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誕生日
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窓から暖かい陽の光が差す中本棚から1冊の本を手に取り椅子に腰掛けて読み始める。
今日は何か大事な日だった気がするが…何だったかな、忘れてしまった。
お気に入りの紅茶を1口飲み読書の続きをしようとした所で玄関の扉が破られる勢いで開かれた。扉は優しく扱って欲しいのだけど、まあ犯人は分かってるし今更言っても聞かないだろう。来客が来た以上読書はまた今度にしよう。
「全く…騒々しい、一体何用かな?血剣」
扉を勢いよく開けた人物は血の剣、同じ写真家の1人で吸血鬼らしい。偉そうにしてるのは何時もの事だから何も言わないけどね。
「何用って決まってるじゃないか、貴様の誕生日を祝いに来てやったんだ。どうせ今年も忘れているだろうと思ってな。」
誕生日…嗚呼すっかり忘れてた、そういえば今日は私の誕生日だったな。
思い出したような顔をした私を見て血の剣は呆れて溜息を零した。
「やっぱり忘れていたか、来て正解だった」
「私だって色々と忙しいんだ、忘れるのは仕方ない事だと思うけど?」
そう言うと彼はビシッと人差し指を私に向けて「その台詞去年も同じ事言ってたぞ」と指摘した。
「はいはい、済まなかったね。それで、君だけなのかい?祝いに来たのは」と言えば「そんな訳ないだろう、私以外にも来てるとも。さっさと入ってきたらどうだ貴様ら」と後ろを振り返り声を掛けた。
彼の言葉に「血剣ってばそんなに急かさないでよ、相変わらずせっかちさんなんだから」とフワフワしたような口調で言い返し入ってきたのはアポロ。この子も同じ写真家の1人で太陽神らしい。血の剣とは真逆のタイプでどうもお互い気に入らないと喧嘩(血の剣が一方的に吹っかけてるだけ)ばかりしてる。仲良くて微笑ましいよ。
「貴様がノロマなだけだろう、私は時間を無駄にしたくないんだ」
「もう、たまにはゆっくりした時間を楽しんだらどうなの?」
「絶対嫌だ」
仲が良いのは悪くないけれど此処私の部屋なんだけどなぁ。
彼らの口喧嘩を黙って見つめていれば扉からひょこっと顔を覗かせる子が数人居た。そのうち1人は血の剣とアポロの言い合いに割り込んで「お2人ともそれくらいにするなの!今日はD.M伯爵様のお誕生日なのに言い合いなんてみっともないですの!」と軽くお説教してた。
特徴的な語尾を付ける女の子は確か...血の剣のお気に入りの子でリーズニングの助手をしてたはず、トゥルースくん...とか言ったかな。ふふ、自分がお気に入りの子に怒られてて不貞腐れてるよ、アポロは素直に謝れて偉いね。
彼女の後ろにはボアくんとバイパーくんが並んでて可愛いなって思ってしまった。
「私の誕生日の為にこんなに集まって祝ってもらえるなんてとても嬉しいよ、ありがとう」
私が微笑んでそう言えば「当然ですの!何時もは敵対しててもお誕生日の日は別ですもの!お祝いするのは当たり前なの!」と言ってトゥルースくんが可愛らし九笑った。血剣が睨んでくるけど私何もしてないから、する予定もないけど。
「もう少しで誕生日パーティが開かれるから来なよ、主役なんだから。ただその前にプレゼント用意してる人は先に渡しておこうと話しててね、こうして集まったんだ。」
血剣の説明に納得する。パーティ中に貰っても持って帰るのが大変だからね。
「さて、それじゃ誰から渡そうか?」
「やっぱり最初に来てた血剣殿から渡すべきだろう」とボアくんの一言に周りが頷く。勿論血剣は「私が最初か…」と嫌そうに呟きつつ私の前に立った。
「私からの贈り物は…これだ」そう言って渡してきたのはネックレスだった、真ん中にサファイアが埋められている。
「とても綺麗だ…もしかして血剣、サファイアを選んだのはサフィを連想させたからかい?」以前私が彼に話した事を問い掛ける、義弟であるサフィの目はまるで宝石のサファイアのように青く私はとても気に入っていた。それを覚えていてくれたのだろう。
「その通りだ、最近の貴様は寂しそうにしてたからな。せめてこれを見て少しでも元気になってくれればと…」恥ずかしそうに告げる彼を見て気を使わせて申し訳ないなと思った。というかそんなに分かりやすく態度に出てたのだろうか?
