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第二十三章 六月の花嫁

姉の領収書が私への請求書?

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 ここでお昼近くになりました。
 響子さんが、「お昼を作らなくっちゃ」
 と、そわそわし始めますが、サリーさんが、
「今日は皆で何処かへいきましょう、いいでしょう聡子さん」

「そうですね、今日は清女さんたちも誘って、おいしい物を食べに行きましょうか、留守番は獅子に任せればいいでしょうし」

「なにかご希望のものはおありですか?」
 と、聡子さんがサリーさんに聞きますと、
「清女たちさんが食べたい物がいいでしょう、希望を聞いて下さい」
 と、サリーが気を使いました。

「私も混ぜて」とここへ茜さんが来ました。
「私だけ、はねは寂しいですね」
 サリーさんが、「いえ、そんなわけは……」
「いいですよ、一応、姉でもありますが、私は妹とは血がつながっているわけではなく愛人の一人、夜伽の仲間、よろしくお仲間に入れてね」

「申し訳ありません、では一緒にお昼でも」
「勿論、オフコース、どこでも行きますよ、で、どこいくの?」
「いまから清女さんたちに、希望を聞きに行こうかと……」

「おいしい所へいきましょうね、お金は大丈夫、任せなさい」
 梅香さんが、清女さんたちを呼びに行きました。

「私たちの様なものが、茜様とご一緒してよいのですか?」
「皆一緒ですよ、この東京ハウス、というより、ミコに仕える女に上下はありません、乳房は二つ、あそこは一つ、お尻の穴も一つ、変わりはないでしょう?」

「それより日頃、皆さまのご苦労に対しての意味もあります、食べたい物を云いなさい」
「では、お肉などを……」

 聡子さんがすぐに、
「近くのホテルにステーキハウスがありますので、予約を取りましょう」
 と、携帯で予約を取っています。

「はい、十九名……」
「茜さま、一杯で予約が取れないそうで、40階のいま貸切専用になっている、ビュッフェレストランではどうかと云っていますが、いかがいたしましょう?」
「ローストビーフを、シェフが目の前で焼いてくれるそうですが、多少費用がかかります」

「私のポケットマネーですから遠慮は無用、その場で追加が出来るか、聞いておいてください」
「それとあそこは、フランスのケーキ屋もありましたね、たしかテイクアウトも出来たはず、ならば持ってこられるでしょう、それもお願いします」

「それと誰か記念日の方はいますか?誕生日が明後日? では、誕生日の記念パーティーということで、ローストビーフをメインに、後はお任せということでお願いできませんか?」
「ナーキッドの東京支店女子部と云うことで、予約すればいいでしょう」

 聡子さんがその様に伝えると、ホテル側はとても驚いたようで、
「承りましたが、その他ご希望がおありでしょうか?」
 と、聞いたそうで、表向きは内緒にといっています。

 あとで聞きましたが、皆でハイヤーを連ねていったそうです。
 なんせ茜さん以下、圧倒的な美女ぞろい、中には公爵令嬢と財閥当主令嬢がいますし、その二人がサリーさんと茜さんに対して、侍女のようにふるまう以上、正真正銘、ナーキッドの東京支店女子部と云うことに、納得していたとのことでした。

 代金は姉が一時払いをしたと云って、領収書を私に請求書としてくれました。
 超高級ホテルですから、それは超高級な代金が書かれていましたね……

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