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第七十二章 家族

ミリタリーにもご挨拶

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「さて、転移しましょうか」

 四人はイシスさんと一緒に、ビューティフル号の姉の私室へ……
 美子さんが、
「よく来てくれました、まずはお座りください」
 と、席を勧めます。

「紹介するわね、こちらは私と姉のお母様である天津吉川神産巣日、こちらはお父様の天津吉川高御産巣日、そしておじい様の天津吉川天之御中主、よろしくね」

 四人ははじかれたように、直立不動の姿勢になりました。

「ルシファー様、失礼ですがお三方は、造化の神々であられますか?」

「そのとおり、このたび世界を覆っていた『色』を変えることに成功し、私たち二人に後を託されたのだけど、あまりに私と姉の出来が悪いので、心配になってリタイアできないそうなの」

「で、ミリタリーにも、ご挨拶していただこうかなと、ここに出てきていただいたの」

「出来の悪い二人の面倒をよく見ていただいて、親として感謝に耐えません」
「その上、私たちも押しかけて、ご迷惑でなければ、この世界に住まわせてください」

 神様とは思えない丁寧な言葉です。

 シウテクトリさんが、
「勿論歓迎いたします、で、どこに住まわれるのでしょうか?」
「それは皆様に決めていただければと考えています、そしていまひとつ、私たちから皆様にお願いがあります」

「どのようなことでしょうか?」

「このたび、最後のアスラ族の幽子を具現化することに決めました」
「いま世界は、凍結時空間の中に存在しています」
「五千万ほどの幽子で、ほとんどは使いの人々のものですが、八名ほどアスラ族がいます」

「ダイティヤと呼ばれるアスラの一氏族ですが、その集合意識がヴァルナ評議会議長として、かつて存在していました」
「ミリタリーの方々、とくにオルメカの方々の意見を聞かなくては、具現化できないのです」

 シウテクトリさんが、
「その方々は軍事称号を名乗れるのですか?」
「それは無理と断言できます」

「では問題はないでしょう、オルメカは確かにヴァルナ評議会議長に従いますが、軍事称号所持者の命令が優先されます」

「ダイティヤを歓迎していただけますか?」
「無論です、我々はアスラ族の軍事機械として生まれたのですから、当然ですが、『使いの人々』は我々の仲間、歓迎します」

 他の三人も、異論はないようです。
 
 美子さんが、
「ではこの世界を、先ごろ話題に上がりました、第三本線を通すための宇宙に配置します」
「でね、さらなるお願いがあるのですが……」

「ハレム関係の話は、百合の会議に計ってください!」
 イザナミさんが先に口を開きます。

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