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第四十三章 五皇帝の年 ウェヌスの戦い
勝つために羞恥を差し出している
しおりを挟む女兵士の目の前で、広く浅い窪地が出来、砂利が集まってくる……
そして窪地の底に、勢いよくお湯がわき出でてくる……
奇跡がそこに見える……
女兵士は歓声を上げ、彼女らは絶対に負けないとの確信をもったようです。
「さて、これで皆さんの士気は上がったでしょう、食事は大丈夫ですか?」
「今日はワインぐらいはかまいませんよ、ゆっくりとさせてあげてください、明日からはそうはいきませんから」
「お心のままに、ウェヌス女神様」
と、ファウスティナさんがいいます。
「さて、私たちもお風呂に入りますか?」
「私たち?」
「そう、せっかく幕屋を設営してくれたのでしょう、幹部の皆さんとお楽しみをね」
「でも兵士たちの前に、お姿を見せるのは……」
「小さいのを作っておきましたから、天幕で囲って下さい」
アンドロメダ、カッサンドラ、カイキリアが用意しに行ってくれました。
私たちの前には、素晴らしいお身体の六人がいます。
さて満天の星空の下で、エッチをしましょうか。
インドラ、乱交ですよ、戦いの前に、愚かにも私は乱交しているのですよ。
貴女の手配してくれた女に、溺れているのですよ。
さぁさぁ、愚かな女を笑いなさい、そして勝ち誇っていればいい、私は勝つために、羞恥を差し出しているのですから。
翌朝、ストレス発散はしましたが、身体はかったるい私たちは、行動を開始しました。
アルビヌスの軍はトリノを通過して、この近くまで来ているようです。
「意外に早く行動していますね、これは午後にはアルビヌスの軍と出会えそうですね」
「ウェテリスに、知らせた方がいいでしょうね」
さて、ウェテリスはどうするのでしょうか、多分堂々と戦うつもりでしょう。
腐ってもローマの男、卑怯な事は出来ないはず。
まぁこれはウェテリスの美点ですが、欠点でもあるのでしょう。
案の定、ウェテリスはアルビヌスと、正面切って戦うとの事、互いに陣を構えて会戦するそうです。
私たちには、後方で待機を命じてきました。
「いかがいたしますか?」
ファウスティナさんが聞いてきましたが、
「ドルシッラさんの作戦の通り、ウェテリスの後方に布陣して、『継母(ままはは)の毒』を、プレゼントすればいいだけよ」
「ドルシッラさん、聞いたでしょう、貴女の作戦通り、意地悪な女の贈り物を、アルビヌスに届けなさい」
そして私はさらに命じました。
「ファウスティナさん、贈り物の指揮はまかせましたよ、存分におやりなさい」
「ガウダさん、ヌミディアの方たちを集めておいて下さい、私と一緒に、アルビヌスにひと泡吹かせに行きましょう」
そして北イタリアのロンバルディア、ポー平原に、私たちは陣を構えたのです。
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