「ありがとう血剣、本当に嬉しいよ。」
素直に礼を言えば彼は照れたのかそっぽを向いた、意外と可愛らしい所もあるんだね。
「次は私ですの!えっとえっと、先生からのプレゼントも一緒に渡しておきますなの!」
彼女から渡されたプレゼントの1つは金木犀と小手毬の花束で、もう1つはリーズニングからのプレゼントでメッセージカードだった。
「エマからのプレゼントは花束ですの!金木犀の花言葉は【謙虚】、【気高い人】って意味で小手毬の花言葉は【優雅】、【上品】って意味ですの!D.M伯爵様にピッタリな言葉だと思って花束にしてみましたの!」
そう言って渡す彼女に「ありがとう、大事にするよ」とだけ伝えた。リーズニングからのは後から見ることにした。
「次は私だね、私からはこれをあげる」
アポロからのプレゼントは、太陽をモチーフにしたブローチだった。
「気に入ってくれると嬉しい」
そう言って笑う彼はとても眩しかった。
「次は私とボアだね、私達からはこれをあげよう」
2人からのプレゼントは手作り目覚まし時計だった。
「それは私達の力作だよ、普通の時計は音が鳴るだけだろう?しかしその時計は電流が流れる仕組みになってるんだ!」
ふふんと自信満々に告げる彼等とは反対に私は不安しかない。マシな音になってるのかと思ったら電流が流れるときた、これはびっくりだ。まあ、折角作ってくれたから大人しく貰っておくとしよう、使うかどうかは分からないけれど。
「嗚呼それから…眷属の2人からもプレゼントを預かってきたよ。」と血の剣が渡したプレゼントの中身を見るとメッセージカードと共に1冊の本が入っていた。中身を見るまでもなく聖書だと分かった、2人らしいと言えば2人らしいのだが私はこういう類は読まないんだよ。
「あの2人にも今度礼を言いに行くとするよ」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
それからホールでは盛大なパーティが開かれ、そこに居たリーズニングからニコニコとパイを投げられたのだった。
今日は何か大事な日だった気がするが…何だったかな、忘れてしまった。
お気に入りの紅茶を1口飲み読書の続きをしようとした所で玄関の扉が破られる勢いで開かれた。扉は優しく扱って欲しいのだけど、まあ犯人は分かってるし今更言っても聞かないだろう。来客が来た以上読書はまた今度にしよう。
「全く…騒々しい、一体何用かな?血剣」
扉を勢いよく開けた人物は血の剣、同じ写真家の1人で吸血鬼らしい。偉そうにしてるのは何時もの事だから何も言わないけどね。
「何用って決まってるじゃないか、貴様の誕生日を祝いに来てやったんだ。どうせ今年も忘れているだろうと思ってな。」
誕生日…嗚呼すっかり忘れてた、そういえば今日は私の誕生日だったな。
思い出したような顔をした私を見て血の剣は呆れて溜息を零した。
「やっぱり忘れていたか、来て正解だった」
「私だって色々と忙しいんだ、忘れるのは仕方ない事だと思うけど?」
そう言うと彼はビシッと人差し指を私に向けて「その台詞去年も同じ事言ってたぞ」と指摘した。
「はいはい、済まなかったね。それで、君だけなのかい?祝いに来たのは」と言えば「そんな訳ないだろう、私以外にも来てるとも。さっさと入ってきたらどうだ貴様ら」と後ろを振り返り声を掛けた。
彼の言葉に「血剣ってばそんなに急かさないでよ、相変わらずせっかちさんなんだから」とフワフワしたような口調で言い返し入ってきたのはアポロ。この子も同じ写真家の1人で太陽神らしい。血の剣とは真逆のタイプでどうもお互い気に入らないと喧嘩(血の剣が一方的に吹っかけてるだけ)ばかりしてる。仲良くて微笑ましいよ。
「貴様がノロマなだけだろう、私は時間を無駄にしたくないんだ」
「もう、たまにはゆっくりした時間を楽しんだらどうなの?」
「絶対嫌だ」
仲が良いのは悪くないけれど此処私の部屋なんだけどなぁ。
彼らの口喧嘩を黙って見つめていれば扉からひょこっと顔を覗かせる子が数人居た。そのうち1人は血の剣とアポロの言い合いに割り込んで「お2人ともそれくらいにするなの!今日はD.M伯爵様のお誕生日なのに言い合いなんてみっともないですの!」と軽くお説教してた。
