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第七十六章 そして世界をつなげましょう

移動世界

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「各艦分離正常を確認、これより艦隊運動開始」
 大小21の球体は、さらに宇宙戦闘艦を率いて、艦隊行動を行います。

 これは壮観でしょうね……岩石惑星やその衛星、それに巨大ガス惑星クラスの宇宙船が、数百という宇宙艦を率いて、戦闘行動をしているのです。

「これよりニライカナイ結合を開始する、スペースシティ1号、2号、3号、ドール・ウイッチ号分割せよ」
「分割を確認」
「ヨミ号、オルメカ号、ユニバース号、ミリタリー号、各々の直属艦隊を収容確認後、フリングホル二号と結合せよ」
「各ドール号、フリングホルニ号に結合」
「回廊中央球形スペースコロニー1から12まで、所定の位置に結合、回廊内の電気軌道を接続」

 そうなのですよ、ニライカナイ号は、フリングホルニ号の最外殻直下に連絡用通路が通っており、それと構造体としての、回廊の内部を通っている通路とつながっているのです。

 ニライカナイ号内部の通路、特に電気軌道は、フリングホルニ号内の内部路線と、結合各艦の回廊を繋ぐ外部路線、そして内部路線と外部路線を繋ぐ回廊内のバイパス路線、そして各艦内路線と成り立っています。

 動力なども同様になっていますが、各艦内部で使用する動力は、かなりあまり気味、二艦分はあります。
 通常の航行用や戦闘用の動力なら、フリングホルニ号の動力で十分、お釣りが来ます。
 宇宙を渡るぐらいなら十分です。

 しかしニライカナイ号全体で、暗黒流動(ダークフロー)と呼ばれる、宇宙の地平線の外側に出るには、動力が不足します。
 フリングホルニ号単艦でなら出られますが……ニライカナイ号全体となると……あまりに巨大ですからね……

 そのため、全艦の動力を同調、スペースコロニーの12隻以外の、9つの宇宙船の全動力を集めると、これが可能になるのです。

 この場合、スペースコロニーの12隻の動力は、補助動力として、ニライカナイの艦内動力を補いますが、この場合、非常動力体制になります。

 もしメイン動力に何かあっても、この補助動力だけで負荷を最大にすれば、何とか一回だけですが、暗黒流動(ダークフロー)から脱出できます。

 また補助動力だけで、宇宙を渡ることもできますが、この場合、エネルギーがカラになりますので、何処かでエネルギーを取り込まなければなりません。
 宇宙の中だけなら、問題は無いようになっています。

「ニライカナイ号、結合完了、動力回路同調開始、船内通路異常なし」
「直属親衛艦隊、ミリタリー号に収納」

「本船は今より、試験航海として暗黒流動(ダークフロー)に出る」
「制御をフリングホルニ号に移譲する」

 マレーネさんが、「ニライカナイ号、転移!」
 暗黒流動(ダークフロー)にニ、ライカナイ号は浮かんでいました。

 さすがのシウテクトリさんたちも、一度として見たことのない世界でしょう、分かっていても唖然としています。

 マレーネさんが、
「目標、ニューフロンティア宇宙のゼブル・ナイツ・ステーション」

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