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第七十一章 幻のカタカムナ
神の子は復活する
しおりを挟む……魂が飢えているなら、私が暖めてあげましょう。
私にすがりつきなさい、私のエネルギーに触れなさい。
彷徨ったの?
寂しかったの?
虐げられたの?
苦しかったの?
私にすがりつきなさい、私はあなた達をこの手に抱き、そして暖めてあげましょう……
美子さんの暖かさに、寄せられるように、幽子が群れていきます。
……私の命、喜びを差し上げましょう……
つぶやきが美子さんの心に響いてきます。
そうなの、愛されたことがなかったの、つらかったのね、うらやましかったのね……
ますます幽子が群れていき、徐々に美子さんを覆っていきます。
漆黒の塊は脈動を続けていますと、その中からささやかな光の粒がにじみ出てきました。
光の粒が幽子に寄り添うと、幽子は暗色を振り捨て、力強く鮮やかな色をまとい始めます。
そして塊は崩れ、個々の幽子となり、再びつぶやき始めたのです。
……暖かい、暖かい、暖かい……
……ありがとう、ありがとう、ありがとう……
相変わらず空間には、ボロボロの美子さんと、ペルペトゥアとライラさんだけです。
「ティアマト様!」
ペルペトゥアさんとライラさんの悲鳴が響きます。
「ライラさん、いや、『使いの人々』よ、貴女たちの主は、私とともに、明日を迎えることを承諾したようです」
「貴女たちはライラさんのように、昨日までの私の『夜の奴隷』さんでいてくれますか」
「ティアマト様は私たちの主様です」
「私は知ってのとおりエッチなの、貴女たちが側に寝てくれれば、私は気力が湧き出でる」
「そして貴女たちが、私の助けたいと願い、私に仕えると誓ってくれれば、私はとても助かるの」
「ティアマト様……」
「変態は力なのよ、いまここで,二人と絆を確固たるものにしたいの」
幽子集合意識としての、ライラとペルペトゥアは服を脱ぎます。
……本当は色事どころじゃないのだけど、二人に代価を差し出していただき、憎悪の変わりに、官能と歓喜に酔いしれてもらう……
平時なら楽しいけど、いまはね……
「貴女たちは私の何?」
「私は『夜の奴隷』、いまさら変えません、私はティアマト様の物、お仕えいたします」
ペルペトゥアさんが絶叫しています。
「皆の気持ちなのですね」
「私たちは軍事称号ルシファー所持者に従います、だから見捨てないでください」
「いつまでも私たちを見守ってください……」
ライラさんも、
「私たちはティアマト様の物です……お慈悲を……」
美子さんに、二人が纏いついてきます。
仄暗い小さな空間で、三人の淫靡な姿が踊り、そして動かなくなったのです。
ライラさんから、振動波が発せられ、美子さんの傷口にしみこんでいきます。
……傷が治癒してきたわ……ライラさんの心が見えるわ……ありがとう……
少し透けて見えるライラさんです。
……さて、後始末ね……
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