特徴的な語尾を付ける女の子は確か...血の剣のお気に入りの子でリーズニングの助手をしてたはず、トゥルースくん...とか言ったかな。ふふ、自分がお気に入りの子に怒られてて不貞腐れてるよ、アポロは素直に謝れて偉いね。
彼女の後ろにはボアくんとバイパーくんが並んでて可愛いなって思ってしまった。
「私の誕生日の為にこんなに集まって祝ってもらえるなんてとても嬉しいよ、ありがとう」
私が微笑んでそう言えば「当然ですの!何時もは敵対しててもお誕生日の日は別ですもの!お祝いするのは当たり前なの!」と言ってトゥルースくんが可愛らし九笑った。血剣が睨んでくるけど私何もしてないから、する予定もないけど。
「もう少しで誕生日パーティが開かれるから来なよ、主役なんだから。ただその前にプレゼント用意してる人は先に渡しておこうと話しててね、こうして集まったんだ。」
血剣の説明に納得する。パーティ中に貰っても持って帰るのが大変だからね。
「さて、それじゃ誰から渡そうか?」
「やっぱり最初に来てた血剣殿から渡すべきだろう」とボアくんの一言に周りが頷く。勿論血剣は「私が最初か…」と嫌そうに呟きつつ私の前に立った。
「私からの贈り物は…これだ」そう言って渡してきたのはネックレスだった、真ん中にサファイアが埋められている。
「とても綺麗だ…もしかして血剣、サファイアを選んだのはサフィを連想させたからかい?」以前私が彼に話した事を問い掛ける、義弟であるサフィの目はまるで宝石のサファイアのように青く私はとても気に入っていた。それを覚えていてくれたのだろう。
「その通りだ、最近の貴様は寂しそうにしてたからな。せめてこれを見て少しでも元気になってくれればと…」恥ずかしそうに告げる彼を見て気を使わせて申し訳ないなと思った。というかそんなに分かりやすく態度に出てたのだろうか?
「ありがとう血剣、本当に嬉しいよ。」
素直に礼を言えば彼は照れたのかそっぽを向いた、意外と可愛らしい所もあるんだね。
「次は私ですの!えっとえっと、先生からのプレゼントも一緒に渡しておきますなの!」
彼女から渡されたプレゼントの1つは金木犀と小手毬の花束で、もう1つはリーズニングからのプレゼントでメッセージカードだった。
「エマからのプレゼントは花束ですの!金木犀の花言葉は【謙虚】、【気高い人】って意味で小手毬の花言葉は【優雅】、【上品】って意味ですの!D.M伯爵様にピッタリな言葉だと思って花束にしてみましたの!」
そう言って渡す彼女に「ありがとう、大事にするよ」とだけ伝えた。リーズニングからのは後から見ることにした。
「次は私だね、私からはこれをあげる」
アポロからのプレゼントは、太陽をモチーフにしたブローチだった。
「気に入ってくれると嬉しい」
そう言って笑う彼はとても眩しかった。
「次は私とボアだね、私達からはこれをあげよう」
2人からのプレゼントは手作り目覚まし時計だった。
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ふふんと自信満々に告げる彼等とは反対に私は不安しかない。マシな音になってるのかと思ったら電流が流れるときた、これはびっくりだ。まあ、折角作ってくれたから大人しく貰っておくとしよう、使うかどうかは分からないけれど。
「嗚呼それから…眷属の2人からもプレゼントを預かってきたよ。」と血の剣が渡したプレゼントの中身を見るとメッセージカードと共に1冊の本が入っていた。中身を見るまでもなく聖書だと分かった、2人らしいと言えば2人らしいのだが私はこういう類は読まないんだよ。
「あの2人にも今度礼を言いに行くとするよ」
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それからホールでは盛大なパーティが開かれ、そこに居たリーズニングからニコニコとパイを投げられたのだった。
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