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第五章 ミエリッキ・オッコネンの物語 エウノミア研修
保養施設エウノミア
しおりを挟むプラネテスの保養施設、エウノミアとは、直径255キロの小惑星を周回する、軌道上にある保線用緊急退避ステーションを改良した、エウノミアステーションと小惑星上にある温泉保養施設のことです。
小惑星エウノミアの採掘工場後に出来た、巨大なクレーターにドームをかけて、トルコのパムッカレをイメージして、数百もの石灰棚の、小さいプールのような温泉が作られています。
エウノミアステーションの中には、小さい個室が並んでいます。
個室でゆっくりとし、エウノミアにある白亜の温泉に入りにいくことになります。
この個室の専用として、石灰棚の小さいプールのような温泉が付属しているのです。
そしてこの個室から直接、専用温泉に転移できるのです。
勿論、大浴場もあります。
こちらはエウノミアステーションのロビーから、転移することになりますが、クレーターの底にあり、巨大な温泉プールのようになっています。
この大浴場は、珍しく水着着用なのです。
先ごろミリタリーの保養施設は、ハウスキーパー事務局の許可書があれば、解放されることになったのですが、プラネテスは一応ミリタリーでも、平時はネットワーク・オフィスに所属します。
その為、プラネテスの保養施設エウノミアは、ウイッチさん以外にも、各地の執政官府や管理官府など、ネットワークの事務処理部門に申請すれば、使用できるようになっています。
ただプラネテス・ミリタリーが優先されるのですけどね。
一応男性も使用は可能です。
その為に大浴場は、水着着用なのです。
さらにいえば一般の方は土曜、日曜に限定されているようです。
まぁ特別の許可があれば、女性に限り平日でも使えます。
つまり男性の宿泊は、土曜日だけとなるのですけどね。
エウノミアの受付に、
「ガリレオ衛星執政官府近傍宇宙未確認領域探査局のミエリッキ・オッコネンです」
というと、
「聞いています、1103号室です、鍵はこれです」
言葉少なく、無表情で鍵を渡してくれます。
……なるほどね……受付係としては三十点ね……その前に社会人として三十点ね……
ニンリルさん、いやニンリル様を知っているからいいけど、印象が悪いわね……
1103号室は、グレードがかなり高い部屋のようで、二部屋続きとなっています、そもそもこのエウノミアはシティホテルクラスの設備、あまり豪華ではありません、プラネテスといえど、ミリタリーですからね。
1103号室といえど、野暮ったいのです。
ミエリッキ・オッコネンが、1103号室で荷物を開いていると、1104号室から内線電話がかかってきました。
「ミエリッキ・オッコネンさんですね、お久しぶりです、ニンリルです」
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