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第六章 キュネブルガの物語 トライアングルの内乱
イシスさんが困り果てた
しおりを挟む「わかりました、貴女たちの担当はガリレオ衛星執政官のアリシアさん、直接の担当部署はガリレオ衛星ステーション方面近傍宇宙未確認領域探査局、デイム・アニー・スチュアートとします」
「アニーいいですね、後のことは頼みましたよ、私は新しいホーム設立の下準備のため、事務局と打ち合わせがあります」
サリーさん、忙しいのか、あわただしくニライカナイへ帰っていきました。
「アニー様、この後、私たちはどうなるのでしょうか……」
「明日にはソンガイ帝国の三名と合流、新設ホームの設立準備に入ります、それまではここに滞在となります、ニライカナイへは後日招待となるでしょう」
その日の夜、三人は再びキュネブルガの部屋で、
「ねえ、エアンフレド、ソンガイの三名って誰かわかるの?」
「美女で名高いのは皇帝の第三皇女、アスキア・シノと帝国宰相であるマンサ・ムーサの一人娘、マサラナボ・ムーサ、とくにマサラナボは父親の代わりが務まるとの評判よ」
「あとの一人は、たぶんだけど、美少女として有名なアサンテワァ侯爵家の次女、ヤァ・アサンテワァ、でもヤァは十五歳のはず……」
「マサラナボ・ムーサは聞いたことがあるわ……そう、あの有名なムーサと協議することになるのね……」
「こうなると私たちは、旧ケント連合王国の代表になるのよね……」
キュネブルガのつぶやきに、エアンフレドもうなずいたのです。
翌日、三人はアニーに誘われ朝食会場へ、あるテーブルへ案内します。
「アニー局長、その三人が例の方々?こちらはソンガイ帝国から三名、話は了承されています」
こういったのはミエリッキ・オッコネン。
「ねぇ、ミエリッキ、クレマチスさんはどこ?」
「イシス様とヴィーナス様についているわ、皇帝との会見が長引いて、後始末に走り回っているようなの」
「皇帝?ソンガイ帝国の?」
「ムーシン・シン帝が途中から交渉に割り込んできてね、イシス様がもてあましたようなのよ」
「イシス様が?なにか裏でもあるのでしょう、イシス様がもてあますなんて事はありえないわ」
「それがね、皇帝が女奴隷の惑星をつくり、それを献上する、皇族、貴族の家からも一人は献上させる、さらに前王朝の血統の女はすべて献上する、だそうよ」
「その女奴隷の星ってね、旧ケント連合王国の七つの星、男をすべて処刑して、女だけの星にするらしいのよ、でイシス様も困り果てたというわけ」
ミエリッキ・オッコネン、少々口がね、でもそんなことで、イシスさんが戸惑うことなどありはしないのですが……
イシスさんが困った最大原因、そしてソンガイ皇帝がここまで低姿勢の本当の理由は、別にあるのです。
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