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第十一章 メシアの噂

お写真騒動は時々起るのです

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「お写真?」
「インターネットで流出していますよ、美貌の天才数学者、ミス・ミコ・キッカワとして、これです」

 大事そうに見せてくれました、その写真を……
 遠くから写されていますね。
 どうやらケンブリッジの姉の家の前で、アリシアさんとツーショットで取っていたところを、さらに遠くからうつしたようです。

 でも限界まで拡大してあり、粒子が荒れているというか、あまり明瞭には写っていません。
 しかしはっきりと、某アメリカ財閥令嬢アリシアのレズ疑惑の相手、美貌の天才数学者、ミス・ミコ・キッカワと書かれています。

 どうやらアリシアさんを付けねらっていた、パパラッチに撮られたようです。

 まぁ安心しましたが、この写真を飾っているのですか?
「皆さんで写真をとりましょう、この写真を飾られるのは、いささかはずかしいですから!」
「カミーラさんも呼びなさい」

 ゾーイさんが、「姫様、ミコ様がお呼びです」とハウス内の電話で呼び出します。
 直ぐに来たカミーラさんですが、裸のヴァンパイア娘を見て、なにを勘違いしたのか、うれしそうに服を脱ぎだします。

「カミーラさん、エッチは女になるまでお預けです、今しばらく我慢しなさい」
 あきらかにがっかりした顔をしましたが、写真を一緒にと知ると、いっぺんに嬉しそうな顔になります。

「一族に配るのでしょう、これでご両親も少しは安心します、娘がミコ様に可愛がられていると知りますから、たとえ夜の相手としてはまだだとしても……」

「では、皆、服を着なさい、きれいにお化粧もしてね」
 やはり娘さんです、うきうきしながら髪を結い、長々と化粧をし、大騒動をしています。

 サリーさんが「何事ですか?」ときましたので説明しますと、
「では、私がシャッターを押してあげましょう、気持ちはよく分かりますし……」
「でも出来れば、メイドさんたちや、ヴァルキュリヤたちとも集合写真を撮ってくれませんか、よい記念になりますし」

 この一言で、レイキャネース・ハウスは開店休業に。
 ナーキッドタウンに一軒ある美容院は、先にブラッドメアリーが予約していますので、あふれたメイドさんたちはレイキャビックまで車を出すことになりました。
 同地の美容院は、大変な盛況になりました、勿論、婦人服も飛ぶように売れたとのことです。

「そうそう、一度、ニューヨークにお出ましいただきたいと、例のお三方が申していますよ」
「そうですね、では、この写真を撮り終えた後、ニューヨークへ行きましょう、そのとき、あちらでも写真を撮りましょう」
「お嬢様は律儀ですね、分かりました、連絡しておきます」

 カミーラさんのたっての希望で、私はカミーラさんをひざに乗せ座り、背後に五人のヴァンパイア娘が取り囲むように並んだ写真です、皆さん、ものすごくドレスアップしています。
 サリーさんがデジカメのシャッターを押し、映り具合を確認し、ゾーイさんに渡します。
 この後、個別にペアで収まりました。

 サリーさんが、
「今日から一週間、休暇を上げます、ゲートを通ってニューヨークへ行きなさい」
「そこで解散して、故郷に帰り、この写真をリーダーに渡しなさい、ただしそれなりの扱いをしてくださいね」
「一週間後、ニューヨークハウスに集合して、事務担当者の指示に従いなさい」

 その後、メイドさんたち全員とお写真です。
 こちらは、極めて健全な集合写真と思いきや、かなり露出的な服を着込んでいます。

 超ミニは勿論、かなり透明なものも……
 サリーさんが苦笑しています。
 この後、一人一人と収まりました。

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