴力にひとり立ち向かい、奮戦していた孤独な守護天使は、今やふたつの乳首を固く尖らせ、愛撫に身を震わせるしかないモルモットに堕ちようとしていた。
「・・・・・・んッ・・・ふゥっ・・・・・・ぁ゛・・・」
「ヒャハハハハ! どうしたァ、サトミィィ~~・・・切なそうな喘ぎが洩れてるぜェ~・・・」
「お前もサクラと同じく・・・イキながら、息絶える途を歩ませてやろう」
ピンク色の光を纏ったゲドゥーの右手が、ピンと立った突起を二本指で摘む。催淫の光線が先端に染み出しながら、前後左右に激しく揺らす。
動けなくなったサトミの両サイドを挟みながら・・・二匹の暴魔は執拗に女子高生の敏感な双房を責め続けた。
「あふっ・・・・・・んくぅッ!・・・ア・・・あァ゛ッ・・・・・・」
ギャンジョーの左腕がグニョグニョと変形し、鉄球だったものが巨大な吸盤へとなっていく。ゲドゥーに倣うように、ピンク色の・・・官能を催す法悦の魔光に包まれる吸盤。
舌を離すと同時に、蠢く吸盤はサトミの左胸全体にぶちゅりと吸い付き、張りのある柔肉を激しくバキュームする。先端の突起を中心に、吸い上げられ、長く伸びる美少女の乳房。吸引の刺激と同時に、魔悦の淫光が沁みこんでいく。痺れるような甘い疼きが、乳首の先から房球全体に広がる。
一方で“最嬌の右手”と化したゲドゥーの指先は、ヒクヒクと反応する右の突起を休むことなく弄んでいた。引っ張り、折り曲げ、こね回し・・・くりくりと先端を回すたび、淫らなピンク色がパンパンに張った乳房に注がれていく。じっとりと浸透していく官能の電流は、いまやサトミの下腹部まで直撃し、女芯を熱くたぎらせていた。ゲドゥーの指が摩擦を強めるたび、動けないはずの美少女が、ビクンッビクンッと他愛なく仰け反る。
「くふぅッ!・・・んんッ?!・・・・・・あ゛ッ・・・きゃふぅッ・・・やッ、やめェ・・・」
「半ば意識もなければ、素直にもなるというものだ」
「おらァッ、このまま抵抗できないまま・・・犯され、汚れててめェは死ぬんだよォッ!!」
ペンチであったギャンジョーの右手がまたも変形する。長く伸びていくそれは、麻縄のロープ。一定間隔で作られた結び目が、固い瘤となってアクセントをつけている・・・
使用目的も明白なそれを、開いたサトミの股間に通す。通した先はゲドゥーの空いた左手が持った。
息を合わせて、美女神がまたいだ麻縄をグイと引き上げる、凶魔と凶獣。
荒い縄が守護天使の股間・・・クレヴァスに食い込み、ざらざらした感覚を浴びせながら吊り上げる。
「ひィぐうぅッ・・・?!!・・・ふああああッッッ――――ッッッッ!!!」
「ギャーッハッハッハッ!! お嬢様には刺激が強すぎたかァッ?! だが楽しいのはこっからだぜェッ!!」
ずりずりと麻縄が前後に動く。目一杯前に引かれていき、限界までいくと後ろへ・・・。ロープが過ぎるたび、瘤目が秘裂を抉り、官能の刺激が脳天を衝く。摩擦でサトミの股間が焼き切れるかと思うほど、息の合った動きでゲドゥーとギャンジョーは麻縄の擦過を繰り返す。
「はくァァッ?!! きゃアアァッ・・・きゃあああッッ――――ッッッ!!! やめッッ・・・ひゃめてェェッ・・・!!! んんくううゥゥッッ~~~~ッッッ!!!」
力の抜けたはずの両手が、たまらず股間のクレヴァスを抑える。仰け反った美貌から絶叫が迸る。
両乳房への愛撫はそのまま、よがる守護天使の痴態に哄笑を浴びせながら、二匹の暴魔は瘤縄の摩擦を激しくしていく。
「んくううッッ!!! くふううッッ!!! ダッ・・・ダメェェッ!! こ、こんなッ・・・こんなァッ~~ッッ!!!」
往復するロープが濡れ光っていく。ボトボトと、愛蜜のこぼれる音色がサトミの真下から響いていく。
エナジー・クリスタルが警告を放つほどに衰弱したサトミの防御力では、魔悦のピンク光をまともに浴びるしかなかった。乳房への愛撫責めだけで昇天しそうな美乙女は、雪崩れ込む官能にただ弄ばれるのみ。
ヴィヴィッ・・・ヴィヴィヴィッ――ッ・・・
下腹部のクリスタル・・・子宮を具現化した水晶体が、不気味に軋む音色がこだましても、サトミに出来ることは腰をヒクつかせ、痙攣することしかない―――
“・・・狂・・・う・・・・・・も・・・う・・・・・・私・・・は・・・・・・”
―――サトミさんッッッ!!!
声が聞こえた。聞こえたような、気がした。
来るはずのない、声が。
もう・・・会うことはないはずの、声が。
いよいよ・・・かな。幻聴がするなんて。
だってあのコが、ここに来るはずが・・・・・・
「サトミさんッッッ!!!」
光が、爆発した。遥か、彼方で。青い、光が。
点滅していたサトミの瞳が、強くその輝きを取り戻す。
「サトミさんッッッ!!! 今ッッ、助けにいきますッッッ!!!」
ぼやけていた視界で、今、はっきりとひとつの像が結びつく。
幻聴でも、幻覚でもなかった。
遠い、街並みの向こう―――でも確かに、銀と青色の守護天使は首都の地に降臨していた。
「・・・・・・ナ・・・ナ・・・ちゃん・・・」
ファントムガール・ナナ。かすれる声で、サトミが天使の名を呼ぶ。
包囲する30体のミュータント。その壁の一角に向けて、ショートカットの青い天使が、サトミと一直線に結ぶ線上を突っ込んでいった―――。
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