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第四十四章 テラの天変地異
国連の救援要請
しおりを挟む鬼界カルデラの噴火は、予測より比較的ましとは思いますが、それでも……
信じられない噴火ですが、直接の被害は少ないようです。
しかしこの後……
まず、ニュージーランドの北島にある、タウポが巨大噴火をおこします。
マグマ量120KM3と推測されたその噴火で、ニュージーランドは人が住めなりました。
無人とはいいませんが、政府が……機能しなくなりました、オーストラリアもかなりの被害です。
テラの世界は、この時点で震撼しましたが……
ナーキッドは沈黙しています。
次に北米のロングバレーが巨大噴火をおこします。
マグマ量150KM3……
直後に、ついにスーパーボルケーノが姿を現しました。
イエローストーン……
北米大陸上にあるホットスポット、マグマ量2200KM3……
アメリカの三分の二を灰燼にしてしまいました。
阿鼻叫喚、まさに地獄の口が開いたようです。
ナーキッド撤退後、テラでの力を誇っていたアメリカが、いっぺんに力を亡くし、ニューヨークにある国連はナーキッドに救いを求めてきましたが……
ナーキッドは国連からの公式文書を添付して、
「このような通告を受けた以上不可能である」
と、回答しました。
この回答後、トバがマグマ量550KM3の噴火を始めます、スーパーボルケーノと呼べるでしょう。
インドネシアとオーストラリアは壊滅、東南アジアも甚大な被害をこうむりました……
もはや誰の目にも、テラの最後が来たのは明らかです。
ナーキッドの再三の忠告も馬の耳に念仏、ナーキッドへの回答は、添付文書とともにマン島にて開示してあります。
悲鳴のような国連の救援要請にも、ナーキッドは沈黙を続けています。
ある日、フランシスコ・ロドリゲス・イエス会総長がやってきました。
「ミコさま……お願いです……なんとかスーパープルームだけは……南米は最後に残った地帯……」
「ヨーロッパも放射能で汚染されている現在、まともなのは南米だけ……」
「……利己特性はどうしますか……ここで助けても……総長は知っておられるはず」
「たしかにおっしゃる通りです、しかし、そこを押して何とか……」
「約束は守られるものです、彼らは自らが云ったのです、口を出す事はない、不愉快である、と、それをどうしますか?」
「助けてあげると云っている相手に、不愉快とまでいい、そしていざとなったら助けてくれと泣きつく……これが利己特性でしょう」
「しかし、それは上の指導者層、下の者は関係ないはず」
「関係はあります、その間違った指導者層を選んだのは国民、たとえ独裁国家といえども、その独裁者を許したのですから、その責は取らなければなりません」
「それは判っています、しかし、情に訴えます」
……
「そこまで云うのなら、貴方にはナーキッドの最高幹部会を招集する権限があります」
「それで再度、他の皆を説得してみてください、最高幹部会が貴方の意見を受け入れたら、考えましょう」
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