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第八章 ラングスドルフ領の旅
ラングスドルフ領は奴隷の産地
しおりを挟む夕食は本当に簡単にすませた一行。
その後、男ものの洗濯をして、ポータブル乾燥機で乾燥……
「この世界の男性の下着ってブリーフなのね」
「そうですよ、父上もブリーフでしたね」
「それにしても臭いわね……」
「あまりお風呂に入ることはありませんので……」
臭い男呼ばわりされて、帝国の大公殿下も形無しですね。
よく朝、雨も上がり、快晴となりました。
チャールズさんが、
「ティア様、このあたりを抜けたら、雨に悩まされなくなりますよ」
「そうなの?」
いつの間にか『様』がついています。
「このあたりが、カルヌントゥムに向かう街道の、1番の難所といわれているのですね」
「不思議と雨が降り、皆難儀するのです」
「トラもオオカミも出てきますし、うっかりすると『物の怪』も出たりします」
「途中に集落がほとんど無かったでしょう?危険なのですよ」
「あそこに結界石が見えるでしょう、あれが境目なのです」
結界石?あのでっかい石の事?
たしかに、何らかのエネルギーを感じますね、まあここは異世界、何があっても不思議ではないのでしょうね。
ユーティリティビークルは何事もなく、その結界石の横を通り過ぎていきました。
「ここからは街道にも集落が増えてきますよ」
「ラングスドルフ子爵領の農奴の集落ですが、次の休憩場所はその集落のどこかですが、まだまだ野営なのですよ」
「宿屋はないの?」
「農奴の集落には、宿屋はありませんよ、広場に野営するわけです」
バヤンウルギー村のような感じでしょうか?
農村ですから、通行税は旅人一人2アス青銅貨でしたかね……
「旅人が野営するには、村の入口で通行税を支払うのだが、ラングスドルフ子爵領の農奴の集落の通行税は、旅人一人あたり2アス青銅貨、ただ、野営すると、場所代を一人あたり1セステルティウス銀貨とられる」
「だから隊商は素通りするわけだ、街道にはトラとかオオカミとかは出ないが盗賊は出る、しかし傭兵団がのっていれば、まず問題は無い」
「大体どこかに一泊することになるが、夜間強行する者たちも多い」
「そんなことをすれば、誰も村で買い物などしないではありませんか?」
「そうなんだが、そもそもラングスドルフ領は土地が痩せていてな、農奴の喰う分と、子爵に収める物納で精一杯なのだ」
「売る物がない?」
「売る物はある……」
そもそもこの世界、少しばかり出生の男女比がいびつで、女が多く生まれるのです……
「ラングスドルフ領の奴隷は安い……第三子ぐらいからは養えないので、『間引き』も良くあると聞く……」
「農奴の奴隷がラングスドルフ領の売り物……専売制で、領都レニでこのあたりの奴隷を売っている」
「一泊するとなると、我らもレニでとなるな……」
「宿屋に泊まるのですか?」
「治安がよろしくないので、どうした物かな……」
「夜間強行しませんか?」
「別にいいが?」
良く聞くと、この街道を行き、ラングスドルフ領を抜けるまで70キロほど……
途中、レニを含めて7つの集落を抜けるようです。
さらに、馬車の休憩場所などは一切無いようなのです。
普通、馬車の旅は一日30キロいければ御の字……
夜間強行すれば16時間……60キロはいけます……
街道を行くときには、ユーティリティビークルのスピードを上げれば、問題なく通過出来るはず……
「集落の出入り口はいつでも通れるが、日没から日の出までは夜間通行料として五割増しとなる」
「まったく吝いわね」
ユーティリティビークルは時速35キロほどで驀進?
次々と村を通り抜けていきます。
概ね一時間半ぐらいで走破していきます。
朝の8時に出て、12時半には三つ目の集落を突破!
ここで屋外でおトイレ、および簡単なお食事……
午後の1時に走り始め、四つ目の集落がレニでした。
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