犬好きおっさんが異世界で犬になったらしい?しかも犬なのにテイマーだと!

裏おきな

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第8話

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河原を下り暫くすると、爺さんの言っていた岩の切れ間を見つける事が出来た。そこは切れ間と言うより、高さ20から30mで、幅5m程の渓谷の入口ののような場所だった。

{ここみたいだな?}

{ここにあの美味しいお肉が居るんだよね?}

ルティ……肉じゃなくてオークな……まぁ変わらないけどな。

俺は入口と周りを見渡し。渓谷の壁が登れるのを確認すると、俺とルティは登り始めた。俺は以前住処にしていた場所が崖の上で、登るのは得意だったけどルティは大丈夫かなと心配したが。何のことなく余裕で登って来た。そして頂上に着くとそこは、平らな岩の荒野が広がっていた。そのまま渓谷に沿って下を確認しながら進と、渓谷の先が大きな広場のようになっていた。


{居た。あそこがオークの巣だな。見える限りでは10匹か}

{そうだねケンお兄ちゃん。どうするの?私がここから狙う?}

そうだなどうするかな。あそこに洞窟があると言う事は、おそらくあの中に女性が居ると思うから……て事は中にまだオークがいる可能性もあるな。それなら……

{ルティ!ここからオーク達を倒してくれ。恐らくあの洞窟の中からも出て来ると思うから。誘い出して欲しい。その間に俺が洞窟の中に入って女性を助けて来るから}

{うん分かったよ!あの肉は私が殺るね……じゅる}

ルティは涎を垂らしながら、俺があげたアイテムバックから大量の石を取り出した。その石は色々な大きさで小さいのは、ピンポン玉位の大きさから大きいのはバスケットボール位のまである。この石は休憩した河原から取って来た物だ。


俺は入口の前に居るオーク2匹の真上に来ると、【陰分身】と【隠密】を使い準備する。そしてルティに合図する。


{ルティやれ!}

{うん!}

ルティが手に、ソフトボール位の石を持ち。それを1匹のオークの頭に当てると、その頭が吹き飛び周りに居たオーク達は騒ぎ出した。

『何だ!ブヒ!』

『敵襲だブヒ!』

俺はそのタイミングで、崖から飛び降り両手でショートソードを持ち。そのままオークの頭に突き刺した。オークは肉の塊になり俺はそれを、アイテムバックに仕舞いこんだ。


さて、このまま潜入するか!まるで某ゲームの感覚だな……おっとやっぱりまだ中に居たか!

外の騒ぎに気付いた。洞窟の中に居たオーク達が次々に外に出て行った。洞窟は縦横5m程の穴で俺は壁に沿いながら進んでいるので、ぶつかりはしないで済む。


それにしても結構まだ居たな。早く女性を助けてルティの加勢をしないとな。

『なぁ今のうちにあ女頂いちまうかブヒ?』

『それは不味いんじゃブヒ?』

俺が中に進んでいると、目の前に2匹のオークの話し声が聞こえて来た。

『大丈夫だろブヒ?』

『でも、隊長がビックベアを倒して来てから。頂くと言っていたブヒ』

『でもその隊長はあれから戻って来ないブヒ!もしかした人間共に遭遇して、らやられたかもブヒ!』

『なるほど!それはあるかもブヒ!じゃあ』

『ああ頂くブヒ!』

『ぐふふっブヒ!』


おいおいまさかここの隊長と言うのは、あのハイオークの事か?まぁ倒しておいて正解だったな。それじゃあ女性の下にご案内頂こうか!


俺は2匹のオークの後をつけると、鉄格子で出来てる牢屋が見えてきた。その中は薄暗く微弱ながら人の気配を感じた。そして鉄格子の扉を開き中に入って行く2匹のオーク達、それに驚いた中に居る女性は驚いた感じで叫び出した。

「きゃー!近寄らないで!いや!こっち来ないで!あなた達なんか今に神様の神罰が下りますよ!」

『いいブヒ!何で人間共の悲鳴はこんなに興奮するブヒ!』

『そうだなブヒ!もっと聞きたいブヒ!』

ホントにどうしようも無いな豚共は。サッサと始末するか!

『それじゃあ頂くブヒ!』

1匹のオークが女性に近づき、着ている服を引きちぎった。それに驚いた女性は既に声を出す事すら出来ず。ガクガクと振るえているだけであった。だが震えながらも一言を言ったその時。

「神よ」

女性の前に居たオークが姿消し肉の塊になった。それには女性ももう1匹のオークも何が起きたか分からず、あ然としていた。

『え?……あれ?……おい人間!お前何をしたブヒ!』

「何がおきたの?」

『おい!オーク!何豚の分際で人間を抱こうとしてるんだ!てめーらには雌豚で十分だ!』

オークと女性の前に俺は姿を現した!

『あ?……お前はブラックドック?何でこんな所に居るブヒ?』

「え?黒い犬?ブラックドック!何で?」

『まぁなんだ?おまえ達の隊長とやらは、俺が倒したから戻って来ないぞ?』

『な!嘘をつくなブヒ!ハイオークの隊長がブラックドック如きにやられる筈無いブヒ!』

『まぁ普通そうだよな?でもそんなの今死ぬお前には関係無いよな!』


今女性は驚いていた。先程までオークに犯されるかと思っていたら。突然オークが肉の塊になり、その後ろから現れたのは、1匹のブラックドックだった。そしてそのブラックドックとオークが何かを言い争いを始めているのだ。すると、ブラックドックが動いたと思ったら。一瞬でオークの背後に現れて手にショートソードを持ち、そのままオークの頭に突き刺しオークを肉塊に変えた。

ワンワン大丈夫か?

「何が起きたの?あなたは魔物のブラックドックですよね?でも何故か怖い気がしませんね?もしかしてあなたは……」


やっぱり俺の言葉は分からないか。仕方ない取りあえずルティが心配だから。加勢に行くか、でもこの女性をここに置いて行くわけにも行かないしな。連れて行くか。

俺は女性に一声吠え顔を向け入口に顔を振った。そして歩きだす。

「え?着いて来い?」

ワン!

「やはりあなたは……」

俺達は何事も無く出口に辿り着いた。そして外をみると……

これはデジャビュウ?前にも見た覚えが……

それはルティがオークの肉を貪っていた。

{ルティ?全部倒したのか?怪我はないか?}

{うん!}

ケンに気付いたルティは、ケンに走り寄ってきた。それを見た女性は悲鳴をあげようとしたが。目の前のブラックドックは何も反応しなかったので、不思議に思い成り行きをを見ていた。そして。

「え?ミドルベアがブラックドックに抱きつき、ブラックドックが頭を撫でている?そんな馬鹿な……あ!」

その光景を見ていた女性は、ブラックドックに黒い人の影が重なり、その影がミドルベアの頭を優しく撫でているのが見えた気がした。

「やっぱりあなた様は……神の……」

(現在マリアが仲間になりたいと思っています。仲間にしますか?  はい  いいえ  )

はい……?

突然頭にそんな事が響いて来た。



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